都心5区に数えられ副都心・池袋を有する豊島区
豊島区は、人口密度が日本でもっとも高い自治体です。豊島区の面積は約13平方キロメートルと、23区のなかではあまり大きい方ではありません。しかし、比較的小さなこの面積に、約30万人以上の人が暮らしているという点が豊島区の大きな特徴です。
それを表すように、中央区・千代田区・港区・新宿区に豊島区を加え、「都心5区」と表現されることがあるほど、豊島区は人の集まる要素の多い場所なのです。このほかにも、豊島区が人の集まる場所であることを表しているデータがあります。
池袋駅は日本国内の乗降客数の多さで3位であり、同時に世界でも3位にランクインする利用者の多い世界有数の駅です。都心部と郊外を繋ぐ役割を果たしながら、池袋を中心とした商業圏のアクセスを高めている役割も担っています。
池袋は副都心のひとつとして、多くの人がショッピングやビジネスなどさまざまな目的で訪れる場所で、大規模商業施設が集中し大型ショッピングセンターも並びます。小売業の売り場面積では新宿区に次いで全国2位と、その商業圏の大きさを物語っています。
池袋の他にも、高年齢層を中心に人気のスポット巣鴨や、ソメイヨシノ発祥の地として知られ六義園を擁する駒込など、全国的に知られる街もあります。合わせて、日本一の人口密度につながっているのです。
豊島区4エリアの特徴と魅力
豊島区は4つのエリアからなります。そのひとつが、日本を代表する商業圏として知られる池袋エリアです。多数の商業施設が並ぶほかに、大型の劇場や舞台が集中していることも特徴です。
大塚・巣鴨・駒込と3つの街が並ぶエリアは、それぞれに全国的に知られる見どころがあります。大塚では毎年8月に「東京大塚阿波踊り」が開催され、1000人以上の踊り手が披露する阿波踊りは壮観の一言です。巣鴨は「おばあちゃんの原宿」の代名詞でも知られ、テレビでもよく紹介される街です。巣鴨地蔵通り商店街と、高岩寺のとげぬき地蔵には多くの人が訪れます。駒込は「園芸の地」として江戸時代からツツジの栽培が有名です。また、桜の名所として知られる染井霊園もあります。
長崎・千早エリアは、芸術の発信地として知られます。昭和初期から戦前にかけて、学生向けのアトリエ付き住宅が建てられ、アトリエ村と呼ばれるようになりました。こういったアトリエ村は長崎を中心にいくつも作られています。また、日本のマンガの歴史を作ったとも言われるトキワ荘があるのもこのエリアです。手塚治虫や石ノ森章太郎、赤塚不二夫や藤子不二雄など日本のマンガ界に大きな影響を与えた巨匠たちは、この街で若い頃を過ごしたのです。
雑司が谷・目白エリアは緑が多いことを特徴としています。雑司ヶ谷霊園や目白庭園、目白駅から学習院大学へと続く通りや、学習院大学構内などは、緑豊かで桜の見どころとしても知られます。雑司ヶ谷にある鬼子母神の参道にはケヤキ並木が続き、境内には大イチョウと、四季折々に見た目を変える木々が街を彩っています。
このように、大都市・下町・自然・文化発祥の地と、豊島区はさまざまな表情を持ち、それぞれのエリアが独立した魅力を放っています。豊島区で店舗を構えるなら、大型商業圏である池袋を選ぶか、それぞれ特色ある他のエリアにするかが大きな分岐点と言えます。池袋エリアであれば、どのような形のショップでもチャレンジでき、他のエリアであればそれぞれの表情に合わせたビジネスモデルがおすすめです。
それぞれのエリアが魅力を放つ豊島区
豊島区の特徴と、区内の4つのエリアそれぞれの特色と魅力をご紹介しました。
豊島区は池袋を中心に発展してきたと言えますが、それ以外のエリアにもそれぞれ魅力と特色があります。池袋周辺はさらに再開発が進み、大規模商業圏と発展していく一方で、他のエリアはさらに独自の魅力が輝く街になっていくのではないでしょうか。