JR中央線は、東京駅から高尾駅まで副都心の新宿駅を経由し、山手線をまたぎながら多摩地区へとつながる東京の中心的な路線です。郊外のベッドタウンと都心を結び、通勤・通学客に多く利用されています。
路線の特徴としては高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺など、住みたい街ランキング上位の駅が多く存在していること。また、首都東京の心臓部ともいえる千代田区、都庁を擁する新宿区といった、日本のまさに中心部の駅があることなどがあげられます。
ビジネス街から住宅・商業地、郊外型ベッドタウン、観光スポットまでと多彩なエリアが存在するのも、出店をにらんだ際の路線としての強みといえるでしょう。
中央線快速の1週間利用者は933万人で、その内訳は男性59.7%、女性40.3%。利用者の75.3%が東京都居住者です。
ビジネスと商業の中心・東京駅~新宿駅周辺エリアのスポット情報と特徴
東京駅から新宿駅周辺エリアは、東京都心・副都心としてビジネス街や商業地域が集結しています。大規模なビルや大型商業施設が立ち並び、日中は激しい人の流れが途絶えることがありません。
▶︎ 東京駅周辺の主なランドマーク・商業施設:
八重洲地下街・グランスタ東京・大丸・新丸ビル・丸の内オアゾなど
▶︎ 新宿駅周辺のランドマーク・商業施設:
東京都庁・新宿アルタ・伊勢丹・丸井・ルミネ・京王百貨店・小田急百貨店・高島屋など
一方で、御茶ノ水や四ツ谷など、大学や古書店街といったビジネス・商業以外の一面が見える駅も存在しています。学生や古書愛好家をターゲットとする、落ち着いた雰囲気の店舗を構えたい場合に適しています。
全体的に見るとビジネス人口が多いことから、特に昼間の滞在率が高く、属性にも影響しています。日中人口と夜間人口の差が大きいエリアであり、ビジネス街か商業施設近辺かによってターゲット設定が変わることに留意する必要があります。
人気の街が多数 中野駅~吉祥寺駅周辺エリアのスポット情報と特徴
中野、高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪、吉祥寺は、住みたい街ランキングの常連です。駅周辺には若者を中心とした居住者が多く見られる一方で、少し歩けば古くからの居住者が多い閑静な住宅街が広がります。
吉祥寺駅の場合、2km圏内では30~39歳の割合が高いという特徴があります。中野はサブカルチャーのメッカとして良く知られていますが、若者文化と落ち着いた既存文化が共存しています。
カフェ・古着屋などが多く見られるおしゃれな街、高円寺、古書店・骨董店の多く、文化の薫り漂う西荻窪など、各駅の個性が際立ちます。ランドマークとしては中野サンプラザ・吉祥寺レンガ館モール・アトレヴィ三鷹などがあり、近代的な大型商業施設と、昔ながらの商店街が共存している地域が多いのも特徴です。
若い人、シニア層など多彩な属性が居住しているため、どの層をターゲットとするのかによって立地選びが変わります。駅周辺であれば、比較的若い層や買い物客がターゲットとなりそうです。駅から離れた住宅エリアでも、狙う層によっては集客が十分に期待できるのがエリアの強みです。
多摩地域のスポット情報と特徴
多摩地域は緑が多く、公園や公共施設・教育施設・生涯学習施設が点在する良好な環境で子育て世代にも人気の高いエリアです。三鷹の森ジブリ美術館・高尾山・多摩動物公園など、休日には多くの人でにぎわい、広く集客が期待できる観光スポットも多数あります。
立川駅は周辺エリアの中でも特に乗降客が多く、ルミネ、三越伊勢丹など大型商業施設が並びます。立川駅から2km圏内の属性は20~39歳の割合が高いため、若い層をターゲットとする店舗が有望です。
一方で東京のベッドタウンとしてファミリー層に人気があり、子どものいる家族向きの店舗にも向くエリアです。自然に恵まれており、買い物、教育、生活全般も便利という魅力ある土地柄に加え、コロナ禍で郊外への人気傾向が高くなってきていることから、さらなる発展の可能性が期待できます。
郊外の特質を生かした店舗であれば家族で利用できる店、また車の保有率の高さから駐車場があるといった点が注目されます。観光スポット周辺では、遊んだ後で気軽に立ち寄れるといったコンセプトの店が、ねらい目として考えられるでしょう。
まとめ:中央線沿線ではあらゆる可能性を見いだせる
ビジネスから商業スポット、サブカルチャーと伝統、若者でにぎわう街から閑静な住宅街、さらに緑に恵まれた田園風景まで、中央沿線にはあらゆる要素がそろっています。居住者や電車を利用する人の属性も多彩で、店舗のターゲットには事欠きません。各駅で特徴が大きく異なるため、出店計画に合わせた立地の検討が大切です。