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日野市

日野市の新たな姿―自動車の街から生まれ変わる

日野市は、日野自動車とその関連企業による企業城下町として発展してきました。しかし、日野自動車本拠地の移転により大きな局面を迎えようとしています。日野市がどのように歩んできたか、これからどう歩んでいくのかを考えながら、日野市の新たな観光産業をご紹介します。

自動車の街として歩んだ日野市

日野市は東京都多摩地域にある都市で、東京都のほぼ中央に位置し「東京のへそ」ともいわれています。面積は27.55平方キロメートル、都心から約30分の距離にあり、府中市・国立市・立川市・昭島市・八王子市・多摩市と隣接しています。多摩ニュータウンのある多摩市と、東京都の市部で最大の人口を持つ八王子市に挟まれていることから、人的資源に恵まれた場所にあると言え、日野市にも約19万人の人口があります。

トラックやバスのメーカーとして有名な日野自動車は、この日野市を本拠地とする企業です。その前身である日野重工業から日野市に本拠地を構え、日野市は日野自動車の企業城下町として発展してきました。市内には多くの関連業者があり、日野市と近隣市町村の住民の多くもそこで働いています。

また、日野市にはコニカミノルタエンジニアリング、富士フェステック、帝人、トッパン・フォームズなど有名企業や研究所などもあり、国内有数の工業都市でもあります。富士電機のある「富士町」は富士電機の社名から、コニカミノルタのある「さくら町」はコニカのブランド名から地名が付けられた珍しい地域です。コニカミノルタでは、企業敷地内で毎年「さくらまつり」を主催し、市内外から多くの人が訪れる人気のイベントとなっています。

日野市が進む新しい道

日野市には多くの企業があるものの、中心となっているのは日野自動車とその関連企業です。しかし、2020年に日野自動車の本社工場である日野工場が閉鎖されることとなりました。本社機能はそのまま日野市に残るものの、工場は茨城県に移転され、約30万平方メートルの跡地利用法も議論の対象となりました。

この跡地の利用法として浮上したのが、スタジアム構想です。日野自動車にはラグビーチームがあり、トップリーグへの昇格を機に「日野レッドドルフィンズ」とチーム名を改めました。工場が移転しても日野市をホームとして活動することを表明し、地域コミュニティの活性化につながる活動をしていく方針を発表しています。このチームのホームグラウンドも兼ねて、工場跡地にはラグビースタジアムを建設したい意向を示しています。

このように、スポーツの街としての一歩を踏み出すことに希望を持つ日野市ですが、別の面で新たな観光産業が話題となっています。それが、「新選組のふるさと」という一面で、市の特色として人気が高まっています。市内には新選組にまつわる19カ所のスポットがあり、幕末人気の高まりと同時に多くの人が訪れるようになりました。市内の「新選組のふるさと歴史館」では新選組にまつわるさまざまな特別展が開催されています。また、土方歳三の生家は「土方歳三資料館」として保存され、実際の土方歳三の子孫が管理経営しています。このほか多くの新選組に関係するスポットがあり、日野市は新選組ファンの巡礼地として全国から観光客が訪れるようになっています。

自動車産業の街から新たな姿へ

日野市が自動車産業の街として発展した歴史と、これから歩むと予想されるスポーツ・歴史の街としての姿をご紹介しました。

日野市は、日野自動車本拠地が移転することにより大きな局面を迎えます。当面は自動車関連企業も多く残ると思われますが、工場跡地の利用計画や新たな観光産業によって大きく方向が変わり、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性を大いに持っているとも言えます。日野市で店舗をオープンする場合、これから生まれ変わる工場跡地周辺や、新選組も含めた新たな観光産業のスポット周辺に狙いを定めてみてはいかがでしょうか。

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