NEW 開業ノウハウ
中野で飲食店を開業「文化とともに新しい潮流が生まれていく街!」中野駅編Part2

酒飲みにたまらない街として前回は中野の中心をご紹介してきたが、実はまだまだ奥深いのが中野のすごいところ。素敵な公園があったり、区役所や警察署などの公共施設が集まっていたり、実は多くの大学や専門学校が集まる文教地区としての一面があったり。そして、アクセスの良さも手伝って、最近ではおしゃれなエリアや注目のレストランなども集まってきているという側面も持ち合わせている点にも注目!今回は、そんな「最近注目の中野」に焦点を当てて歩いていきます。
中野には文化的施設がいっぱい!
中野駅は、実は現在大規模再開発の真只中。駅からすぐの便利な場所にあった区役所は移転し、バス停付近も大々的に工事が始まっている。

そして、中野のシンボル的存在であった「中野サンプラザ」は2023年7月に閉館。1973年の開業から50年もの間、多くのコンサートなどが開催され、中野の文化的役割の中心地となった場所だった。2025年現在は、再開発の計画が白紙になってしまったというニュースが流れ、その後の動向にも注目が集まっている。

しかし、中野から文化の灯が消えることはない!「なかのZERO」は、クラシックコンサートやオペラ、バレエ、ライブなど幅広いジャンルのコンサートが行われるホールを有する生涯学習の複合施設。裏手には四季折々の草花も楽しめる紅葉山公園もあり、家族で訪れる人も多い。「なかの芸能小劇場」は芸能振興のために作られた劇場で、各種演芸や日本舞踊、お笑いライブなどが楽しめる。

中野駅から徒歩5分の場所には、警察大学校跡地に中野四季の都市として再開発されたエリアが。こちらには敷地面積1.5ヘクタールという「中野四季の森公園」をはじめ、オフィスビルや大学などが併設。休日にはフリーマーケットやイベントなどが開催され、多くの人で賑わっている場所だ。

このエリアには、「早稲田大学」「明治大学」「帝京平成大学」の三つの校舎が並び、付近には専門学校、区立中学校などもあるため、平日には学生でにぎわっている印象。

裏手には「東京警察病院」や移転した「中野区役所」もあり、まさに中野区民にとって馴染み深く、公共サービスが集中して存在するので便利であるのは間違いないだろう。
公園エリアにはどんなお店があるの?
人が集まる場所には当然飲食店が。公園内にも多くのお店が立ち並び、それぞれのスタイルで時間を過ごしている姿がみられる。

「中野セントラルパーク」は、ビル内にオフィスのほか、ショップやレストラン、クリニック、ホールなどを併設する複合オフィスビル。公園に面した立地が、働く人にも気持ちの良い環境になっている。

こちらの1階には、公園側にテラス席を設置した店が多く、「マクドナルド」や「スターバックス コーヒー」もあるため、気軽に散歩気分で訪れる人も。

開放感あふれるテラス席が魅力の「GOOD MORNING CAFE」。週末はモーニング営業も行われているので近隣の方にも愛されるカフェ。
「FLOWS」はボリュームタップリのグリル料理と、店内のビアタップから注がれる9種類のビールがセレクトできるのも嬉しい。

「me at park」は、『食で旅する』をコンセプトに、スパイスやハーブを多用した肉料理で海外の味が堪能できることが魅力。テラス席ではBBQも楽しめるので、家族連れや人数が多くてもみんなで満喫できそう。

公園を少し離れた警察署のそばには2013年オープンの「なかの中華!Sai」が。
こちらは煉瓦造りの素敵な店構えが目印の広東料理店。「IL FORNELLO」は、けやき通りに佇む1998年創業の老舗イタリアン。イタリア人オーナーシェフが提供してくれる料理は、まるでローマを訪れた気分にさせてくれる。

まるでパティスリーショップには見えないおしゃれな外観はフランスに本店を構える「MORI YOSHIDA」。こちらの吉田シェフは本場フランスの大手テレビ局が開催したパティスリーのコンクール番組にて2年連続で優勝を果たし、一躍人気に。そんな本場の味が堪能できるお店が2024年にオープンし、近隣のみならず多くのスイーツファンが押し寄せる人気店だ。
そこから程近い場所には2021年にオープンした白完のスペシャルティコーヒーが楽しめる「Butter Coffee Stand」が。美味しそうな焼き菓子の提供もあるので、いつでも店内はスイーツ女子で賑わっている。

中野ブロードウェイからも近い場所にあるのは「不純喫茶ドープ」。不純喫茶って?と思っていたが、純喫茶と違ってお酒の提供もあるからなんだとか。レトロでありつつも今っぽい店内では色とりどりのクリームソーダを楽しめる。
おしゃれなお店が増えて注目!奥中野エリア
中野ブロードウェイを抜ける、もしくは公園エリアを抜けたエリアの先に、最近では「奥中野」と呼ばれているとかいないとか…そんなエリアがあるのはご存知だろうか?レトロシックな建物を活かした店舗やたらしい試みのお店が増え、個人的にも大注目の新しい中野をご紹介!

奥中野の入り口になるのは、薬師あいロードという商店街。中野駅と西武新宿線の新井薬師駅の中間に位置するこの商店街周辺に注目のお店が集まってきているというのだが、果たして…

商店街の入り口から少し歩くと見えてくるのが「Chillaxin’ Book Shop(チラクシンブックショップ)」。こちらは本屋でありながら、店内ではビールやコーヒーが提供されているのだ。取り扱っている書籍もカルチャー系のものが多く、コーヒーを片手に思わず一冊。その先には自社製造のクラフトレトルトフードを取り扱う2023年オープンの「GROCERIES MARKET IPPUK」。日替わりのサンドウィッチも人気なのだそう。

「酒と飯でべちょ」はこだわりの飯が酒と共に堪能できるため、地元民に愛されるお店。
そのお隣にはオーガニックパスタとワインの店「オリエントスパゲッティ」。こだわり野菜を使ったオーガニックパスタは、ヘルシーでありながらも抜群の満足感。

おしゃれで今時なお店が多くなってきた商店街ではあるが、味噌専門店の「坂本味噌」や、豆菓子を取り扱う「但馬屋」のような店も残っていて、とても風情のある街並みだ。

商店街を抜けた先にも、まだまだ楽しいお店がいっぱい。「Pizzer Citraba」は本格イタリアンがカジュアルに楽しめるピッツェリア。「マロロガバワン」はご夫婦で営まれているインド料理店で、スパイスにこだわったカレー絶品。遠方からもそのカレーに魅了されて訪れる人も多い。

「Kyle’s Good Finds(カイルズ グッド ファインズ)」は30年以上続くアメリカンスタイルのホームメイドケーキが色々楽しめるベイクショップ。ケーキだけでなくブラウニーやマフィン、パイなど、本場アメリカの味が提供されている。
まだまだ注目エリアが!レンガ坂エリア
実は数年前から、「中野でおしゃれな飲食店の集まるエリアがある」と耳にしていたのだが・・・実際に行ってみると、立ち飲み&せんべろ的な中野のイメージと全く違う世界がそこにはあって、感激!そんな中野駅南側にあるレンガ坂とその付近を歩いていこう!

中野駅南口から徒歩2分の場所にひっそり現れる煉瓦造りの坂道。そう、ここがレンガ坂!この小径の両脇と、そこから入っていく脇道には、まるで「ここは海外?」と思ってしまうようなおしゃれな飲食店が立ち並び、ワクワクが止まらない。

「麦酒大学」と書かれた看板。こちらはビール大学と読むのだそうだが、生ビールの注ぎ方やサーバーの違いによる味の感じ方について研究を重ね、お客様好みの味を提供している。
「六曜舎」は昔ながらの喫茶店洋食メニューが大人気で、リーズナブルな上に味も美味しいとあってランチに通い詰める人も。

スペインバルの「siono」では本格的なパエリアをはじめ、長期熟成したハモンセラーノにも舌鼓。そして筆者は未訪問ながらも一番気になっているのが開放的な雰囲気の「五感」。こちらでは20種類以上のパスタやローストビーフなどを提供している創作イタリアン。生パスタのランチは一度食べてみたいと思っている注目店だ。

雰囲気あるエントランスの「中野 洋食堂葡萄」で味わえるのは、イタリアンを中心とした本格的な洋食が少量多種で楽しめることで人気。ナチュールワインやタパスがいつでもお出迎えしてくれるのは「オルガニコ」。食材も自然派にこだわり、明るく賑やかな店の雰囲気とのコラボレーションでいつもハッピーな気分になれるお店だ。

「手しおごはん玄」は、ランチには美味しい定食メニュー、夜はつまみで一杯。思わずただいま〜と言ってしまいそうな雰囲気が魅力的。その2階には、コの字カウンターが楽しい「酒場コグマヤ」が。串煮込みを中心としたメニューは、ついつい酒が進んでしまうものばかり…

レンガ坂にある「中野青二才」では開放的な店内で日本酒が楽しめるお店。全ての日本酒のお値段が均一でサイズも3種類。色々試してみられるのがたのしい。坂を抜けた先に「青二才はなれ」は「中野青二才」から徒歩で1分ほどの距離にあり、その雰囲気は隠れ家的小料理屋のよう。

古民家をリノベーションした「Boqueria(ボケリア)」は本格的なスペイン料理と南米料理を提供。
「Vivo daily stand」は都内に数店舗をあるフレンチスタイルのデリと、デイリーワインが楽しめる普段使いにちょうど良いお店。

「まるでタイに来た気分!」と思わず言ってしまう本格的なタイ料理が提供されるのが「トンホム」。タイ人オーナーが作るメニューの数々は甘味、辛味、酸味、塩味が絶妙なバランスになっている。
少し脇道を入ったところには、100種類以上の日本のワインと、ワインにピッタリの料理がフレンチスタイルで楽しめる「ワイン蔵BANKAN」が。

「桃園食堂 本丸」は、裏路地にひっそり佇ずむ隠れ家的な一軒家酒場。毎日入れ替わるおばんざいは、おひとりさまにも嬉しい。「四川MON花(モンファ)」は、中華とワインのマリアージュを提案する中華料理店。30年以上続く味は、地元の人からも絶大な信頼がある。

筆者のお目当ての一つでもあったのが、こちらの「MUTO coffee roastery」。店内で焙煎されるコーヒーは種類も豊富で、味の好みを伝えるとおすすめを教えてくれたりもする。店内にはカフェスペースもあり、自家焙煎&ハンドドリップのこだわりコーヒーが堪能できる。悩んだ末に、今回はふかいりブレンドをチョイス!
ラーメン激戦区へ
さぁ、ここからは気分をガラリと変えて、ラーメン特集をお届けしたい。中野には人気チェーン店はもちろん、注目のニューウェーブや行列の絶えない名店まで本当に多くのラーメン屋があり、どこで食べようか迷ってしまうほど。お気に入りの1杯が見つかること、間違いなしなのだ。

まずは最近のラーメン業界でも話題になることの多いちゃん系ラーメンから「中野邦ちゃんラーメン」をご紹介。シンプルな中華そばではあるが、その濃いめのスープにファンが多く、コスパ最強との呼び声も。
「中華そば仙道」は、新宿の名店である中華そば流川の姉妹店。牛と貝のW清湯スープが魅力。

こちらの「中野大勝軒」は、あの大勝軒の代名詞とも言われるつけ麺発祥の場所。行列が絶えないのは横浜家系ラーメンの「二代目武道家」。濃厚な家系スープがやみつきになる美味しさ。

元祖ベジポタつけ麺の「二代目えん寺」は、ベジタブルペーストをポタージュにしていて、女性でも食べやすいスタイルに。「野方ホープ」は本店が同じ中野区内であるにもかかわらず、2015年のオープン時から人気が絶えない名店。

行列必至の「麺屋はし本」は、池袋大勝軒のスタッフが独立開業した魚介豚骨系スープの名店。「ラーメン箕輪家」は、もともと家系ラーメンのみだったのが、塩豚骨も人気を博してレギュラーメニューに。

都内に数店舗ある「中華そば青葉」は、実はこちらの中野が本店。シンプルな中華そばは毎日でも食べたい味。鶏白湯専門店として人気なのは「麺匠ようすけ」。白湯ベースのはまぐりそばも魅力的なメニュー。

こちらも鶏白湯スープで勝負する「鵺(NUE NOODLE DINING)」。細麺がよく絡む半透明のスープに魅了されること間違いなし。「担々麺ほおずき」は、担々麺好きでは知らない人はいない有名店。排骨担々麺は思い出すと食べたくなってしまう旨みが特徴。

「麺尊RAGE腕力中野」は西荻窪をはじめ都内に数店舗を構える麺尊RAGEの系列店で青唐中華そばのツンとした辛みが人気。「ただいま変身中」は、クリーミーな牡蠣のスープが特徴のフレンチテイストのラーメン屋で、この日も女性客が吸い込まれるように、どんどん入っていくのが見受けられた。

こちらの「五丁目ハウス」は家系ラーメンの有名店。席数はわずか7席という狭い店内には五丁目ファンが連日押しかけ、濃厚スープを堪能している模様。二郎インスパイア系としては人気の高い「えどもんど」は中野にも店舗があって、こちらもいつでも行列が。

そして、筆者がこの日の終着地として選んだのは「TOKYO RAMENかいか」。こだわりの無化調スープは厳選した豚肉のうま味と煮干し、鰹節の上品な香り、と聞いたら一度行かなければ気が済まなくなり初訪問。執着地点の給水ポイントで供されるのがCOEDOビールというのも嬉しいところ。

煮干しと鰹節の風味がふわっと感じられるスープに2種類のチャーシュー。TOKYO RAMENと言われて納得の醤油味。この日はシンプルに中華そばをいただいたのだが、お隣の席で担々麺を食べている人も。こちらも気になってしまったので次回チャレンジしたいと思う。
終わりに

飲食店というと、やはり居酒屋や立ち飲みの印象の強かった中野。実際にそういったお店で飲み歩いていると、一軒目はレンガ坂で食事をして二軒目に立ち飲みと、エリアを使い分けている猛者が多いことも判明。古き良きせんべろ的な安くて美味しいお酒の楽しめる店と、若い女性客を魅了するおしゃれなお店の共存、これこそが再開発の進んでいる新しい中野のスタイルなのではないか、と強く思った1日となった。
まだまだ進む中野の進化に、今後も注目していきたいと思います!
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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