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飲食店経営には資格が必要?取得の方法と手続きについて解説

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飲食店経営をしたいと考えたとき、まず気になるのが必要な資格です。飲食経営に最低限求められる資格はいくつあるのでしょうか。また、開業のための手続きについても、事前に理解しておく必要があります。
ここでは飲食店経営にあたり取得しなければならない資格と、開業手続きをわかりやすく整理して解説していきます。
 

飲食店経営に必須な資格は2つ
「食品衛生責任者」と「防火管理者」は最低限の資格

飲食店経営というと、さまざまな資格が必要というイメージがあります。そのため時間がかかったり、ハードルが高かったりするのではないかという不安を持つ人もいるでしょう。
しかし、意外にも飲食店経営に必須の資格は、2つです。しかもいずれも講習で取得できます。その2つとは「食品衛生責任者」と「防火管理者」。これらは安全な食品および、その提供場所であることの証明として必要とされます。
 

食品衛生管理者の詳細と資格取得方法

「食品衛生管理者」は経営者が自ら資格を取得するか、もしくは、責任者を定めて資格を取得します。店舗ごとに1名が必要となり原則として、兼任ができないため、複数店舗を展開する場合には資格保有者を店舗数に合わせて配置します。
資格保有者が店舗間で異動する際には、空白店舗ができないように注意が必要です。
また、開業時には保健所に食品衛生責任者の届出も同時に提出するため、開業まで時間の余裕をもって資格取得をしておかなければなりません。「食品衛生管理者」資格は講習を受講すれば取得できます。各都道府県などの食品衛生協会において講習会を実施しており、講習期間は1日のみで受講時間は6時間程度です。
取得費用は10,000円前後と考えておけば良いでしょう。取得の流れについては「食品衛生責任者の資格を取るには?費用や試験、申し込み方法について解説します」のページで詳しく説明しています。
 

防火管理者の詳細と資格取得方法

「防火管理者」の資格では、店舗収容人数と規模がポイントです。先にあったように、収容人数が30人未満の場合には不要ですが、この収容人数にはスタッフも含まれることに注意が必要です。
「防火管理者」資格は、店舗規模によって以下の2つの種類があります。
▷甲種防火対象物(300㎡以上)受講期間2日
受講費用:2020年(令和2年)4月1日からの講習8,000円
▷乙種防火対象物(300㎡未満)受講期間1日
受講費用:2020年(令和2年)4月1日からの講習7,000円
「防火管理者」の資格取得のための講習は、都道府県知事・消防本部または消防署を置く市町村の消防長、もしくは、総務大臣登録講習機関が実施しています。内容については全国共通とされています。
受講には事前申し込みが必須となり、インターネットかFAXで受け付けています。各自治体によって申込期間が異なるため、注意が必要です。また、支払いはクレジットカード、もしくは、コンビニ納入ですが、コンビニで支払う場合には支払い用のはがき送付です。受講までに支払いが完了できるようにしておきましょう。
いずれのコースでも、講習終了後に修了証が配布されます。
 

飲食店経営に最低限必要な申請手続き

飲食店経営に際しては、各所への届出や手続きが必要です。最低限必要な申請手続きとしては、以下のようなものが挙げられます。
▷保健所:食品営業許可申請
飲食店を開店するためには、管轄の保健所からの許可が必要です。申請書類を不備がなくそろえておくために、申請前に窓口で相談を行い、確実に許可がおりるように事前に計画図面をもって相談に行くと良いでしょう。申請手数料は業種によって異なりますが、1~2万円程度必要です。
▷消防署:防火管理者選任届・防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届
防火管理者選任届は店舗規模によっては不要ですが、防火対象設備使用開始届・火を使用する設備等の設置届はすべての店舗で必要となります。ただ、防火対象設備使用開始届については、内装工事業者が届けを出す場合があります。念のため管轄の消防署に問い合わせておくと安心です。
▷警察署: 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書・風俗営業許可申請
アルコールの提供が午前0時以降も行われる場合には、深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書の提出が必要です。また、接待行為をともなう場合には、風俗営業許可申請をしなければなりません。
▷税務署:個人事業の開廃業等届出書
法人ではなく個人事業主として開業する場合は、その旨を管轄の税務署に届け出ます。開業後1カ月の猶予がありますが、忘れないように早めに手続きを行ないましょう。
▷労働基準監督署:労災保険の加入手続き
たとえアルバイト1人であっても、人を雇用する場合には労災保険に加入しなければなりません。労災保険では勤務中のケガだけではなく、通勤途中も対象です。事業者の義務として、雇用日から10日以内に必ず手続きを実施してください。
▷公共職業安定所:雇用保険の加入手続き
パートやアルバイトでも31日以上継続して雇用する見込みがあり、週20時間を超える労働時間となる場合には雇用保険の加入が必要です。雇用日から10日以内に手続きを行います。
▷社会保険事務所:社会保険の加入手続き
健康保険や厚生年金などの社会保険については、法人は加入義務があり、個人事業主は任意加入とされています。ただし、個人事業主でも常時5人以上の雇用がある場合には、社会保険の適用事業所となります。
 

資格と手続きによくある疑問

 

調理師免許は必要ない?

飲食店を経営する場合、経営者、あるいは従業員に調理師免許が必須というわけではありませんが、資格保有者がいることはお店にとって大きなプラスであることは間違いありません。長年の実績があれば話は別ですが、新規開店の場合には調理師免許の保有がお客様への安心感へつながるでしょう。
 

食品衛生責任者資格が開業に間に合わないときは?

基本的には開業時に食品衛生責任者を届出しますが、講習を受講する都合で取得が間に合わないということもあり得ます。その場合には、開業の申請後一定期間以内に食品衛生責任者を設置する旨を記載した誓約書を提出すれば、猶予がもらえます。
 

テナントに入居しているとき防火管理者は不要?

ビル内のテナント店舗の場合には、防火管理者は必要なのでしょうか。複数店舗が入居するビルでは、規模によって扱いが異なります。同一建物で収容人数が50人を超える場合はテナントごとに防火管理者が必要です。入居の契約の際に管理会社に確認し、管理者が必要な場合には対応するようにします。
 

テイクアウトを始めるには特別な許可が必要?

すでに営業許可を受けている飲食店がテイクアウトを始める際、原則特別な届け出や許可は必要ありません。
ただし、例えばお刺身の盛り合わせを提供する場合は、魚介類加工業。自家製ソーセージを提供する場合は、食費区製品製造業が必要になるなど必要な場合があります。
所轄の保健所に相談して必要な許可を得て営業しましょう。
 

開業に向けて最低基準のクリアとその他に必要となる資格のチェックを

飲食店経営を考える場合には、まず「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格取得は必須と考えておきます。そのうえで、規模によっては「防火管理者」が不要の場合があると覚えておくと良いでしょう。「防火管理者」の収容人数の基準は従業員も含めて考え、雇用するスタッフも忘れずにカウントします。
また、テナントの場合は基準が変わるため、注意が必要です。いずれの講習でも講習人数には限りがあるので、開業が決まったら早めに取得しておくほうが安心です。テイクアウトやデリバリーも含めた営業形態によってはその他の営業許可を取る必要も出てきます。種類が多く自治体によって扱いが異なるため、確認を万全にして開業準備を進めていきましょう。
 
 
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

 

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