東京都心との交通アクセス良好なエリア
麻生区は神奈川県の北東部、川崎市の北西部に位置し、東京都稲城市・多摩市・町田市、横浜市青葉区および市内多摩区・宮前区に隣接しています。多摩丘陵の一部からなり、高台と低地、丘陵と谷戸といったように地形的変化の大きさが特徴的です。起伏と景観に富み、ほかの地域とは異なる魅力を持ったエリアといえるでしょう。
麻生区の面積は23.11平方kmで市内では、川崎区に次ぐ広さ。小田急小田原線・小田急多摩線・京王相模原線の3路線が走行しています。区内の駅は、百合ヶ丘駅、新百合ヶ丘駅、柿生駅、五月台駅、栗平駅、黒川駅、はる日野駅、若葉台駅があります。
人口は2020年において約18万人、平均年齢は44.1歳と川崎市の中では高齢化率がやや高めです。
麻生区は工業系利用の多い川崎市の中では、住宅地が大部分を占める珍しい土地柄です。川崎市中心部へ向かうよりも都心へのアクセスが良いため、東京のベッドタウンとしての位置づけとなっています。
文化・産業・スポーツと幅広い魅力をもつ
麻生区の交通の要所である新百合ヶ丘駅周辺は、風俗営業が禁止されており、風紀が良好に保たれています。「新百合丘オーパ」「イオンスタイル新百合ヶ丘」など商業施設が充実し、にぎわいはありますが、夜でも比較的治安が良く安心感があります。
交通面では町田駅まで8分、新宿駅まで29分・渋谷駅27分・表参道駅28分・日比谷駅39分と、利便性に富み、通勤・通学にはほど良い距離感です。
生活利便施設と交通の足に恵まれ、居住区として人気の高い麻生区ですが、文化的なエリアとしても知られています。区では、「しんゆり・芸術のまち」づくりを推進。川崎市アートセンター(芸術ホール)を中心として、「kirara@アートしんゆり」「川崎・しんゆり芸術祭(アルテリッカしんゆり)」「あさお芸術のまちコンサート」「KAWASAKIしんゆり映画祭」などが開催されています。市民に親しまれるアートホールを有しているため、通年愛好家の集まる場所となっています。
また、「王禅寺処理センター」で出た余熱を利用した、温水プールやフィットネスセンターなどの総合スポーツ施設の「ヨネッティー王禅寺」があり、市民の健康に貢献しています。その他、川崎フロンターレの練習場など、地域に密着したスポーツの街づくりも進められています。
地域の代表的な古刹である香林寺は、1525年開山の禅宗の寺院として有名です。壮麗な五重塔が良く知られており、「春の五重塔まつり」は毎年多くの人出でにぎわいます。
一方で、麻生区には産業をけん引する一面もあります。「マイコンシティ」には、エレクトロニクスや先端技術産業に関連した施設が集積。最先端の各種製品を生み出す、研究開発の拠点となっています。
麻生区の全体的な傾向としては、閑静な住宅街が多く見られる土地柄のため、繁華街出店よりも地域密着の落ち着いた店の方が向いているでしょう。商業施設が集まる新百合ヶ丘駅周辺は、乗降客数も多く、一日を通して一定の人流が期待できます。買い物に訪れる人や、通勤・通学の利用者を見込んで、軽食やカフェ的な店舗が重宝されそうです。
また、産業施設の集積するエリアのランチや、夜食需要にも注目したいところ。ビジネスで出入りする層もにらみ、気軽に立ち寄れる定食屋や麺類などの人気がありそうです。
アート関連のイベントが多数開催されるエリアでは、芸術の香りを感じさせるこだわりのカフェやバーなどにも商機があると考えられます。
このように麻生区は一見穏やかで地味なベッドタウンという印象がもたれがちなエリアですが、実は多彩な店舗計画が可能な土地です。まさに出店の穴場となる可能性も高く、地元のニーズをうまく吸い上げることで、末永く愛される店づくりが可能な土地といえるでしょう。
川崎市麻生区の多面的魅力を活かした店づくりを
工業地帯のイメージが強い川崎市の中では、麻生区は異色の存在ともいえるエリアです。区内の多くが閑静な住宅地であり、エレクトロニクスや先端技術産業の集積地ではあるものの、研究開発の拠点としての性格が強くなっています。都心からのアクセスも良く、文化や芸術、スポーツに力を入れているという点からはイベント時の集客も期待できそうです。居住者をターゲットとする場合は、落ち着いた土地柄に合わせ、居心地の良さとこだわりの味を追求した店づくりがおすすめといえるでしょう。