開業ノウハウ

まだまだ間に合う!自店にあったGo To Eatの参加方法を分かりやすく解説

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新型コロナウイルスの感染拡大により打撃を受けている観光業や飲食業などを支援するための需要喚起の経済政策「Go To キャンペーン」の一環で、飲食業を対象とした「Go To Eat」事業が10月1日よりスタートしました。
 
キャンペーン内容は、①各地域が発行するプレミアム付食事券と、②消費者へのポイント付与の二つです。ですがキャンペーン開始直後にSNSで話題になった「トリキの錬金術」(利用者が鳥貴族などで料理を一品しか頼まず、使用金額以上のポイント付与を行うもの)といったポイント稼ぎを目的とした迷惑行為がニュースでも取り上げられました。グルメサイト側に支払う送客手数料により飲食店側は利益が圧迫されてしまう不安、そもそも複雑すぎて理解できないことなど、キャンペーン参加に二の足を踏んでいる飲食店も多いようです。
 
ここではそうした飲食店に向けて、今一度キャンペーンの参加条件や参加方法を紹介し、自店の方針や集客の施策に見合った内容であるかを確認していただく機会になればと思います。
 

そもそも対象となる飲食店とは?

店内飲食をメインにしている飲食店であることが条件であり、各都道府県基準のガイドラインに基づき感染症対策を行っていること、取り組み内容を店頭掲示していることが条件とされています。
 
〈対象外〉
・デリバリー、テイクアウト専門、移動販売店舗
・客への接待、遊興を伴う飲食店
・カラオケボックス
・反社会勢力 など
 
感染症対策についてはこちらを参考にしてください。
 
感染症対策の掲示用ポスターは、農林水産省公式サイトよりからダウンロードが可能です。
感染症対策ポスター
感染症対策ポスター(店舗様独自取り組み記載可能)
外食するときのお願いポスター

キャンペーン内容は「プレミアム付食事券」と「ポイント付与」

地域の登録飲食店で使える「プレミアム付食事券」と、オンライン飲食予約の利用による「ポイント付与」となります。
 

登録飲食店で使えるプレミアム付食事券とは?

自治体単位で販売される食事券です。利用者は、販売額の25%を上乗せした食事券を購入でき、購入した地域のキャンペーン登録飲食店のみで使えます。
 
プレミアム付食事券
(画像:Go To Eat公式サイトより)
 
<おさえるべきポイント>
・プレミアム付食事券は、販売額の25%を国が負担
例) 12,500円の食事券を10,000円でご購入
・会計の際、おつりは出さない
・購入制限: 1回のご購入にあたり、20,000円分まで
(※エリアにより、8,000円単位での販売となり、購入上限が16,000円分までとなる場合も)
・販売期間: 2021年1月末まで
・有効期限: 2021年3月末まで
・オンライン予約の登録とは別途の申請が必要
・開始時期や精算タイミングが各地域で異なる
なお、利用済みの食事券の精算金振り込み方法は各自治体によって異なるので、事務局に問い合わせてみると良いでしょう。
 

プレミアム付食事券、飲食店の参加方法は?

各地域の商工会議所や商工会、キャンペーン事務局など、食事券発行事業者への登録を行います。参加飲食店の問い合わせ先一覧は、農林水産省のホームページを参照してください。
(ページ上段のPDF「各地域の状況一覧」参照)
 

オンライン予約の利用によるポイント付与とは?

オンライン予約サイト経由で、期間中に予約・来店をしたお客様に対し、次回以降にキャンペーン参加飲食店で利用できるポイントを付与するキャンペーンです。
 
ポイント付与
(画像:Go To Eat公式サイトより)
 
<おさえるべきポイント>
・付与されるポイント: ランチは500円分 / ディナー(15:00~)は1,000円分のポイントを付与
・ポイント付与の上限: 1回の予約あたり10人分(最大10,000円分のポイント)
・ポイント付与の期間: 2021年1月末まで
・ポイントの利用期限: 2021年3月末まで
先に述べたポイント稼ぎの迷惑行為問題を受け、付与ポイント以上の飲食代金の条件が追加されています。また、一部のオンライン予約サイトではコース料理などの一定額以上の会計を条件としている場合があります。
 

どこを選べばいい?オンライン予約サイトを比較

Go To Eatキャンペーンに参加しているオンライン予約事業者は全部で13社あります。付与されるポイント額はどの事業者も一律ですが、ポイントの種類や付与される時期、各社が行っているキャンペーンに違いがあります。また、予約サイトの管理画面や、お客様から提示される画面が違うので複雑な印象を受けるかもしれません。もし、すでに契約をしている大手グルメサイトの食べログやぐるなび、ホットペッパーなどがあれば、そのまま利用するのも手かもしれませんが、ない場合はどの様に選べば良いのでしょうか。
 

基本料金は0円。送客手数料は有料?無料?

通常であれば、グルメサイトで予約システムを利用する際は有料の広告費を支払う契約となりますが、今回のキャンペーンを受け、基本使用料については各社0円での利用が可能となっております。これを機会に、オンライン予約を導入するのも一つの手でしょう。ただし、送客手数料が各社異なりますので、自店の客単価の割合に対して、手数料が負担にならないかを検討する必要があります。
 
例えば、ディナー帯で1000円程度の定食を販売するような業態で、粗利が400円とした場合、キャンペーン利用者にはグルメサイトへの送客手数料が200円かかる事業者もいますので、この場合の粗利は200円となってしまいます。さらにそこから販管費や家賃を考慮すると、いくらお客様が来店したとしても売れば売るほど赤字になってしまう計算になります。
 
多くのユーザーを抱える大手グルメサイトの利用は魅力的ですが、送客手数料の有無や、キャンペーン終了後にオンライン予約を継続して行うのか、という視点も大事になります。
 
オンライン予約サイト比較

事業者名 送客手数料 基本手数料 終了後の加盟取り扱い 入金タイミング
食べログ ランチ100円/人ディナー200円/人 0円 店舗準会員として情報掲載は無料web予約は有料プラン契約が必要 来店の翌月15日頃
ぐるなび ランチ50円/人ディナー200円/人 0円 キャンペーン終了後も同契約内容で掲載 月2回(15日と末日)
HOT PEPPER ランチ50円/人ディナー200円/人 0円 継続or終了の手続きはキャンペーン終了1ケ月以上前に案内が届く予定 月末〆、翌月25日
Yahoo!ロコ ランチ100円/人ディナー200円/人コース料金の8% 0円 キャンペーン終了後も申し出がない場合は契約継続。解約は申請月の翌月末 来店月の翌月末
一休.com 予約金額×8% 0円 継続利用可能 来店月の翌々月末
ヒトサラ ランチ0円/人ディナー200円/人 0円 飲食店ごとに継続判断 来店月の翌日3~20日
Oz mall 予約金額×10% 0円 契約は自動更新。契約解除、掲載の休止は店舗で選択可 月1回
E PARK ランチ100円/人ディナー200円/人 0円 キャンペーン終了後は継続掲載の有無を選択可 10日〆、当月最終平日
Retty 0円 0円 無料お店会員は、キャンペーン終了後にネット予約機能、専用予約番号が終了 来店月の翌月末
FTP 0円 0円 キャンペーン終了後も無料利用可能※トレタweb予約は期間終了後は有料 月末〆翌月払


 

自店のターゲットと予約サイトのユーザーがマッチしているか

各社の比較をしてみましたが、そもそも自店のコンセプトに合ったターゲットが、オンライン予約サイトのユーザーであるのか、という視点が重要です。ターゲットとユーザーのミスマッチは、長期的にみてお店の不利益をもたらします。
 
例えば、特に席数が限られている小規模飲食店では、ポイント稼ぎの単価が低い来店客により、単価が高い常連のお客様が入店できないという弊害も起こり得ます。この場合、来客数は増えても売上が減少してしまいます。
 

解放する予約席枠を絞って、賢くオンライン予約サイトを利用するのも手

一部のグルメサイトが提案しているように、コース料理のみポイント付加の対象にして客単価を保つ手段や、来客が少ない時間帯のみの席枠の解放、1日に利用出来る席数を限定するなど、各社のオンライン予約システムは条件設定することも可能です。このように自店の方針やコンセプト、ターゲットにあった集客施策の一つとして、飲食店側も賢くGo To Eatキャンペーンを利用してみてはいかがでしょうか。
 

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