JR川越線は、大宮駅から高麗川駅まで、埼玉県の中部を東西に結ぶ路線です。
しかし、大宮駅から高麗川駅まで1本で行くことはできません。JR川越線は、中間にある川越駅を堺に運転系統が東西で分かれているため、川越駅を越えて移動する場合は、川越駅で一度乗り換える必要があります。
JR川越駅の沿線駅を、東側の路線から見ていきましょう。川越線の一番東にあるのは、多くの路線が交わり埼玉県を代表するターミナル駅でもある、大宮駅です。大宮駅を出発すると、日進駅、西大宮駅、指扇駅、南古谷駅と続き、川越駅に到着します。
西側の路線では、川越駅を出発すると、西川越駅、的場駅、笠幡駅、武蔵高萩駅と続き、路線で最も西に位置する終点の高麗川駅に到着します。
このように、大宮駅から川越駅、川越駅から高麗川駅と、それぞれ別の路線のように運行していることから、ラインカラーも東西で緑とグレーに分かれているのも、JR川越線の特徴です。
これら11の駅のうち、大宮駅から指扇駅までの4つの駅はさいたま市に、南古谷駅から笠幡駅までの5駅は川越市に、武蔵高萩駅と高麗川駅の2駅は日高市にあります。JR川越線は、さいたま市から川越市を横断し、日高市までをつなぐ路線でもあります。
しかし、沿線の街並みを特徴によって大きく3つに分けると、それぞれの市ごとではなく、別の分け方ができます。川越線の沿線の街について、それぞれの特徴と飲食店事情を3つのエリアに分けて紹介していきます。
大宮駅~指扇駅のエリア
大宮駅は、さいたま市だけでなく埼玉県の中心駅でもあり、周辺は多くの人が集まるエリアです。
旧・大宮市は合併によりさいたま市へと地名を変えました。旧・大宮市の中心駅だった大宮駅は、さいたま市の駅となっても駅名はそのまま残り、今でもさいたま市の中心駅として機能しています。
大宮駅周辺の特徴として、特色の異なるいくつもの商店街があることがあげられます。
大宮駅東口を出ると正面にあるのは、全国有数の大型商店街として知られる大宮すずらん通り商店街です。アーケード付きのレトロな雰囲気が醸し出す魅力がたっぷりの商店街で、鮮魚店や精肉店のほか飲食店も豊富です。定食屋や焼肉屋、蕎麦屋、居酒屋、カフェなど、多様な飲食店が軒を連ね、さいたま市だけでなく東京からも訪れる人でにぎわっています。
駅の周辺には、埼玉県で一番の歓楽街としても知られる大宮南銀座、ディープな雰囲気が漂うウエストサイドストリートなどもあります。また、もう一つのアーケード街としてにぎわう一番街商店街、昔ながらの商店街の住吉通りと一の宮通りなど、多様な商店街があります。
それぞれの商店街に飲食店が多く、長い歴史のある店と新しい店とが混在することで、魅力ある商店街を作っていると言えます。
南古谷駅~西川越駅のエリア
このエリアの中心となるのは、JR川越線の路線名ともなっている川越駅の周辺です。
小江戸とも称される街並みは、長い歴史を感じさせ風情たっぷりの景観を作り出しています。川越市の中心部は、この小江戸の街並みをひと目見ようと、関東だけでなく全国から観光客が訪れる場所です。
川越はさつまいも料理が有名で、さつまいもをアレンジしたメニューを出す飲食店が多いことも特徴としてあげられます。さつまいもをふんだんに使った「いも懐石」、さつまいもと並ぶ名物のうなぎを一緒にした「いも重」などの和のメニューのほか、見た目も楽しめてSNSでも人気のさつまいもスイーツも豊富です。
また、歴史ある街並みによく似合う蕎麦屋、クラフトビールや水出しコーヒーの店なども人気で、川越市中心部は大きなグルメスポットとして雑誌にもよく取り上げられています。
川越駅周辺では、こういった地元のさつまいもメニューやレトロな雰囲気をうまく融合させた店が受け入れられやすい傾向にあります。
西川越駅~高麗川駅のエリア
川越駅から西側のエリアは、東側と比較すると利用者数が少なく、自然が多く落ち着いた街並みが広がります。いずれの駅の周辺も住宅街が広がり、飲食店が集中していて目立つようなエリアはありません。
しかし、飲食店がないわけではありません。住宅街の合間に個人経営の飲食店があり、地元住民から愛されながら長く続く店もあります。
地域に根ざした飲食店を目指すなら、落ち着きあるこのエリアがおすすめです。
JR川越線の沿線の街はさまざまな色を持つ
JR川越線の特徴と、沿線の街の特色を紹介しました。JR川越線は、大宮駅の周辺、川越駅の周辺、西側エリアと、大きく特色が分かれ、さらにそれぞれの街にも色の異なる商店街やグルメスポットが存在します。JR川越線の沿線に新たに飲食店を開店させる際は、こういった特色を抑えて場所選びを進めるとよいのではないでしょうか。