繁盛店への道

『お店のアイデンティティを表現したメニューブックを作成する』開業前にチェック!飲食店の販促vol.2

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飲食店で欠かせないツールの一つがメニューブック(メニュー表)です。最近は選択肢が増えているので、お店のスタイルやコンセプト、こだわり、立地など個性にあったものを選ぶことが大切です。代表的なものをいくつかピックアップしてそれぞれの特徴を確認しながら、制作時に注意したいポイントを押さえていきます。
 

メニューブックの役割

まずは、メニューブックの役割を改めて考えます。
 
メニューブックは単にその日に提供できる料理とドリンクを羅列したものではないと考えられます。料理や価格帯はもちろん、お店のコンセプトやこだわりを伝えることもできることを確認しておきましょう。
 
・メニューブックはレストランからお客さまとのコミュニケーションツール
・メニューブックの表現方法で売り上げを左右する
 
一方で、おまかせコース1本で内容変更も多いため、あえてメニューを用意しないことでも有名な三つ星レストランがあります。その場合は、サービススタッフが、そのコンセプトをきちんと理解して接客することで、お店の世界観を大切にすることができます。お店のスタイルにふさわしいメニューブックとはどんなものかを考えることから始めましょう。
 

メニューブックのスタイルによる違い

▷ブックタイプ
レザーや木製のカバーがついたものや質感のある紙製のものもある定番のブックタイプ。存在感のあるレザーや紙製のものは高級店に多く、木製のナチュラルテイストのものはカフェなどカジュアルなお店でよく見られます。
★ポイント
・情報量が多い場合におすすめ(産地や生産者、こだわりなどの読み物コンテンツがある場合)
・中ページの入れ替えができるものは、季節のおすすめなど推したいメニューの入れ替えや追加がしやすい
・中ページの入れ替えができない場合は、変更の多い旬のメニューは差し込みメニューを作成するなど工夫が必要
 
▷ペライチの手書きタイプ
筆書きなど味のある書体で書かれたペライチの手書きタイプ。
居酒屋や割烹、小料理店などで多く見られ、その日の仕入れに合わせた料理を提供するお店であることが想像できます。黒板に毎日手書きするスタイルも同様です。
★ポイント
・その日の仕入れに合わせて柔軟なメニューづくりができる
・その日に推したいメニューを強調するなど柔軟なアレンジができる
・毎日メニューを作成する手間やコストがかかる
 
▷壁に貼り付けるタイプ
昔ながらの中華料理店や食堂など、庶民的なお店に多いスタイル。
★ポイント
・メニューも含めたお店全体の雰囲気づくりができる
・メニューの入れ替えが容易
・配置によりオーダーのコントロールがしやすい(おすすめメニューは目立つ場所に配置)
・劣化や汚れが目につくようになると、お店の雰囲気にマイナスの影響が出る
 
▷QRコードから専用サイトで
スマホでQRのコードを読み取り、専用サイトに遷移するスタイル。特にコロナ禍以降に増え、非接触という安全性を打ち出すことができます。また、ペーパーレスという点ではSDGsの観点から採用されるケースも。メニューを見るだけのものと、注文まで完結できるシステムがある。
★ポイント
・サイト上で作業をするだけですべてのメニューに反映されるのでメニュー変更の対応が容易
・スマホの扱いに慣れていない人にはストレスが大きい。サブでメニューブックを用意しておくことが必須
・システムの構築にコストがかかる
 

制作時の注意したいポイント3

▷お店のコンセプトに合わせたデザインにする
・ターゲット層や客単価に合わせたデザインにする
・フォントや文字の大きさ、色使いでも高級感やカジュアル感が表現できる
・情報過多にならないようにコントロールを!
 
▷おいしそう、食べたいと思える料理写真を使う
・シズル感と言われるような、料理の鮮度感や温度感、質感を伝えることができる写真を使用する
・見た目を重視して、料理の彩りや盛り付けに配慮する
・統一感のある写真を使用する
 
▷長期間運用することを前提に準備する
・専用サイト以外のメニューブックは大切に扱っても劣化するので、メンテナンスや交換などの準備をしておく
 

まとめ

お店を訪れたすべてのお客さまとの接点となるメニューブックで表現できること、伝えられることはたくさんあります。顧客の立場で考えると、料理名や金額以上に、ホスピタリティや清潔さ、衛生面などお店の姿勢が透けて見えるものと言えるのではないでしょうか。
 
「メニューブックはレストランからお客さまのコミュニケーションツール」、「メニューブックの表現方法で売り上げを左右する」ことを踏まえ、熟考のうえメニューブックを作成したいものです。
 
RESTA内では、こちらの記事も参考になりますので、あわせてご覧ください。
 

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