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ゴーストレストラン開業のメリット・デメリットは?成功させるコツを解説
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ゴーストレストランとはイートインスペースをもたない、デリバリー専門の飲食店です。市場規模の増加にともない、近年、ゴーストレストランの需要が高まっています。この記事では、ゴーストレストランにはどのような特徴があるのか、開業のメリットやデメリットなどを解説します。ゴーストレストランを成功させるコツも解説するため、ぜひ参考にしてください。
目次
◆ゴーストレストランとは?
ゴーストレストランとは、イートインスペースをもたない飲食店です。ゴーストレストランの仕組みや魅力を解説します。
◇ゴーストレストランの概要・仕組みを解説
ゴーストレストランとは、客席やイートインスペースのないデリバリー専門の飲食店のことです。ユーザーが店舗の実態を見ずに、サービスを受けるといった特徴があります。デリバリー用のアプリで注文を受け、個人や専門のサービス会社に配送を依頼します。
◇ゴーストレストランの特徴・魅力
ゴーストレストランの特徴は、客席やイートインスペースのないデリバリー専門店であることです。アプリを経由して注文を受け、注文者のもとに料理を提供します。都市部ではデリバリーの利便性が高く、飲食スペースを削減することで、店舗にかかる費用を抑えられます。
◇クラウドキッチンとの違いは?
ゴーストレストランと似たものに「クラウドキッチン」があります。ゴーストレストランは、1つのキッチンスペースに1つのレストランがあることが一般的です。一方で、クラウドキッチンは、1つのキッチンスペースを複数のレストランが共有する業務形態を指します。
◆ゴーストレストランが普及した背景
ゴーストレストランは、近年のテクノロジー進化と消費者の行動変化によって、飲食業界で注目を集めています。スマートフォンやインターネットが急速に普及したことによって、オンラインでの食事注文が可能になりました。テレワークの普及や飲食店の時短営業なども、ゴーストレストランが普及した要因です。
◆ゴーストレストランの市場規模は?
外食・中食産業の市場規模も、ゴーストレストランを開業するうえで無視できません。ここでは外食・中食産業やフードデリバリーの市場規模について解説します。
◇外食・中食産業の市場規模
中食とは、外食と内食の間にあるものです。家庭外で調理・加工された食品を家庭や職場・学校等で、そのまま(調理加熱することなく)食べることを指します。
外食産業の市場規模は令和元年で26兆2,684億円、大規模感染症の影響を受けた令和2年でさえ、18兆2,005億円の市場がありました。中食産業の市場規模は外食産業には及ばないものの、感染症の影響も受けず、右肩上がりとなっています。
◇フードデリバリーの市場規模
フードデリバリーの市場規模は、年々増加傾向にあります。2021年には、2019年対比で191%まで増加しました。2021年は、デリバリープラットフォームの出店⼿続きがパンク状態であったそうです。中食産業と比例して右肩上がりになっており、今後の市場拡大も期待できます。
◆ゴーストレストランを開業するメリットは?
ゴーストレストランの開業には、さまざまなメリットがあります。初期費用や未経験で開業できることについて、解説していきます。
◇初期費用・人件費を抑えられる
初期費用や人件費を抑えられるところがメリットです。初期費用で大きいものは「家賃」です。ゴーストレストランは客席が不要であるため、広いテナントが必要ありません。立地についても、それほど好立地でなくてよいことや、来客がないため大規模な内装工事が不要なことも費用を抑えられる理由です。人件費も大幅に抑えられます。ウェイターが不要で、規模によっては1人で対応できるためです。
◇未経験でも開業できる
ゴーストレストランやクラウドキッチンの場合、運営会社にノウハウがあるため、飲食店経営が未経験の人でも開業できます。販売促進やSNS運⽤、広告出稿などもサポートしてくれます。とくにクラウドキッチンであれば、テナント内に複数の飲食店で成り立っているため、互いの店舗で意見交換できるでしょう。
◇メニュー・営業形態を柔軟に変更できる
ゴーストレストランは、開業後であっても営業形態を臨機応変に変更できます。注文の多いメニューや時間帯、売上などに応じて変更できるため、試行錯誤しながら営業できます。複数のスタッフを抱える店舗は、このように臨機応変に対応することは難しいかもしれません。
◆ゴーストレストランを開業するデメリットは?
ゴーストレストランを開業するデメリットは、手数料が発生することやテイクアウト用の容器が高額であることです。それぞれについて解説します。
◇プラットフォームに⼿数料が発生する
ゴーストレストランの開業には、デリバリー代行サービスの利用が欠かせません。サービスのプラットフォームを利用するためには、手数料が発生します。また、初期費用や専用のタブレットが必要です。注文代金の30~40%くらいの手数料を、デリバリー代行サービスに支払う必要があります。
◇テイクアウト⽤の容器が高額
テイクアウトやデリバリー用の容器が必要です。自転車やバイクなどに乗せて運ぶため、中身が漏れないことが条件です。商品としての見た目も重要なため、料理が偏らない容器を選ばなければなりません。
◆ゴーストレストラン開業に必要な費用について
ゴーストレストランの開業に必要な費用には、どのようなコストが含まれるのでしょう。ここでは一般的な店舗開業に必要な初期費用や資金計画のポイントを解説します。
◇店舗開業に必要な初期費用
ゴーストレストランの店舗開業に必要な費用について、店の場所やメニューによって非常に差が大きいため一概にはいえません。しかし、イートインの店舗と比べて、安く抑えられることは確かです。
◇資金計画のポイント
開業時の資金計画としては、家賃3か月分の余裕が必要です。キッチンのレンタル費など、賃貸契約の支払いが滞ると、場合によっては翌日からすぐに利用できなくなってしまいます。当月の売上金で当月の支払いを賄う自転車操業は危険です。予想外の出費を見越して、家賃3か月分は用意しておきましょう。
◆ゴーストレストランの契約から開業までの手順
ゴーストレストラン開業までの流れは、以下の3ステップに分けられます。
1.食品衛生責任者の資格を取る
2.物件を確保する
3.デリバリーアプリに登録する
食品衛生責任者の資格の詳細については、後ほど解説します。ゴーストレストランの場合、イートインスペースは不要ですが、厨房設備は整える必要があります。その後、アプリへの登録が完了すれば、晴れて開業可能です。
◆ゴーストレストランの運営成功のコツ
ゴーストレストランの運営を成功させるためには、プロモーションやブランド化が重要です。3つのコツを解説します。
◇プロモーションが重要
ゴーストレストランを成功させるためには、プロモーションが大切です。SNSを活用してデリバリーの宣伝をしたり、商品と一緒にチラシを入れたりすることで、認知拡大を目指します。ゴーストレストランは実店舗がないため、通行人を顧客にできません。お店の雰囲気で集客することも難しいため、開業前からしっかりとプロモーションをすることが大切です。
◇ブランド化やリピーター確保で収益を上げる
ゴーストレストランは料理を届けるだけであり、お客さんと直接会うことができません。利用者の生の声を聞けないため、メニューやサービスに反映させることが難しい傾向があります。
ゴーストレストランは、リピーターをどれほど作れるのかが重要です。プロモーションとも関連しますが、ブランド化することも運営成功のポイントです。
◆ゴーストレストランを経営するときの注意点
ゴーストレストランを経営する際は、いくつかの注意点があります。食品衛生管理やコスト管理について解説します。
◇食品衛生管理や法規制対応のポイント
ゴーストレストランは、運営の仕方によっては違法または規約違反となります。ゴーストレストランを開業する際は、地域の法律や規制、プラットフォームの利用規約を遵守しましょう。
◇収益改善を目指すコスト管理
ゴーストレストランを開業する際は、ゴーストレストランならではのコストに考慮しましょう。ここまでに挙げたプラットフォームの手数料や使い捨て容器の費用などが、ゴーストレストランならではの費用です。
上記のような経費は、売上や注文数に応じて増減する変動費です。収益改善を目指すコスト管理のためには、正確な損益分岐点を算出する必要があります。
◆ゴーストレストラン開業に必要な資格は?
ゴーストレストラン開業に必要な資格は、食品衛生責任者と飲食店の営業許可です。意外に思われるかもしれませんが、調理師免許は必要ありません。
◇食品衛生責任者
ゴーストレストラン開業に必要な資格として、まず挙げられるのが食品衛生責任者です。都道府県が行う講習会を受講することで取得できます。栄養士や調理師、食品衛生管理者などの資格を持っている場合、講習会の受講は免除されます。
◇飲食店営業許可
飲食店営業許可は、食品衛生責任者の資格を取得すると申請できます。申請には、申請書の提出が必要です。他にも、営業施設の図面などを用意しなければなりません。
◇調理師免許は不要
誤解されやすいですが、飲食店の経営に調理師免許は不要です。食品衛生責任者があれば開業できます。つまり調理師免許の有無に関わらず、前述した都道府県の講習を受講すれば、誰でも開業できます。
◆まとめ
ゴーストレストランであれば、初期費用や人件費を抑えて飲食店を開業できます。ただし、そもそも飲食店舗の物件探しや運営、トラブル対応は特殊な要素が多く、専門知識が必要な場面も少なくありません。ゴーストレストランを開業するなら、飲食店に詳しい不動産会社に依頼しましょう。
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