東京メトロ半蔵門線は、墨田区押上から大手町を通り渋谷までを結ぶ、都心部の放射状路線のひとつです。
押上駅を出発すると、錦糸町駅、住吉駅までほぼ一直線に南下します。そこから西へ向かい、清澄白河駅、水天宮前駅、三越前駅、大手町駅を経由し、皇居の北側を迂回して半円を描くように神保町駅、九段下駅と続きます。路線名にもなっている半蔵門駅を通過後、再び西へ向かい、永田町駅、青山一丁目駅、表参道駅、終点の渋谷駅へとつながります。
パープルのラインカラーが特徴的で、官公庁街とビジネス街、銀座や渋谷を通ることもあり、多くの人の通勤やショッピングの足として利用されています。
大半の駅が別路線への乗り換えが可能で、単独駅が少ないことも特徴です。そのため、さまざまな場所に向かう際の途中で乗り換える路線としても利用されています。
このような利用者の多い半蔵門線の沿線で、異なる表情を持つ街を3つご紹介します。
スカイツリーの目の前にある押上駅の周辺
かつて「下町らしい下町」だった押上駅の周辺は、東京スカイツリーと東京ソラマチの完成で一変しました。いまや、日本を代表する新たな観光地として生まれ変わり、多くの人でにぎわっています。
その一方で、下町としての表情はそのまま残っているのも押上という街の大きな特徴です。昔ながらの商店街も健在で、地元住民から愛され続けています。長く地元でやってきた定食屋やラーメン店もあり、通い続けるファンも少なくありません。
新たな街としての集客性と下町の情緒、どちらも併せ持つ街として東京の新たな魅力を作り出しているエリアと言えるでしょう。
カレー激戦区として静かに熱い神保町
「世界最大級の本の街」として知られた神保町で、あるグルメが注目され静かに燃えています。それが、カレー店のせめぎあいです。
神保町は古本屋が多い一方で、カレー店の激戦区でもあります。買ったばかりの本を片手に食べやすいことからカレー店が増えたという説が有名ですが、真相は不明で、2000年を過ぎた頃からカレーの街として全国的に有名になりました。
今ではカレーの聖地として、カレー店を開くなら神保町でと考える人もいるほどになっています。
本の街とカレーの聖地、この不思議な組み合わせが神保町の新たな特徴として定着しています。
クリエイターの街として歩み始める渋谷
渋谷といえば若者の街、ファッションの街、流行の発信源といったイメージが定着しています。そんな渋谷に、これまでにはなかったような新しい特色を持つスポットが誕生しました。それが渋谷キャストです。
渋谷キャストは、国内外のクリエイティブ関連の活動を行っている人のために作られたコミュニティー施設です。シェアオフィスやクリエイターズカフェ、コレクティブハウスなど、クリエイターの交流や連携を創出するプラットフォームとしての役割も担っています。
クリエイターの街としての表情も持つようになった渋谷は、クリエイティブビジネスを生み出し発展させていく中心地として期待されています。
新たなグルメやそれを楽しむための方法、これまでにないレストランなど、今までになかった飲食店のスタイルも生まれるかもしれない、そんな未知の可能性を秘めています。
まとめ:半蔵門線の沿線は複合的な魅力を持つ街がたっぷり
半蔵門線沿線で、それぞれ違う表情を持つ街に注目し3つの街をご紹介しました。今回ご紹介した押上、神保町、渋谷のほかにも、半蔵門線の沿線には複合的な魅力を持つ街がたくさんあります。また、ほとんどの駅が複数の路線が交わり利用者が多いことからも、それぞれの街に人が集まる要素を持っています。突出した個性を持つ街が多く、飲食店を開店するならその街の雰囲気に合うコンセプトの店にするのが成功の第一歩ではないでしょうか。