国立市の持つ特徴
国立市は東京都多摩地域の中央西部にあり、東京都全体のほぼ中央に位置します。面積は8.15平方キロメートルと東京の市では2番目に小さく、人口は約7万6千人です。
このように人口自体は多くないものの、国立市には人に関する高い数字を持つ部分もあります。それは、昼と夜での人口の差を表す昼間人口比率です。国立市の昼夜人口比率は98%と非常に高く、昼夜間の人口差が極めて少ないことを表しています。
しかし、市内に住み市内で働く人が多いというわけではありません。国立市の就労者人口は約3.5万人であるのに対し、市内で働く人は約8千人です。このように就労者数だけで見ると昼間人口が減少するはずですが、国立市には昼間に減った人の数と同じだけ人が増える要素があります。それは学生の人数です。
国立市は東京で初めて文教地区としての指定を受けた街で、今も文教都市として歩み続けています。大正期からドイツの学園都市ゲッティンゲンをイメージした街づくりが行われ、国立音楽大学や一橋大学が設立されました。戦後には市民や学生を中心に文教地区の指定を求める運動が巻き起こり、さまざまな論争が繰り広げられたあとに、文教地区指定が決議されました。この運動は、市の方向性を住民が決定付けた先駆的事例としての意義も大きいとされています。こうして文教都市に指定された都市としての歴史は、谷保村から国立町と名前を変え国立市としての市政が始まった歴史よりも長くなります。こういった、市民が自分たちで決めた街の進む方向性が、緑豊かで閑静な街並みと学問に取り組める環境がある街へ発展させてきたと言えます。
このように文教都市となった国立市には多くの学校があり、市外に働きに出る人が多いにもかかわらず、通学する学生が多いことで昼夜人口比率が高くなっているのです。
また、フリーランスと個人事業主の割合が高いことも、市民の働き方についての大きな特徴のひとつです。隣接する4市に比べフリーランス・個人事業主が多く、地域に根差した小規模店舗や、独立開業する人が多く暮らしている街であることも分かります。
国立市の3つのエリア
国立市は東西と南北の大きさがあまり変わらない正方形に近い形をしています。そのなかで、人の集まり方や街の雰囲気によって3つのエリアに分けることができます。
国立市の北東にあるJR国立駅の周辺は、国立音楽大学付属の小中高や一橋大学のある「大学町エリア」です。駅から放射状に伸びる道にはたくさんの商店街があります。国立一番街商店会、富士見通り中央商店会、富士見通り中商店会、国立市西商店会、国立旭通り商店会、国立東坂下商店会、国立北区商店会など、魅力あふれる街並みが広がっています。これらの商店街には個性たっぷりの個人ショップや雰囲気のいいカフェ、スイーツやパンの店などが並び、ショッピングやグルメのスポットとしても人気です。
JR国立駅から一橋大学の敷地中央を抜けて南に向かい、南武線谷保駅へとつながる道沿いは「大学通りエリア」と呼ばれています。道幅44mの大きな通りで、街路樹により緑も豊かに生い茂るエリアです。春には桜、秋にはイチョウ、冬にはイルミネーションで彩られ、季節によって違う表情を見せてくれます。
谷保駅から南のエリアは「谷保エリア」です。駅の南側、甲州街道沿いには交通安全と学業の神が祭られた谷保天満宮があり、学園都市を優しく見守り続けています。甲州街道と並行するように流れる多摩川との間には、東京で数少なくなった田んぼの残る田園地帯があり、四季の移ろいを感じられる空間が広がっています。
このように3つのエリアに分けられる国立市は、どのエリアにもそれぞれの特色ごとの魅力があふれていて、全体的に個人ショップやこぢんまりとした飲食店が多いことも特徴的です。
まとめ
国立市の歴史と特徴、3つのエリアの特色についてご紹介しました。学生が多く、昼夜間で極端に人が減ることがない国立市は新たにショップをオープンさせるのにとても適した街です。また、3つのエリアにはそれぞれ特色があり、そのエリアに適した内容のショップが受け入れられやすいでしょう。
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