開業ノウハウ

焼肉屋開業で成功するための3つのポイント|開業の流れや注意点も解説

画像

焼肉屋の開業は、設備などで高額な資金が必要になりがちです。事前にリサーチして知識を身につけておくことが、成功への第一歩です。この記事では、焼肉屋の開業を検討したい人に向けて、必要な資金の目安や、メリット・デメリット、注意点など解説します。焼肉屋の経営を成功させるポイントについても解説しているため、ぜひ役立ててください。
 


 

◆焼肉屋の開業に必要な資金の目安

焼肉屋の開業には、ある程度まとまった資金が必要です。初期費用だけでなく、運営資金も必要であるため、ここで目安を解説します。
 

◇焼肉屋の開業にかかる初期費用

焼肉屋に限らず、飲食店の初期費用は、物件の坪数や立地で大きく変動するため、一概にはいえません。最低1,000万円程度から、立地や店舗の規模によっては、3,000万円程度まで幅広い価格帯と考えておきましょう。
 
初期費用は、物件取得費が大きな割合を占めます。ロースターの設置やダクトの工事など、焼肉屋独自の設備も高額になる傾向にあるでしょう。居抜き物件を利用することで、費用を最小限に抑えられ、コストメリットが大きくなります。後ほど解説するように、焼肉屋の開業資金は高い傾向にあるため、どこでコストカットを図るか考えておきましょう。
 

◇焼肉屋の開業後にかかる運営資金

初期費用だけでなく、運営していく資金(ランニングコスト)も考慮しなければなりません。初期費用と同様に、焼肉屋は店舗の規模により運営資金も大きく異なります。1か月あたり、約300~700万円台が目安です。運営資金には、人件費や賃貸料、食材費、広告宣伝費などが含まれます。事前に6か月分の運営資金を確保できると、安心して通常営業に専念できるでしょう。
 

◆焼肉屋の開業における3つのメリット

多くの飲食店のなかで、焼肉屋を開業することには3つのメリットがあります。焼肉屋ならではのメリットを、十分に活かせるような運営を心がけましょう。
 

◇1.幅広い層にニーズがある

焼肉屋ならではのメリットは、幅広い層にニーズがあることです。国内の焼肉需要は広がっており、1人焼肉やファミリー層、ランチ利用など、あらゆるターゲットが想定されます。長くニーズがあり、安定しやすい業界といえるでしょう。
 
ただしウイルス性感染症が流行し、換気能力の高さから需要が高まり、多くの焼肉業態が出店しました。その分、昨今はウイルス性感染症の影響が弱まり、商況が正常化しつつあるなかで、焼肉屋の閉店・倒産が若干増加しています。
 

◇2.高収入になるチャンスがある

焼肉屋は、他の飲食店と比べて客単価が高い傾向にあります。1人が何品も注文するため、メニューの工夫次第で、客単価アップが可能です。店舗数を増やせば、さらに収入を増やしやすいでしょう。そのため焼肉屋のオーナーになることで、高収入になる可能性が高まります。
 

◇3.少人数でも運営ができる

焼肉屋は、顧客が自ら肉を焼くため、調理の手間が少なく済みます。他の飲食店に比べると、調理に必要な最低限の人数で運営できます。人件費が抑えられることも、焼肉屋で大きな利益を得られる理由といえるでしょう。
 

◆焼肉屋の開業における2つのデメリット

焼肉屋の開業には、デメリットもあります。具体的には、開業資金が高い、仕込みに手間がかかるなどです。
 

◇1.開業資金が高い傾向にある

焼肉屋を開業するためには、ロースターや排煙設備など、必要な設備費が多くあります。他の業態に比べて、設備費用が高額になりやすい業態です。新品ではなく中古品を活用する、居抜き物件を利用するなど、コストを抑える工夫をしなければなりません。開業資金をどれほど抑えられるかが、焼肉屋の成功を左右する大きな要因です。
 

◇2.仕込みに手間がかかる

調理の手間が少ないのは、焼肉屋を運営する大きなメリットです。しかしメインの食材となる肉は、仕込みに手間がかかります。例えば筋や臭みを取り除く工程をはじめ、さまざまな工夫が必要です。また、より柔らかな肉を楽しんでもらうための工夫も必要です。肉を生の状態で提供するというシンプルな料理こそ、細かな工夫をしなければなりません。
 

◆焼肉屋を開業するための手順

焼肉屋を開業するためには、大きく3つの手順があります。市場調査やコンセプト・メニューを決める、物件を契約するなどです。
 

◇ステップ1.市場調査をする

開業準備のなかでも、重要視すべきポイントが「市場調査」です。需要があるエリアや人通りの多さ、競合店の有無などを調査しなければなりません。実際に現地まで、足を運んで確認することで、エリアの雰囲気を掴めます。特に競合店の調査は入念に行いましょう。オープンしてもお客が来てくれないのでは、期待した利益をあげられません。
 

◇ステップ2.コンセプト・メニューを決める

次にコンセプトを決めて、コンセプトにあったメニューを決めます。コンセプトは、ターゲット(狙う客層)を、明確に設定してから決定します。またメインの肉は、原価率が高くなる傾向があるため、サイドメニューやドリンクメニューを充実させることもおすすめです。肉の他にも、目玉となるメニューがあるとよいでしょう。
 

◇ステップ3.物件を契約する

コンセプトとメニューが決定したら、物件を契約します。費用や立地を考慮して、慎重に物件を決定します。物件を契約したら、設備を整えましょう。居抜き物件を契約する場合は、設備や什器を流用できるため、費用を抑えられます。ただし、すでに飲食店が閉店した後の居抜き物件は、なぜ閉店してしまったのかも考慮する必要があります。
 

◇ステップ4.仕入れ先を決める

焼肉屋のメインとなる肉の仕入れ先は、重要な要素です。仕入れ先を決める際は、価格だけにとらわれず、品質のよさや対応の迅速さ、供給の安定感なども考慮してください。肉の仕入れが肝になるので、他の飲食業態よりも仕入先の重要性が高いでしょう。卸売業者との信頼関係を構築するのも大切です。
 

◇ステップ5.スタッフの採用と教育を行う

1人で焼肉屋を運営するのは難しいでしょう。開業1か月前にはスタッフを採用し、研修を済ませておきましょう。オープニング当初は客足も予測できず、お店が混雑してしまうかもしれません。オープニングスタッフには、経験者の採用が望ましいです。
 

◆焼肉屋の開業に必要な資格・申請

焼肉屋の開業には、いくつかの資格・申請が必要です。食品衛生管理者や飲食営業許可などです。それぞれの資格を取得する方法を解説します。
 

◇【必須】食品衛生管理者

食品衛生管理者は、焼肉屋をオープンするにあたって必須の資格です。飲食物の衛生面を管理するための資格であり、講習を1日受講すれば、取得できます。資格取得にかかる費用は、1万円程度です。詳しくは以下の記事で解説しています。
 
※参考:食品衛生責任者の資格を取るには?費用や試験、申し込み方法について解説します
 

◇【必須】飲食店営業許可

飲食店営業許可もまた、焼肉屋の運営に欠かせない申請です。食品衛生管理者の資格を取得後に、保健所で手続きすることで営業許可が降ります。申請すると、店舗の構造や衛生管理面などに問題がないかどうかを、保健所が確認します。
 
申請許可に必要な費用は、地域によって異なります。また図面の申請や現地の検査などあり、最短でも2週間かかるため、余裕をもって早めに申請しておきましょう。飲食店営業許可の申請については、以下の記事で詳しく解説しています。
 
※参考:飲食店の開業には保健所の営業許可が必要!営業許可をとるための要件や手続きの流れをご紹介
 

◇防火管理者

防火管理者の資格も取得しておきましょう。防火管理者は、店舗が30人以上収容できる規模の場合に必要な資格です。食品衛生管理者と同様に、1日の講習で取得できます。防火管理者の資格についても、以下の記事で詳しく解説しています。具体的な取得方法や業務内容について、確認しておきましょう。
 
※参考:飲食店開業における防火管理者について知ろう!必要な場合は?資格の取得方法は?
 

◆焼肉屋を開業する際の注意点

焼肉屋を開業する場合、いくつかの注意点があります。食中毒や近隣への被害には、十分に注意してください。
 

◇食中毒に注意する

生肉は、適切な取り扱いをしなければ傷みやすい食品です。一度でも食中毒が発生してしまうと、廃業のリスクがあります。廃業に至らない場合でも、お店のイメージは著しく低下してしまうため、食中毒は起こさないように注意してください。食材の適切な管理を徹底するよう、常に心がけましょう。
 

◇近隣への臭いや煙・火災リスクに注意する

焼肉屋では、大量の肉を中心とした食材を、店内で顧客が焼きます。臭いや煙が発生する可能性があるため、近隣への配慮を忘れずに注意してください。開店前に近隣の理解を得る、無煙ロースターを導入するなどの対策を行いましょう。
 
火災リスクも高いため、ダクトの定期清掃や点検、店舗総合保険の加入も必要です。顧客は火の扱いに慣れていないため、安全性にも十分に注意してください。
 

◆焼肉屋の開業と経営を成功させるポイント

焼肉屋の開業・経営を成功させるポイントは、いくつかあります。開業前から宣伝する、競合との差別化を図るなどです。
 

◇開業前から宣伝を行う

開業前から、できるだけ早く経営を軌道に乗せることが重要です。チラシを配るのはもちろんのこと、SNS運用したり開店キャンペーンを企画したりなど、さまざまな方法があります。オープンしても、周辺の人がお店の存在を知らなければ、客足は伸びません。開店前から認知を広げておくことがポイントです。
 

◇競合との差別化を図る

焼肉屋の運営を成功させるためには、競合店の強み・弱みなどの分析が重要です。入念に調査を行い、差別化できるポイントを探しましょう。実際に入店して焼肉を食べ、競合調査を行うこともおすすめです。他の店にはない強みがあると、リピーターを掴みやすくなります。
 

◇居抜き物件を活用する

焼肉屋は、初期費用が高額になる傾向にあります。焼肉屋には、厨房の設備や排煙設備、ロースターなど、さまざまな設備が必要です。居抜き物件なら大きく初期費用を削減できるでしょう。
 
煙や臭いなどを理由に、焼肉屋への物件貸し出しを避けるオーナーもいます。ただし焼肉屋であった物件であれば、焼肉屋であることを理由に断られるリスクがありません。しかし、条件のよい居抜き物件はなかなか見つからないため、時間に余裕をもって探す、居抜き物件に強い業者への依頼が重要です。
 
「居抜き市場」は、居抜き物件を多く取り扱っており、相談にも乗ってくれます。気になる人は、こちらでチェックしてください。
 

◆まとめ

焼肉屋の開業を成功させるためには、開業前からの宣伝や競合との差別化、居抜き物件の活用などが重要です。しかし資格・申請が必要なことやデメリットもあるなど、注意すべき点もあります。特に焼肉屋は、初期費用が高額になりやすい傾向があります。費用を抑えるポイントとしては、居抜き物件を利用することもぜひ検討してみてください。
 
居抜き物件を探す際におすすめなのが「居抜き市場」です。運営元は居抜き物件の掲載、トップクラスの不動産業者です。飲食店の出退店に精通しており、経験を活かしたノウハウや飲食店経営に役立つ幅広い情報を発信しているので、ぜひ参考にしてください。
 

 
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

「開業ノウハウ」の関連記事

関連タグ

「ニュース・特集」記事の一覧