コロナから立ち上がる。飲食店に来店する理由を追加する方法
なかなか業績が回復しきらない状況ではないでしょうか?大手の飲食企業でも閉店を余儀なくされている状況です。小規模な企業や個人店の場合は、逃げ場所もない苦しい状況だとお察しいたします。
厳しいとはいえ、待っているだけでは状況は好転しません。これまでとは違う取り組みをしようと考えているオーナーさまも多いことと思います。一つの考え方と複数の具体策を紹介させてください。少しでもヒントになれば幸せです。
●お客さまに、来店頂くために「価値を追加する」
ソーシャルディスタンスなどの対応はとられていて「来店しにくい理由」は減らしているのに来てくれないならば「行きたくなる理由を追加」する方向で考えた方がよさそうです。お客さまが飲食店に来店したくなるように、「価値を追加」することを考てみましょう。
追加する価値は、主に3つに軸から考えられます。
① 高品質・高付加価値・高級
② ここだけ・私だけ
③ これまでお店になかった価値(マルチバリュー)
① と②はこれまでの延長線上にある価値で、それを追求して高めていく考え方です。とても大事なことですが、毎日わずかずつの進歩ですので、お客さまにハッキリと見えるようになるまでに時間がかかってしまいます。
その理由から、今回の記事では③を中心に進めさせてください。これまでの飲食店にはなかった価値を加えることで、お客さまの来手理由を作れないかという考え方です。お客さまにも「これまでとの違い」がすぐに分かるので、これまで来店してくれなかったお客さまの来店も見込めると思いますよ。
具体策を5つ考えてみました。このまま同じことをやる必要はありません。ヒントになれば嬉しいです。
1:1人で2時間楽しく過ごせる!居酒屋映画館
2:お店に来るだけで英会話上達!?英会話テーブル
3:1店舗で2店舗分美味しい!スイーツ店と合体
4:1軒で2軒分の満足!靴磨きサービス
5:(おまけ)食べ物に感情移入?セリフ付きメニュー
1つずつ説明しますね。
1:1人で2時間楽しく過ごせる!居酒屋映画館
席に着くとタブレットとヘッドフォンが設置されていて、お客さまの好きな映画を鑑賞しながら食事を楽しむことができるサービス。お客さまが自分のスマホやタブレットを持ち込んで自主的に鑑賞することもできますが、長時間になると気が引けてしまいます。お店の方がそういうコース・席という位置づけにすれば安心して楽しんで頂けるのではないでしょうか?お一人さまの来店を促す狙いです。
2:お店に来るだけで英会話上達!?英会話テーブル
こちらもお一人のお客さまの来店を対象にしています。テーブルにタブレットが設置されていてオンライン会議サービスで数人のグループになっている。そのうちの一人はネイティブで英語をしゃべる方で、他の方は同じお店や他店で参加しているお客さまです。食事中は英語で会話をする、それだけです。英会話レッスンではないので堅苦しさはなく楽しく英語で会話をするだけ。通常のお食事料金に席料も頂けるアイデアです。このアイデアは1店舗では難しいので、こういうサービスを運営する会社が出てくるといいのになと思っています。あくまでもアイデアの切り口としてとらえて頂ければ幸いです。
3:1店舗で2店舗分美味しい!スイーツ店と合体
飲食店だからと言って、自分のお店の料理だけを出さなくてもいい。近くの人気のスイーツ店のケーキを事前に仕入れておきメニューとして提供すれば、お客さまは1店舗に来店するだけで2店舗分の料理やデザートを楽しめることになります。スイーツに限ったことではありませんが、他店で提供している商品や価値を時点でも提供できないかと考えてみると、新しい価値が生まれそうですよ。
4:1軒で2軒分の満足!靴磨きサービス
こちらも先ほどと同じような切り口です。1-2時間たっぷりとお食事を楽しむお店の場合は、その時間を有効に使うことができます。たとえば近隣の靴磨き店と提携をします。お客さまにはオプションとして「食事中の靴磨きサービス」を提供します。注文が入ったら靴磨き店へ連絡して対応(お店に来て頂けるといいですね)、お客さまがお帰りになるまでに靴がきれいになっている仕組みです。このように、お客さまが「やりたいけどわざわざ行く機会が少ない」ようなサービスを加えるのも手です。
5:(おまけ)食べ物に感情移入?セリフ付きメニュー
お料理をお料理のまま楽しむのが普通ですが、新たな価値を加えるのも面白いです。お料理ごとに「セリフ」を付け足してみてはいかがでしょうか?
こちらはボクが試しに書いてみたものです。実際にはお皿にソースでセリフを書いたり、紙で用意した吹き出しを乗せたり、ランチョンマットのようなものにセリフを書き加えたりすることになるかと思います。
セリフがあると、料理が生きているかのように感じますので、これまでにない楽しみを少し付け足すことができます。セリフをうまくすれば、お客さまが写真を撮ってSNSに投稿してくれることも期待できそうですよ!
ということで、新たな価値を加える方法を5つ挙げてみました。少しでも参考になれば幸せです。飲食店にとっては、本当に苦しい日々が続いていると思います。なんとか打開する策を見つけて前に進んで頂ければと願っています。
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
◇繁盛店への道 最新記事はこちらから
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