飲食店の接客マニュアルを作るとき、押さえておきたい事柄は?
店員に接客の仕方を教えるためには、マニュアルを作ることが効果的です。自店のマニュアルを作ることで、接客に必要な事柄を見える化し、接客マナーの改善・向上ができる環境を整備できます。
接客マニュアルが大事な理由
飲食店の接客の質は店員を教育することで向上していきます。しかし、数回教えた程度では接客マナーの習得は難しく、お客様対応に差が出ることも。それを防ぐためマニュアルを作り、どの店員でも自分の接客マナーを改善できるようにするのです。
◇店舗の接客の質を維持するため
マニュアルを作ることで、店員はそれに沿って業務を行うようになります。そうすると接客の質が一定以上に保たれるというメリットが生まれます。
◇店員ごとに接客マナーの違いをなくすため
仮にマニュアルがないと接客マナーに差が生まれてしまい、サービスの質が低下する可能性があります。しかし、マニュアルがあればスタッフ間の接客マナーの差をなくし、お客様へ一定以上のサービスを提供できるようになります。
◇新人育成期間を短縮するため
マニュアルがない状態で新人の研修を行うと、非常に時間がかかります。
また、研修をすべて終えても新人が即戦力になるわけではなく、業務を円滑に行えるようになるまで時間も要ります。しかし、マニュアルがあれば新人は自分の業務に足りないものを常に確認でき、結果的に研修期間の短縮にもなるのです。
◇接客マニュアルに載せたい事柄(例:フルサービス業態)
マニュアルは店舗の業務を教えるものですので、基本的な接客の流れや要点を記載する必要があります。しかし、ただ載せればよいというものではなく、理解しやすくまとめることが大事です。また、店員がお店の特色を理解できるように「店舗コンセプト」もあわせて記載しておくとよいでしょう。
◇接客における心構え
接客に大事な事柄として、どんなときでも「お客様の立場に立って動くこと」を明記しましょう。
◇接客時の敬語
言葉遣いは接客において、お客様に対する真心を伝えるものです。正しい敬語の使い方を載せておきましょう。
◇お出迎えと案内時の対応
お客様に対して歓迎の気持ちを抱き、笑顔で明るく聞き取りやすい声で接客することを伝えます。お客様に笑顔で「いらっしゃいませ」と伝えたあとは、状況に応じて的確な席へ案内するようにと明記しましょう。
◇メニューを提示するとき
メニューを提示するときは開いた状態で提供します。状況を判断し、適切なおすすめが出来ると良いでしょう。
◇オーダーを受けるとき
オーダー時は品目と品数を復唱しながらミスの無いよう注意を払います。最後に一礼して立ち去るということを記します。
◇料理を出すとき
厨房から出てきた料理を冷めないうちにテーブルへ運ぶと記載しましょう。また、お客様の手と皿が接触しないように注意を払います。
◇会計時
会計のミスは、お客様の信用を失います。注文された商品が提供されているのかチェックを行うこと、つり銭間違いが起こらないよう注意を払います。
接客マニュアルを使うことの問題点
接客マニュアルを使えば、良質な接客ができると考えがちです。しかし、マニュアルだけだと次のような弊害が出てきます。
◇機械のような接客になりがち
マニュアルがないと接客に個人差が出てくるという問題はあります。しかし、皆が同じような接客をしていればよいというものでもありません。例えば、ドアを開けて入ってきたお客様が明らかにカップルだというのに、「何名様ですか?」と聞いてしまったらどうでしょう。これでは「機械のような接客」でしかありません。また、「マナーの形をやっているだけ」というのも、心のこもっていない接客になりがちのため無意味です。
◇トラブルに対処できない店員が出る
次に挙げられる問題は「臨機応変に対応できない店員」が出てくること。例えば、お客様同士でトラブルがあった場合、「マニュアルに書いていないから」という理由でスタッフがオロオロし、対処できないということもあります。
マニュアルを超えたサービスを追求する
先述の問題を解決するには、スタッフ個々人が「なぜ接客サービスが必要なのか」を考え、「もっとお客様に喜んでもらうにはどうしたらよいか」と思案することが大事です。そのためには経営者側がスタッフ個々人に合った教育を行い、店員に質問をして考えさせ、答えを導き出させるような指導を行う必要があります。
まとめ
接客マニュアルを作ることは大事ですが、機械のようなサービスになってはいけません。まずは店長がお客様への対応で必要なのは思いやりだと認識し、それを実践したうえで店員に心のこもった対応が重要だと伝えましょう。
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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