公募で区名がつけられた横浜市民に身近な存在
旭区は1969年(昭和44年)、保土ケ谷区から分区して誕生しました。旭区という区名は公募の多数を尊重して決定されており、身近に感じられる名称として親しまれています。
旭区の面積は32.78平方km、横浜市では3位です。横浜市の西部に位置し、東は保土ケ谷区、西は瀬谷区、南は戸塚区、泉区、北は緑区に隣接しています。区内を走行する相鉄線の駅には、鶴ケ峰駅、二俣川駅、希望ケ丘駅、南万騎が原駅、があります。
旭区の市街化区域内の92.0%は住居系地域で、横浜、京浜工業地帯のベッドタウンとしての役割を果たしており、万騎が原・上白根・希望ヶ丘・横浜若葉台団地など大規模団地群があります。人口は2020年時点で約24.5万人、世帯数は約10万世帯、平均年齢は48.1歳です。
旭区の公園面積は18区中2番目に広く、緑が豊かなエリアであることがわかります。区の大部分を起伏の激しい丘陵地が占めており、100m前後の山が入り組んだ地形で自然が多い土地柄です。
自然環境の豊かさでは横浜市でトップクラス
旭区を特徴づけているのが、丘陵地帯ならではの景観です。場所によっては、美しい富士山を望める住宅地もあります。周囲には自然環境が多く残っており、ゲンジボタルの生息地「こども自然公園」を始め、大規模公園や緑地が至るところにあります。大規模な動物園として知られる「よこはま動物園ズーラシア」も、旭区内にあります。
旭区内の相鉄線沿線は駅と居住地が近く、駅近の徒歩圏内に住宅が立ち並ぶ街が多く見られます。各駅周辺には生活利便施設がそろっている一方、駅至近距離でありながら閑静な住宅街に住めるという魅力があります。
二俣川駅は2018年に再開発事業が完了しており、ジョイナステラス二俣川・コプレ二俣川などの商業施設がオープンしたことで近代的な景観へと変貌をとげました。運転免許試験場があるので区外からの来訪も多く、単一路線の駅とは思えないほどのにぎわいがあります。
二俣川駅から横浜駅までは急行を使うと1駅で12分ですが、2022年のJRとの相互乗り入れ完了により二俣川駅~新宿駅間は約44分、二俣川駅~目黒駅間約38分まで短縮されます。新横浜へも直通できるようになり、横浜市内でも有数の高い利便性を持つ駅になります。これにより、今後の人口流入も期待されるところです。
旭区の小学校の在籍生徒数はすべて3桁台と、子どもの数が多い傾向です。ポイントとなっているのは、やはり豊かな自然環境。そして交通機関の発展への期待です。
旭区の人気スポットであるこども自然公園(大池公園)やよこはま動物園では、年間を通じてイベントも多数開催されています。こども自然公園で夏に行われるジャズ祭りやホタルの観測には、首都圏以外からも多くの人が訪れます。平常でもたくさんの遊具やバーベキュー場が整備されており、四季折々に家族や友人と楽しむ姿が見られます。
また旭区内には、歴史的な遺産も存在しています。特に有名なのは矢指谷(やさしやと)遺跡という旧石器時代の遺跡ですが、そのほかにも興味深い遺跡や遺構が点在します。
あふれるほどの自然とそこから生まれる景観、文化と歴史、大規模商業施設が並ぶ二俣川駅周辺など、旭区にはさまざまな魅力があり、その数だけビジネスチャンスも多様です。ファミリー層も多いため地域密着型の店舗計画がおすすめですが、集客スポットとなるエリアでは少し異なる方向性を探ってみるのも良いかもしれません。平日・休日を問わず親子連れでも気軽に利用できる店や、持ち帰りがしやすい業態など、店のコンセプトによって集客スポット付近か住宅街周辺かを考えて選ぶと良いのではないでしょうか。
二俣川駅を中心として考えるのであれば、運転免許試験場の利用者にも目を向けると店舗計画が広げられます。免許更新のために訪れる人のランチ需要と、仕事帰りのサラリーマンの需要を併せて想定し、定食系や麺類のメニューを提供する店などにチャンスがありそうです。その他では、丘陵の景観を生かし、眺めを楽しみながら日常から解放される雰囲気を提供するといったコンセプトも一考する価値があります。
二俣川駅を代表にファミリー層の多い横浜市旭区
横浜市旭区は、入り組んだ山々が形成する景観と豊かな自然に恵まれ、他にはない魅力があります。希少なゲンジボタルの生息地や身近な緑地に囲まれながらも、利便性と暮らしやすさを兼ね備え、子育て世代の支持を集めています。
今後さらに発展への期待が高まる旭区は、出店場所としても大きな魅力があります。そうした可能性も十分に吟味し、自分のやりたい店づくりと一致する要素を見出していきましょう。