東京都の北部にあり、埼玉県とも隣接している東久留米市は、都心近郊のベッドタウンとして開発された街です。
北東部に走る西武池袋線は市民の足として使われ、東久留米駅付近には多くの住宅や商業施設が立ち並んでおり、都会的な印象が強く、出店先の有力な候補地と言えます。
今回は東久留米市の魅力と特徴について、解説します。
東久留米市の特徴
東久留米市は埼玉県と隣接しており、武蔵野台地のほぼ中央部に存在する閑静なベッドタウンです。
この東久留米市の特徴は、地下水が豊富で湧き水が出るポイントが多く存在していることと、その1カ所である南沢湧水群が都内では唯一、「平成の名水百選」に選定されたことなどです。
ここでは東久留米市の人口や観光名所など、市の基本的な情報を解説します。
人口
東久留米市の人口は、2019年3月時点で11万6千人と、あまり多くはありません。
オフィスや学校、工場などの事業・教育施設が少なく、住宅の数が多いため、住民がゆったりとした生活を送ることができる環境があると言えるでしょう。
歴史
東久留米市には「新山遺跡」や「小山台遺跡公園」など、縄文時代の遺跡が数多く残っています。この遺跡群の存在から、東久留米市には1万年ほど前から人が住んでいたことや、巨大な集落が形成されていたことが分かっています。
稲作に向かない土地だったことから、中世期のこの地には小さい村が点在するにとどまっていましたが、江戸時代に入ると村の数は少しずつ増えていきました。
やがて明治時代に入ると、この地域にあった8村と新田地などが合併し、「久留米村」として成立。戦後の1960年代には住宅の建設ラッシュが起こり、この地域の人口が倍増し、1970年代には市政が変えられ、現在の東久留米市になりました。
観光名所
東久留米市には縄文、江戸、明治期の人々の生活を今に残す史跡が多数存在しています。
以下はその一覧です。
▶︎ 縄文時代の史跡
小山台遺跡公園、下里本邑遺跡公園、新山遺跡など
▶︎ 江戸時代の史跡
米津家墓所、多聞寺山門、旧下里村穀櫃など
▶︎ 明治時代の史跡
村野家住宅
「平成の名水百選」
東久留米市を流れる落合川と南沢湧水群が、都内で唯一「平成の名水百選」に選ばれるほど、地下水がきれいなことでも有名です。これらを含め、東久留米市から湧き出る水は水道の原水としても使われており、市内は豊かな水源に恵まれた街だと言えるでしょう。
東久留米市の魅力
東久留米市には現在も自然が多く残っており、農業が盛んな半面、交通の便がよく商業施設も豊富に存在しています。
東久留米市の交通や特産品、商業施設などについて解説します。
交通
東久留米市は西武池袋線池袋駅から快速で約20分、JR中央線武蔵小金井駅から約30分の距離にあります。また市内には青梅、所沢、五日市といった3本の街道が通っており、車での移動も非常に便利な環境が整っています。
商業施設
東久留米市には、大和ハウスグループの系列会社が展開する、「アクロスプラザ東久留米」という商業施設があり、なかには家電量販店やサービス店舗などが9店舗存在。またその南側には「スーパービバホーム」があり、北側には日帰り温浴施設、「スパジアム ジャポン」が展開されています。
特産品
東久留米は農業が盛んであり、大根やほうれん草などが生産されています。市内の特産品は柳久保小麦であり、ほかの小麦よりも背が高いこの品種は、地元で販売されるうどんやパンの原材料としても使用され、多くの住民たちから親しまれています。
生活環境
農業が盛んで自然環境に恵まれた東久留米市は、都会の騒々しさから離れた住みよい街だと言えます。市のまちづくりへの指針には「夢と希望の持てる元気な東久留米」というものがあり、その指針どおり、東久留米市は住民にとって暮らしやすく、治安のよい街として確立しています。
出店時の注意
東久留米市内にはファミリー層が多く、夜は静かで、住民たちにとって暮らしやすい環境ができています。自然と都会が共存した穏やかな街なので、この生活環境を乱すような店の出店は避けましょう。
まとめ
東久留米市の人口は少なく、閑静な住宅街が多い街ですが、水道水の原水に使われる豊富な湧水があることや農業が盛んなことなどから、住民の近くに豊富な自然が残っている街だとも言えます。
東久留米市に出店するのであれば、地元に密着し、穏やかな生活環境を大切にした店づくりを意識するとよいでしょう。