市のエリア情報
昭島市は東京都のほぼセンターに位置しており、都心からは西に約35キロメートル、立川市・福生市・八王子市・日野市に隣接しています。2019年10月現在の人口は11万3千人、男女比はほぼ同率です。年齢別人口比率は0歳~14歳が約12%、15歳~64歳が約61%、65歳以上が約26%。東京都全体の65歳以上の割合は23%なので、高齢化率はまずまずといったところでしょう。
昭島市の地形は多摩川沿岸の低地と武蔵野台地で構成されており、豊富な地下水に恵まれています。水道水は深層地下水100%で、これは東京都ではほかに見られません。
戦国時代には城下町、江戸時代には宿場として栄え、歴史の中で重要な役割を果たしてきました。
現在の姿となったのは1954年で、当時の昭和町と拝島村が合併して昭島市が誕生。都心への通勤圏に位置することから大型団地が建設され、首都圏のベッドタウンとなりました。
なかでも特筆すべきは「公園面積率」と「商業地区面積」がともに東京都内の市部第5位という好バランスだという点です。適度に憩いの場と利便性に恵まれ、住み良い街として認められています。
市のシンボルは、かわいいクジラです。これは1961年に多摩川で発見された、クジラのほぼ完全な化石がモチーフとなっています。100万年以上前のクジラの全骨格がほぼ完全な形で発掘されたのは世界初で、「アキシマクジラ」と命名され、考古学に興味のある人たちからも注目を浴びています。
スポット情報
昭島市の主なランドマークには、以下のようなものがあります。
▶︎ 昭和記念公園:立川市との間にまたがる国営公園。レインボープールやこどもの森、日本庭園、盆栽苑などレクリエーション的性格を有するとともに、大規模災害時の広域避難場所となっている。
▶︎ モリタウン:昭島駅前の大型ショッピングセンター。「MOVIX昭島」という映画館を併設。
▶︎ モリパークアウトドアヴィレッジ:「モリタウン」に隣接したアウトドア専門店が入店する商業施設。施設内には本格的なクライミングウォールがある。
▶︎ 多摩川緑地くじら運動公園:野球場、ソフトボール場、テニスコート、自由広場などが河川敷に整備されている。
▶︎ 水辺の散歩道:崖線下の用水に沿って整備されており、6月ごろにはホタル観賞をすることができる。
▶︎ 拝島公園:都指定天然記念物となっている藤棚が毎年4月中旬~5月上旬に見ごろを迎える。
昭島市の文化・史跡
昭島市の「日吉神社」は、拝島公園内の神社で旧拝島村の鎮守であった「旧山王社」です。毎年9月に行われる「榊祭」は、200年以上の伝統があり東京都指定無形民俗文化財となっています。
「拝島大師本覚院」は、拝島と立川の間にある広い寺院です。だるま市が有名で、新年には多くの人が参拝に訪れます。
昭島市の特徴
昭島市の最も大きな特徴は、緑や水などの自然と商業文化が共存していることです。全国的にその名を知られる昭和記念公園は、広大な緑豊かな敷地にさまざまなレクリエーション施設があり、常に多くの来訪者でにぎわっています。こうした住み良さが評価され、高層マンションのような住宅施設の建設が続いています。
昭島市はアメリカ軍横田基地に近く、騒音対策のため市内の公立学校のすべての窓は二重で、さらにエアコンが完備されています。マイナス要因があっても手厚い対策を行うことにより、市民生活が守られているのです。
昭島市に出店するとき押さえるべきポイント
昭島市に出店する際に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
施設・立地情報
昭島駅周辺は大型商業施設が集中しており、終日にぎわいがあります。一方で各地には昔ながらの商店街が発達し、現在でも地元の暮らしと密接につながっています。「昭島駅南口商店街」は南口を降りてすぐの道路沿いに広がっており、活発なコミュニケーションの場となっています。独自のイベントも盛んで、親しみやすい会話に満ちた風景が見られます。
東中神駅周辺の「くじらロード商店会」は、最近人気ドラマのロケ地となり、話題を集めました。フリーマーケットや抽選会などが随時開催され、庶民的な雰囲気が漂います。
「拝島駅前商店会」の通りは、電線が地中に埋設されてスッキリとした景観となっています。歩道も新設され、安心して買い物が楽しめる環境が整備されています。また空き店舗活用事業を活用した活気ある街づくりを進めており、活性化実現に向けた取り組みがされています。
交通情報
昭島市の交通機関としては、JR青梅線があります。都心までは電車で約40分と、非常に快適です。立川駅までは10分弱と近く、電車の本数も多いので少し大きい買い物をしたい場合に利用するという声も聞かれます。
車の利用は中央自動車道「八王子IC」から4キロメートル圏内と、こちらも不便を感じません。
また、昭島市内の周遊バスは、大人1乗車が100円とリーズナブルです。300円で3ルート終日乗り放題の1日チケットもあり、生活や遊びでお得に移動できます。
イベント情報
昭島市の主なイベントをご紹介します。
▶︎ 昭島市民くじら祭:くじらの全骨格が発見されたことにちなみ、毎年8月に開催。くじらパレードや花火大会があり多くの人でにぎわう。
▶︎ あきしま郷土芸能まつり:地域の伝統芸能に特化したまつり。昭島市内各地で継承された屋台・山車(だし)・居ばやし・みこし・獅子舞・和太鼓が一堂に集結する。
▶︎ モリタウンイベント:大規模商業施設「モリタウン」では季節に合わせたイベントを開催。マルシェやライブも随時行われている
昭島市へ出店する際の留意点
自然に恵まれた特性を生かした水道水のおいしさが、大きなアピールポイントとなっています。「あきしまの水」をブランド化し、飲食に利用している店も多く見られます。
多摩川の河岸付近地域には、団地や教育機関が多数集まっています。一方、JR青梅線の北側は工業地帯とゴルフ場、昭和記念公園が主体です。「昭和の森」のスポーツ・レジャー施設には外部からの集客力があるので、どのような顧客層をねらうのか、検討していきたいところです。
有名企業の工場も多く立地していますが、昼間は人口が1万人程度流出します。高齢者率は平均的ですが、こうした住民の移動を考慮に入れ、日中の購買層について留意することが求められます。
大型商業施設には大きな集客がありますが、親しみやすい昔ながらの各商店会も健闘しています。計画している店舗の性格により、立地を選択していく必要がありそうです。
昭島市は水と緑を守り、長く住み続けられる住環境を目指しています。こうしたエコ的なイメージや、商業と自然のバランスの良さという魅力を理解したうえで、出店に生かしていきましょう。
魅力と可能性に満ちた昭島市
都心まで電車で直通40分という好立地に加え、おいしい水、美しい緑、広々とした公園に恵まれた環境を好み、移住をしてくる家族も多いようです。高層マンションの開発も順調で、今後にも期待ができます。交通の利便性は高いものの、日常的なニーズを地元で満たす人が多く、出店についても手応えがありそうです。外部から訪れる人が多いだけに、どこをターゲット層として絞るかがカギとなります。