開業ノウハウ

西荻窪で飲食店を開業「飲食店・雑貨屋・古本屋が揃い、多様な人々を受け入れる懐の深さを持つ街」西荻窪駅編

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調査日2023年6月5日
出店するならこの街だ!注目エリアをレスタ編集部が歩いて紹介 vol.9

 
今回の舞台は西荻窪駅です!西荻窪は、荻窪と吉祥寺の間に位置する駅です。昔ながらの飲み屋が集まる下町感もありつつ、個性的な雑貨屋や古本屋などのカルチャーを感じることができるエリアです。そんな西荻窪エリアを実際に歩いて、調査していきましょう!
 

 

西荻窪・基礎情報

 
乗り入れている路線▼
JR中央線
JR総武線
 
近辺の主な主要都市▼
吉祥寺駅(電車で約2分)、新宿駅(12分)
 
商業施設・チェーン店情報▼
・商業施設…西友西荻窪店、デイリーテーブル 西荻窪駅店
・飲食店チェーン店…モスバーガー、コメダ珈琲店、ペッパーランチ、大戸屋
 
イベント▼
柳小路 昼市(毎月第3日曜日11時〜16時ごろ)
 
 

スーパーが充実している駅まわり

 
西荻窪駅は改札が1つしかなく、出口も北口と南口の2つのみという、シンプルなつくりです。電車は、土日のみ急行が止まりません。改札を出ると、まず目の前に「Daily Table KINOKUNIYA」があります。野菜やお花が路面に展開されており、となりにはカフェも併設されています。
 

 
併設されているカフェは、「PLUS+ STAND COFFEE」です。平日は7時から営業しているので、通勤前などにも立ち寄ることができます。
 

 
駅構内を出て、北口から見ていきます。
 

 
北口駅前には、関東バスが通っているロータリーがあります。バス停は全5箇所になっており、西武新宿線の沿線駅などに伸びています。
 

 
北口を出てすぐ左側の高架下には、24時間営業の「SEIYU」があります。駅構内の「Daily Table KINOKUNIYA」もあることを考えれば、日常的な買い物は、駅周辺だけで完結できるほど充実しています。
 

北口・神明通り

 

北口の周りを散策していきます。まず駅の目の前には、人気つけ麺店の「舎鈴」があります。2023年6月8日にオープンしたばかりの新店です。駅の目の前ということもあり、かなりの集客が見込める立地です。
 

 
駅を出て北西に進んでいきます。このあたりはチェーン店がちらほらありつつ、落ち着いた雰囲気です。歩道と道路の境目がなく、車が通ると、少し道幅が狭く感じます。
 

 
この通りには、以前取材させていただいた「パティスリー レリアン」もあります。現在はスイーツだけではなく、広島県から取り寄せたレモンを使用したレモネードなどのドリンクも販売しています。
 

 
もつ焼きが人気の居酒屋「豪」です。こちらは2号店になり、1号店は中野に開業しています。名物は、焼き刺し盛り合わせ(税込900円)です。少し落ち着いた場所になるので、ゆっくりとお酒とモツを楽しむことができます。
 

 
西側に移動すると、“神明通り”に入ります。神明通りには新店も顔を出しています。お酒と料理が楽しめる「りんどう」というレストランです。すでに閉店してしまった三鷹のラーメン屋「鶏そば山もと」に在籍していた方が、2023年4月12日に開業しました。ランチメニューは、中華そばや前菜とメインのセットメニューがあります。
 

古書 音羽館

 
西荻窪は、飲食店以外にも、雑貨店や古本屋が充実しているエリアです。
 

にわとり文庫

 
写真のほかにも、世界中を旅して出会ったものを販売している雑貨屋「世界の手仕事と雑貨〜旅する雑貨屋Hin plus〜」や、紙製品専門店の「ペパむら」などがあります。調査日の月曜日は2店舗とも定休日でしたが、西荻窪には個性的な個人店が集まっています。
 

 
雑貨店のほかにも、個人経営の喫茶店も西荻窪は充実しています。西荻北方面にある喫茶店「どんぐり舎(どんぐりや)」です。1974年に創業した歴史ある喫茶店で、外観・店内ともに絵本に出てくるような趣のある風貌をしています。
 

 
一方南口には、「浅煎りコーヒーと自然派ワインTypica(ティピカ)」というカフェがあります。2020年9月に開業した店舗で、カフェというジャンルではあるものの、ワインやパフェなど幅広く楽しめる空間です。店内も洗練されたデザインになっており、パフェも目を引くような見た目のものが多く、全体的にSNSに映えそうな雰囲気です。
 

 
神明通りに戻って北に進んでいくと、いい香りがしてきます。「街角饅頭店吉祥天」です。台湾発祥の「饅頭(まんとう)」を販売しており、味は牛乳、黒糖、塩ネギ花巻、季節まんとうの4種類です。値段はどれも100円台とリーズナブル。ほかにもお弁当やドリンクも販売している、テイクアウト専門店です。
 

 
西荻窪には、ほかにも台湾系の飲食店がいくつかあります。台湾スイーツ店の「Yi&Liu(イ&リゥ) TAIWAN SWEETS」です。南口の高架下にあり、ドリンクや台湾芋園がメインですが、麻辣湯や刀削麺などのフードメニューも販売しています。
 

 
こちらのネオンが光るお店は「台北餃子 張記(たいぺいぎょうざちょうき)」です。ネオ居酒屋としても人気の台湾風居酒屋で、場所は少し離れた南口側です。台湾で人気の「張記鍋貼牛肉麺」というお店が本元となっており、ホワイティうめだNOMOKA、梅田茶屋など日本でチェーン展開をしています。西荻窪店は2020年11月にグランドオープンし、名物は張さんの鍋貼り棒餃子です。
 

 
神明通りを外れ、西に進むと、吉祥寺女子中学・高等学校があります。駅からはそこまで離れていないものの、このあたりまで来るとお店の姿はほとんどなくなり、閑静な住宅街です。神明通りに戻りさらに北に進んでいくと、東京女子大学があります。東京女子大学のまわりには、武蔵野市立第三中学校や、荻窪中学校などもあり、このあたりはいくつかの学校が集まっているエリアです。
 

武蔵野市立 本田東公園

 
西荻窪の駅まわりは飲み屋も多く、少し雑多な印象ですが、一歩離れると落ち着いた住宅街へと景色が変わります。ところどころ公園もあり、学生や子どもが安心して遊べる場所があります。
 

ミシュランビブグルマン獲得店舗だらけ⁉︎ 西荻窪・南口

 
駅前に戻り、南口方面を見ていきます。南口は北口よりも飲み屋が多く、特に夜になると活気があります。
 

 
南口を出ると、まず目の前に「西荻南口仲通り会」というアーケードがあります。延長100mにも満たない短いアーケードですが、TSUTAYAやドトールなどのチェーン店もあり、お店の種類が充実しています。
 

 
アーケード内の飲食店を見ていきます。写真左は、「横浜家系ラーメン 西荻家」です。LJF株式会社が運営しており、ラーメンのほかにも「石丸商店」という居酒屋も運営しています。
 

 
「石丸商店」です。日本酒を徳利550円(税込)と、リーズナブルに楽しむことができます。西荻窪のほかには、下井草にも出店しています。
 

 
「横浜家系ラーメン 西荻家」のほかにも、西荻窪には人気のラーメン店があるので、見ていきましょう。GSハイム西荻窪という建物の地下1階にあるのが、「西荻燈」です。メニューは手打ちラーメン1種類のみというこだわりを持ち、ミシュランガイド東京2020のビブグルマンを獲得したことのある実力店です。
 

 
「麺尊RAGE」です。軍鶏と醤油にこだわったラーメンを提供しており、年中無休で営業しています。西荻窪以外にも、中野や国分寺などにも出店しており、ミシュランビブグルマンを8年連続獲得している人気店です。
 

 
「麺尊RAGE」を通りすぎ、南に進むと見えてくるのが定食屋「湯気」です。西日暮里や不動前で間借り営業をしていたのですが、2022年4月に実店舗としてグランドオープンしました。おむすび定食や季節の食材を楽しむことができ、1人でランチを楽しめるような店舗です。
 
この西荻窪南2丁目周辺は少し駅から離れているものの、以前に比べて少しずつ飲食店の数が増えており、注目度が上がっているエリアです。以前取材させていただいた「別亭 BETTEI」も営業しています。
 

 
ビブグルマンを獲得しているのは、ラーメン屋だけではありません。カレーの名店「對馬流南インド系辛口料理店タリカロ」は、奈良県から西荻窪に場所を移動し、2021年1月にオープンしました。店名の通り料理の辛さは強めで、タリカロ・カリープレートが名物です。
 

 
「フレンチカレーSPOON」です。通りに面しており、店内も明るく入りやすい印象です。牛肉の赤ワイン煮を添えたカレーが名物になっており、冷凍のカレーをオンラインでも販売しています。
 

西荻窪の顔・柳小路

 
南口駅前に戻り、すぐ右手に広がるエリアは“柳小路”です。柳小路は西荻窪を代表する有名な飲み屋通りで、建物の高さがどこも低く、昭和の時代背景が街並みにそのまま残っています。
 

 
柳小路に入り、まず出迎えてくれるのが「にぎにぎ一(いち)」です。こちらは本館になり、柳小路を通りすぎ南に進むと、別館があります。にぎにぎは立ち食いの寿司店になっており、男性女性気兼ねなく、1人で寿司を楽しむことができます。一軒目でお寿司を食べて、周辺の飲み屋に繰り出すという楽しみ方もできそうです。
 

 
柳小路を進んでいきます。柳小路の中でも1番知名度があるのは、赤い看板が目印の居酒屋「やきとり 戎(えびす)」です。さまざまなメディアにも紹介されている、伝統的な居酒屋です。左の通路にあるのが本店になり、右の通路にあるのが別館です。
 

 
同じく柳小路にある、タイ料理屋の「ハンサム食堂」です。2001年に開業した本格タイ料理店です。店内は異国の雑貨などが並んでおり、昭和の風景がそのまま残っている柳小路の中に馴染みつつも、独自の存在感を放っています。
 
このような情緒ある飲み屋が集まっている柳小路ですが、毎週第3日曜日には昼市が開催されており、午後には自由に立ち飲みする人たちで賑わいます。
 

 
柳小路を背にして右に伸びているのが、“サカエ通り”です。サカエ通りには、居酒屋「酒蔵千鳥」があります。1955年に創業した老舗居酒屋で、おでんと日本酒が人気です。大人数の団体向けというよりは、しっぽりと一人飲みを楽しむのに向いている店舗です。
 

おわりに

 
生活に必要なものが揃いつつ、飲み屋も充実しているエリア・西荻窪。
 
土日に急行が止まらないながらも、すべてがちょうどいい距離感で発展している住みよい街に感じました。古き良き面影はありますが、無理に都市開発が進んでいることもなく、昔の店と今の店がいい距離感で共存しているようです。
 
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 
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