リピーター客を増やすファン作りの5つのコツ しかけ販促マン眞喜屋実行が指南!
開業後にお店を軌道に乗せていくには、新規客だけでなくリピーター客が必要です。さらには何度も何度も来店してくれたり、知人を紹介してくれたりするファン客が増えるとより心強く経営も安定してきます。今回はお店のファンを増やす上でだいじな5つのポイントをまとめます。
お店のファンを増やす上でだいじな5つのポイント
会話をすること
人と人との絆を作り上げる際にはコミュニケーションがだいじです。お客さまを目を見ながら会話をすることがその第一歩です。ただし、会話といっても注文以外のものにしましょう。注文を受けたり料理を提供したりするのは必須事項ですので、それだけではお客さまとの絆を作るのは難しいものです。もう一歩踏みこんだ関係にしていくには注文以外の会話をすることがだいじです。
では、どんなことを話せばいいのでしょうか?自由なのですが、苦手な方のために話しやすい話題をいくつか挙げておきましょう。たとえば天気や気候です。「今日は冷えますね!」とか「雨が続きますね」とかは誰にでも当てはまる話題ですので始めやすいでしょう。他には「好きな料理やお店」について。お客さまの注文を受けていると好みが分かってくるかもしれません。その時に「お客さま●●お好きなんですか?」と聞いてみる。共通の好みがあれば盛り上がりますよね?ぐっと心の距離が近づくでしょう。
お客さまと会話をして心の距離を近づけるのは、ファンづくりに大切なことですが無理は禁物です。お客さまによってはあまり会話をしたくない方もいますし、プライベートに入られたくない方もいます。その辺りは会話をしながらいい塩梅を見つけてください。
お客さまのことを覚えること
お客さまの顔を覚えること、お客さまのお名前を覚えることです。人は自分が尊重されているととても嬉しいものです。お客さまが、お店に入った瞬間に、顔を見ただけで「いつもありがとうございます!」なんていわれたら嬉しいでしょう。さらに顔だけでなく名前が覚えられていたらもっと嬉しいものです。「●●さん、今日はいいお魚が入ったんですよ」なんて言われたら、お客さまは鼻高々です。
「前回は1ヵ月くらい前でしたっけ」とか「前回、●●を気に入ってくださいましたよね」とかの会話もお客さまを覚えているからこそできるものですね。ただし、場面によっては逆効果なこともありますのでお気を付けください(お忍びでいらっしゃっているお客さまの場合など)。
えこひいきすること
先ほども書きましたが、人は自分を尊重してもらえると嬉しいものです。それが具体的なサービスに換わると、また嬉しいものです。何度も来店してくれたお客さまには、他のお客さまにはしないサービスを提供してみましょう。鼻高々になって喜んで頂けるでしょう。
たとえば「料理長が●●を多く仕入れちゃったんで」とか言いながら少し多く盛り付けて提供したり、「今日は混んでないから広い席使ってくださいよ」と人数分よりも広い席に案内をしたりします。
ポイントはあまり「お金を匂わせないこと」と、「今日だけ感を出すこと」です。常連さまだからと1品サービスをしたり割引をしていると、お客さまは次回もそれを期待することになります。そして次回にそのサービスがないと不満に感じてしまう。それは良くないですよね? あくまでも何度も来てくださったお客さまへの感謝の気持ちとして何かカタチにするのです。「今日は余裕があるから」「いつもはできないけど」というニュアンスを加えながらえこひいきサービスをしましょう。だいじなのはサービスの量ではなく、「他のお客さまではなく、あなた」を感じてもらうことにありますので。
人がら面・弱点を見せること
一つ目の会話とも関連をするのですが、お店のスタッフの人がらが伝わるとお客さまには親近感を得てもらえます。趣味とか家族とか若いころに打ち込んだこととか。スタッフの人となり知るとより親近感が得られるものなのです。
また、お客さまとスタッフの間に「共通点」が見つかることでも親近感は得られます。好きな映画・好きなタレントさん・出身地などがわかりやすいでしょうか。こうしたことは「押しつけ」で伝えるものではありません。会話の中で徐々に伝わるといいのですが、難しければ名札にひと言情報を入れたり、名刺やリーフレットに記載したりして積極的にお渡しするのもいいでしょう。またニュースレターや店内かわら版を定期的に作成して、その中で紹介していくのもいいでしょう。
応援しどころを見せること
ファンづくりの仕上げです。ここはとってもだいじな部分です。これまでの4つは絆づくりやえこひいきサービスを取りあげました。これらはお客さまと心の距離を近づけることや好きになってもらうことを目的にしたものです。
そして最後に、ファン心理でとっても大事なことを取りあげます。それは「ファンは、相手に何かをしてあげたいもの」ということです。ファンであれば相手の役に立つこと、喜ばれることをしたくなるのです。「応援したくなる」ということです。逆から見れば、応援をするとファンになりやすいということでもあります。
ファンは相手を応援してサポートしてあげたい。そしてその手ごたえを感じると嬉しいものです。だから、ファンになってくれる方が応援しやすいようにするのです。「あなたが応援してほしいこと」を明確にするということです。
たとえば、このような感じです。
「来月のイベントは、スタッフの〇〇くんが考えた企画なんです。ぜひ成功させたいので、興味のありそうな方が周りにいたら誘ってもらえませんか?」「近くのライバル店に負けないように味を改良しているんです。一口食べて感想を頂けないですか?」「日本一の〇〇にしたいと思って研究をしています。勉強になるお店があったら教えてください」
このようにファンが応援しやすい所を明確にしてあげるのです。するとお客さまも行動しやすいでしょう。「何でもいいから応援してください」というのは難しいもの。行動しやすく提示するのです。また上の例を見てほしいのですが、「売上」とか「再来店」には直結しないようにしています。それをあからさまにお願いすると、お客さまの心が離れていく可能性もあるためです。お客さまの善意でできることをお願いしましょう。
以上、お店のファンを作る5つのコツをまとめました。ぜひ一つずつチャレンジしてください。そしてお店のファンを増やして大繁盛店に育てていってください。
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
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