中央本線は、JR東日本・JR東海がひと続きとなった路線名です。東京駅～名古屋駅間を山梨県・長野県を経由しながら東西に長くつなぎます。海側を通る東海道本線に対して、山側を通っているのが特徴。日本のもう一つの背骨といえそうです。高尾の先にある塩尻からは、東西JRの運行形態が分かれています。
JR東日本管内の中央本線は、日本の中心とも呼べる東京駅から神田、御茶ノ水、四ツ谷など文化的特徴を持つエリアを通り、さらに副都心の新宿駅を経由しています。中野や吉祥寺、高円寺といった若者から人気のエリアも、沿線には多数見られます。
中央線全体の1週間の利用者数は3,000万人を超え、京浜東北線、山手線に次ぐ乗車数です。郊外のベッドタウンと都心を結び、通勤・通学の重要な足として利用されています。
都市部を後に多摩地域の豊かな自然風景を抜け、さらに山梨へと至る、バラエティ豊かな車窓の景色が魅力です。
中央本線沿い東京屈指の大人気エリア
中野駅界隈は、サブカルチャーの街として多くの若者でにぎわいます。物価が安く、買い物客も多いため、周辺部からの集客を見込めます。
高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺は、住みたい街ランキングの常連で、中央本線沿いには地方から出てくる若い人が希望の居住候補としてあげる駅が連なります。こうした街には東京に古くから住んでいる人も多く、新しさと古き良き文化が融合しているのが特徴です。
駅から少し離れると閑静な住宅街が広がるエリアとなり、落ち着いた層をターゲットとする店舗であれば集客が見込めます。
人気の街らしく高円寺駅から2km圏内の属性では20～39歳と若年層の割合が高く、吉祥寺駅では30～39歳人口の割合が高くなっています。流行に敏感な世代が集まっているため、小規模でユニークな店舗が多く、業種も多彩です。
中央本線沿いの人気エリアでは居住者層が多様化しているため、各世代それぞれをターゲットとするアプローチが可能です。店舗の性格に合わせた立地を探せば、駅前以外にも数多く見つかりそうです。
交通の結節点としての利便性八王子駅・立川駅周辺
コロナ禍において、郊外でのライフスタイルに大きな注目が集まっています。利便性が高く、環境も良好な八王子や立川周辺の人気が上昇しています。
八王子は東京都の市部として人口・面積ともに最大です。頻発する地震に対して、地盤の強いエリアとしても評価されています。また産学連携の中心地としても知られており、約10万人の学生が学ぶ有数の学園都市でもあります。さらに環境の良さから子育て世代からも人気が高く、若年層からファミリー層まで、幅広いターゲット層での店舗展開が期待できます。
▶︎ 八王子駅周辺の主な商業施設：
セレオ・東急スクエア・長崎屋など
▶︎ 乗り入れている他路線：
JR八高線 JR横浜線 京王線（京王八王子駅）
居住者の平均年齢は2020年時点で男性45.39歳、女性48.21歳です。割合では、働き盛りの世代と70代が多くなっています。対象を地元に居住する層とするか、通勤・通学してくる層とするかによって、店のコンセプトや立地場所の選択が大きく変わりそうです。
▶︎ 立川駅周辺の主な商業施設：
ルミネ・グランデュオ・伊勢丹・高島屋・東急ストア・成城石井・いなげや・フロム中武など
立川にはその他、国営昭和記念公園や玉川上水、多摩川など自然豊かなスポットがあります。緑と水に恵まれ、利便性と充実した生活環境が両立するエリアとなっています。居住者の平均年齢は、2020年時点で男性43.73歳、女性46.45歳。八王子と同様、働き盛りの世代と70代の割合が高くなっています。
商業施設周辺の集客を利用する、自然を楽しむ行楽客を見込む、居住するファミリー世代をターゲットとするといった店舗の立地候補が考えられます。
首都圏の観光スポットとしても人気！勝沼ぶどう郷駅、石和温泉駅、甲府駅
東京都を抜けて山梨に入ると、ワイナリーやハーブ園など、人気のスポットが点在しています。中央本線は、首都圏からの観光客の足としても便利に利用されています。
果樹園が広がるエリアに立地する石和温泉郷は比較的新しい温泉地ですが、くせのない泉質と豊富な湯量で全国的にも有名です。山梨県のターミナル駅となる甲府駅からは、美術館や舞鶴城公園など見所が多数あります。
中央本線沿線のエリアには、首都圏から訪れる人が多く、ビジネス支援も盛んな土地柄です。観光客・居住者双方をターゲットとした出店チャンスがあり、独自のコンセプトを打ち出していければ、順調な集客を期待できます。
まとめ：多様性を活用した事業展開ができるJR中央本線沿線
東京駅から名古屋に向かい、長く伸びるJR中央本線。沿線には事業拠点にできる駅が多数あります。場所によってはそこに住む人と観光客の両方を取り込める可能性も高く、新事業への期待が広がります。人気の街では新しさと古さが共存しており、若者からシニア層までターゲットの選択も自在。競争率の激しい駅をあえて避け、落ち着いた住宅街を選択するなど、沿線の多様性を活用しながらの立地を検討できます。
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