西武拝島線は、東京都小平市の小平駅から昭島市の拝島駅までを走行する、全長14.3kmの路線です。小平駅・萩山駅・小川駅・東大和市駅・玉川上水駅・武蔵砂川駅・西武立川駅・拝島駅の8駅があり、小平駅〜拝島駅間で約21分とコンパクトな距離感です。
終日にわたって西武新宿線田無駅・西武新宿方面への直通運転を行っているため、高い利便性があります。また、小平駅〜玉川上水駅間や玉川上水駅〜拝島駅間の区間運転も日中を中心に走行しています。
2018年からは夕方・夜間の有料座席指定列車「拝島ライナー」が、西武新宿駅発拝島行きの下り列車のみ運行を開始。拝島線内は各駅停車となっています。
西武拝島線が現在の路線として開業したのは1968年で、それ以前は各駅間でそれぞれが支線としての役割を果たしていたという経緯があり、古くから生活に根差した路線であったことが伺われます。
沿線には豊かな水が流れる玉川上水、昭和記念公園や小金井公園といった緑地に恵まれ、生活の足であるとともに、自然を求める人が休日に利用しやすい路線でもあります。
区画整理が進み、大型商業施設が充実の玉川上水エリア
玉川上水駅には、西武拝島線のほか多摩モノレール線が乗り入れ、2路線の利用が可能な接続駅となっています。
西武新宿線に直通で移動できるため、高田馬場駅や西武新宿駅まで一本でアクセスが可能。急行であれば約40分の距離です。多摩モノレール利用では多摩センターまで直通。立川駅から中央線、多摩センター駅から京王多摩センター・小田急多摩センターへの乗り換えが可能です。
複合的に路線が活用できるため、非常に利便性の良い駅といえるでしょう。
駅構内にはファーストフード、駅前にはコンビニエンスストアやカフェが隣接。さらに駅周辺には、24時間スーパー、大型スーパー、ショッピングモールがあり生活環境も整備されています。
現在開発が進行しており、駅周辺エリアを中心に戸建てよりもマンションが目立つ街となってきています。多摩モノレールで約5分の立飛駅には大型商業施設「ららぽーと立川立飛」もあり、若い世代にも人気です。
一方で駅の南口には玉川上水が流れ、周辺には木々が茂る遊歩道が整備されています。夏には蛍が見られる、抜群の自然環境に囲まれています。
玉川上水駅の2km圏内人口は約11万人、65歳以上人口比率は約22%と低く、1人世帯率は31%。居住者層としては、30~39歳が中心となっています。
自然環境に恵まれ、交通の便・生活利便性にも富むことから若い世代の家族層が多く居住しています。高齢者層、単身世帯の割合が低く、ファミリー世帯に好まれていることがわかります。
開発によりマンションの建設が拡充しているため、今後の発展にも期待ができます。また、玉川上水は緑道として整備された長大なコースで知られており、首都圏でも人気の散策スポットです。
出店を考える場合には、好環境のイメージを活かした自然派のカフェや健康志向のレストランがおすすめです。また拝島線沿線の中でも若い世帯の増加が予測され、今後の発展性に期待ができるエリアという点から、新しいコンセプトを試す余地もありそうです。
このエリアのランドマークには、「都立東大和南公園」「イトーヨーカドー東大和店」などがあります。
東京西部における交通の要となる、拝島エリア
拝島駅から西武新宿駅までは準急で59分。拝島ライナーで47分の距離にあります。青梅線・五日市線・八高線のJR3路線が乗り入れており、非常に良好なアクセス環境にある駅です。
23区外では4路線乗り入れは立川駅と拝島駅のみとなっており、東京西部における交通拠点の役割を果たします。
拝島駅構内は広く、車両基地も備える広大な敷地の中にあります。拝島は福生市と隣接し、駅北口からは横田基地の敷地が広がっているのも特徴的です。
歴史的には、八王子と日光を結ぶ日光脇往還の宿場のひとつとして古くから栄え、現在は国道16号線が通り、車通りが多いエリアです。南口の広場前は小規模な繁華街となっており、飲食街が並びます。
拝島駅の2km圏内人口は約7.4万人、65歳以上人口比率は約20%、1人世帯率は約34.6%。居住者層では、30~39歳の割合が最も高くなっています。
こちらのエリアも路線数が多く土地環境が良いため、比較的世代の若いファミリー層の居住が多い傾向です。大型商業施設はありませんが、スーパー・コンビニエンスストア、ホームセンターが点在しています。
自然に恵まれた土地柄で、若い世代の居住が多く、1人世帯率は低めという特徴を活かし、子ども連れでも入りやすいおしゃれなファミリーレストラン系、周辺の環境にマッチした自然派カフェなどで集客のチャンスが見込めるのではないでしょうか。
また、交通量の多さに着目し、車利用者を想定した幹線道路沿いでの店舗展開を視野に入れることも可能です。
同エリアのランドマークには、「国営昭和記念公園」「拝島公園」「旧三井家拝島別邸」などがあります。
拝島線は健全な空気に満ちた癒しの路線
西武拝島線は大きな集客スポットがあるわけではなく、西武線の中でも比較的地味な存在です。しかし、その沿線をたどれば、豊かな水と緑に恵まれた土地が広がり、若い世代からも支持されていることがわかります。繁華街ではないからこそ、逆に個性を活かした店舗設計も可能。住民に親しまれ長く愛される店づくりをしたいと考えるのであれば、適した立地が見つかる可能性を秘めたエリアと言えるでしょう。