横浜で人口増加率1位を誇る港北区
横浜市港北区は、1939年(昭和14年)戸塚区と同時に誕生しました。横浜市の北東部に位置しており、広さは横浜市で5番目の31.4平方kmです。横浜市では人口・世帯数ともに最も多い地区であり、港北区の東部にあたる東急東横線沿線には高級住宅地や商業地が広がっています。
港北区を走行する路線は、JR横浜線・東急東横線・東急目蒲線・市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン。さらに新横浜駅からは東海道新幹線が利用可能です。西部は横浜線、市営地下鉄が通っており、大規模マンションが立ち並ぶ「港北ニュータウン」が広がる新興住宅地です。このように港北区は横浜市の中でも、全方向に対して栄えている印象のあるエリアです。
通る駅は、東急東横線の大倉山駅、綱島駅、菊名駅、妙蓮寺駅、市営地下鉄線ブルーラインの岸根公園駅、新横浜駅、北新横浜駅、新羽駅、グリーンラインの高田駅、日吉本町駅、日吉駅、JR横浜線の小机駅など、首都方面への通勤・通学への利便性が確保されています。
東京都心、横浜中心へのアクセスは良好で居住地としての人気が高く、2022年1月現在の港北区の人口は35万1,608人、世帯数は17万5,383世帯となっています。港北区は横浜行政区別の人口で最多。2位の青葉区と4万人以上の差があります。
注目すべきは、国勢調査でみると前回から1万4,506人(4.2%)の増加が見られる点です。横浜市外からの転入超過が顕著で、この傾向は今後も続くと考えられます。港北区が人気の要因のひとつとなっているのは、商業地や住宅街に多くの人が集まる一方で緑の多いエリアとしても知られることでしょう。
居住区内にも大小の多くの公園があるほか、大熊農業専用地区・新羽大熊農業専用地区を中心に農産物を生産しています。ほうれん草や小松菜など新鮮な野菜を、横浜市民に届けている生産地としての側面を持つ土地柄です。
人を引き寄せる魅力にあふれる横浜市港北区
港北区は、たびたびコンサートやイベントが開催される「横浜アリーナ」やサッカー会場としても親しまれている「日産スタジアム」を代表として、全国の人気ラーメン店が集う「新横浜ラーメン博物館」、市民の憩いの場である「新横浜公園」があります。
室町時代に築城されたとされる「小机城址」は、JR横浜線小机駅から徒歩10分。竹林に囲まれた風情豊かな城址には、全国から歴史ファンが多く訪れます。5月には、武者行列や武者撮影会で人気の小机城址まつりが開催され、さらににぎわいが増します。
このように、港北区は横浜を代表する、新しい文化と歴史が融合する土地といえるでしょう。
港北区は現在進行している横浜市の都市計画の中心であり、再開発の真っ只中にあります。今後も大型商業施設の進出や大規模マンション群の建設などが予定されており、人口増加への期待がかかります。
2022年3月には、相鉄線と東急線との相互直通運転を可能とする路線が開通し、相鉄線沿線から都心部へのアクセスがさらに向上。港北区の利便性が一層高まります。これにより、居住者だけではなく、ビジネスの地としても再注目されることが予測されます。現在でも集客ポテンシャルを十分に持つ港北区ですが、公共交通機関の発展とともに、ますます多くの人が集まるエリアになるでしょう。
商業集積地や人気スポットを抱える一方で、160を超える保育施設や小学校25校、中学校9校、県立高校3校、私立高校5校に併せ、慶應義塾大学 日吉キャンパス、矢上キャンパスと学園都市の性格が強い土地でもあります。利便性、住みやすさ、教育環境がそろうエリアとして、子育て世代を中心に流入が続くと考えられます。家族向け、子ども向けの出店コンセプトにも計画の余地があります。
港北区は交通利便性に富み、大規模な集客スポットも多数ある上、人口増加が続く、国内でも数少ない元気さの感じられるエリアとなっています。そうした観点からは、出店先候補には困らないといえるでしょう。ただ、ファミリー向け、ビジネス需要、若者向けと幅広いターゲット層に恵まれているだけに、十分なターゲットの選定がカギとなってきます。
横浜市港北区は首都圏の中の成長株
コロナ禍を経て、大都市圏から人が流出する傾向にある中で、横浜市港北区は拡大を続けています。大規模開発により、住宅環境の整備はさらに加速しています。学園都市と呼べるほど、教育施設も充実。商業地や人気スポットを多数抱えながら緑豊かな大地からは、自然の恵みが届けられ、都心へのアクセスも良好です。そして、相鉄線と東急線の相互直通運転で、今後への期待度は高まります。さらなる成長を加味した上で、店のコンセプトや立地、客層を見極めて、綿密な出店計画をしましょう。