未来への願いが込められた緑区の区名
緑区は横浜市の北西部に位置し、鶴見川沿いに東西に細長い形状をしています。1969年(昭和44年)港北区から分区して誕生。区名は公募により、緑を美しく保存したいという願いを込めて決定されました。
面積は25.42平方kmで、緑被率は令和元年現在で40.6%。これは横浜市内行政区内の1位となっており、他区では20%台が多いところ2倍もの数値を誇っています。
地域と行政の協働で自然や景観の保全が図られており、区名に恥じない状態を維持していることがわかります。農家数でも横浜市内の1位となっており、稲、果樹、各種野菜を中心に豊富な農産物を栽培しています。
人口は2020年時点で約18.3万人、世帯数は約7.8万世帯。平均年齢は45.6歳です。人口動向では、外国人人口の増加が目立っており、多文化共生の推進が図られている様子がうかがわれます。
10年以上居住率が半数以上で、短期居住の割合が低い点という特徴が見られます。核家族率は約64.8%、単独世帯率は約30%と、こちらについては平均的といえるでしょう。
あふれる緑と利便性。子育て世代に大人気のエリア
緑区内ではJR横浜線、横浜市営地下鉄グリーンライン、東急田園都市線の3路線が利用可能で、中山駅、鴨居駅、十日市場駅、長津田駅があります。
鴨居駅から新横浜駅までは約6分、次の駅が菊名駅のため、東海道新幹線や東急東横線への乗り換えが容易です。中山駅は、横浜市営地下鉄グリーンラインの始発駅。東京都心や、港北ニュータウンエリアへのアクセスも良好です。
横浜市営バスや相鉄バス、東急バスといったバス路線も充実しており、緑区内全域をカバーしているため、駅から離れた場所でも出店候補地を探すことは可能です。さらに緑区には、東名高速道路の横浜町田インターチェンジがあります。また国道の中でも主要道である、国道246号や国道16号が走っており、車で移動する人をターゲットとした出店計画を作る方法もあります。
緑区の交通利便性については、公共交通機関でも、車でも理想的な環境にあるといえるでしょう。
緑に覆われ、緑を愛する土地柄であることは、四季の森公園、三保市民の森、新治市民の森、玄海田公園などの広大な公園と緑によって示されています。また、鶴見川、恩田川などの豊かな流れにも恵まれており、緑と水に囲まれたエリアでもあります。その土地の恵みを生かし、地場農産業が盛んに行われています。田の面積は横浜市内で第2位(2015年時点)。直売所は区内で50カ所以上もあります。
こうした産物を販売する商店街の活動も盛んで、中山駅にある「中山商店街」は横浜市緑区最大の商店街です。飲食店も多く点在しており、横浜動物園ズーラシアのアクセスポイントにもなっており、地元外から多くの人でにぎわっています。夏の盆踊りなどイベントも盛んです。また、鴨居駅近くの「鴨居商栄会」には、飲食店や日用品店など約60件もの店舗が軒を連ねています。中には、店を構えて50年以上の和菓子屋、継ぎ足し30年もののタレが名物の焼き鳥屋といった長く地元に愛され続けている店が多数あります。こうした商店街が各エリアに存在していることも、緑区の大きな特徴です。
JR横浜線の鴨居駅から「ららぽーと横浜」までは徒歩約7分の位置にあり、生活利便性も満たせる環境です。大型ショッピングセンターとして、地元や近隣の多くの人でにぎわいます。
緑区全体には大規模住宅団地、大規模マンションが各地に集積。ファミリー層が多く住むベッドタウンであり、長く住民に親しまれる土地を作り上げています。中心となっている年齢層からは、自然に恵まれ、落ち着いた住環境を好む居住者層の姿が見えてきます。同時に、自然が豊かな環境を望む子育て世代からも支持されるエリアです。
地元商店に元気があり、どの街角でも出店のチャンスがありそうです。地域との温かい交流は、商売の地として選ぶ際の大きなポイントとなるかもしれません。また、地場の新鮮な食材が豊富な点から、オーガニック系のコンセプトでの出店検討に可能性が感じられます。
また、緑区は路線バスも発達しています。すみずみまでバス網がはられているということは、そこに人が集まる場所や住環境があるともいえます。バス利用を視野に入れ、駅前にこだわらず比較的自由に、気に入った場所を探すことができそうです。
多文化交流も一つの要素となりそうです。外国の珍しいメニューをそろえる、さまざまなことばが飛び交う開放的な雰囲気の店づくりを行うなど、多彩な展開が考えられます。
出店に際しても、多様な要素が魅力的な緑区らしく、多方面でのターゲット想定ができるでしょう。「緑の豊かさ」「自然の大地の恵みの活用」「美しい河川の流れ」といった、地域の特性を活かし自然と共生するイメージやコンセプトの店づくりが良いでしょう。
緑区ならでは、自然の利を活かした店づくりを
横浜市緑区は、おしゃれで都会的な横浜都心とはまた違った魅力のあるエリアです。横浜の中でもナンバーワンの緑があふれる自然環境の中で、活発な異文化交流や商店街の活動の様子が見えてきます。豊かな自然を身近にしながら、利便性にも恵まれた緑区。子育て世代にも人気が高く、居住者の生き生きと暮らす姿がそこにはあります。また、緑区の主要駅である長津田駅・中山駅周辺では再開発が進められています。今後ますますの発展も見込んだ上で、緑区特有の地の利を生かした出店計画をしてみてはどうでしょうか。