人流、文化、商業の中心にある新宿駅
新宿駅はJR山手線、総武線、埼京線、中央線、中央本線、湘南新宿ライン、成田エクスプレス、東京メトロ丸ノ内線、都営新宿線、都営大江戸線、京王線、小田急小田原線の12路線が乗り入れている巨大ターミナル駅です。
すべての路線が駅構内通路でつながっていますが、深さ・距離ともかなりあるため複雑でわかりにくく「ダンジョン」と呼ばれることでも知られています。
1日の乗降客数は270万人を超えており第1位、世界一としてギネスに記録されたこともあります。
南口にあるバスタ新宿には日本各地とつなぐ高速バスの停留所があるため、都内だけではなく国内中から旅行者が行き交います。
新宿駅近くには都庁、行政関連施設、大企業のオフィスなどが多く、ビジネス目的の来訪者も多く、また専門学校、語学学校なども多数あることで若い世代も朝から見られます。
駅周辺には大規模量販店、百貨店、複合商業ビルなどが立ち並び、買い物客や観光客で終日混雑しています。
新宿区に訪れる人の目的はビジネス系施設が約 34%、「スーパー・デパート・ショッピングセンター」と小売店や飲食店などの「その他商業施設」を合わせた商業系が約 22%、「住宅・寮」の住宅系が約18%、「学校・教育・幼稚園・保育施設」の教育系約 10%と、その目的も多様です。
また、新宿駅周辺では、 新宿御苑 桜まつり(3月下旬~4月上旬) 、新宿ゴールデン街 納涼感謝祭(8月下旬) 、クリスマスイルミネーション(11月下旬~12月)、新宿駅周辺でグルメフェスが頻繁に行われ、季節ごとにさまざまなイベントが開催されています。
新宿駅周辺5つのエリアの特徴
新宿駅を5つに分けて、そのエリアの特徴や飲食店の需要について紹介します。
新宿三丁目エリア
新宿三丁目界隈はオフィス街であるためランチ需要が高いエリアです。一方、夜は伊勢丹を始めとする近隣の商業施設やホテルからの客があり、ディナー需要もあります。夜を主体する場合には、洗練された雰囲気や高品質な料理を提供すると好評を得やすい傾向が見られます。また、バル文化が浸透しており、隠れ家的なイタリアン、コンセプトバルなど、気軽に立ち寄れるスタイリッシュな飲食店が人気です。主な商業施設としては、伊勢丹新宿店や新宿マルイ 本館が挙げられます。
新宿御苑エリア
新宿御苑は桜で有名ですが、一年を通じて訪れる観光客も多く、飲食需要は通年期待できます。場所的にカフェや軽食店が人気です。観光客や散策客が多く訪れるため、外国人向けのメニューや英語対応のお店もあります。一方でオフィス街もあり、相対的には大人向けの店舗がおすすめです。
恵比寿東エリア
駅から少し離れたエリアには、静かな高級住宅街が広がります。進んでいくと白金エリアに近づき、駅前とは異なる落ち着いた雰囲気が感じられます。住宅地の中には、隠れ家的な魅力を持つ小さなカフェやレストランも点在しています。
新宿南口エリア
新宿駅の南口は繁華街であり、ショッピングや観光客が多いのが特徴です。ファーストフードや気軽に入れるカジュアルなダイニングの需要があります。30代から40代の「大人の女性」をターゲットとした商業施設がオープンしたことにより、各施設のテナントに入る飲食店でも洗練された雰囲気、気軽でありながらもおしゃれ感漂う店が多く見られます。主な商業施設としては、新宿高島屋やNEWoManが挙げられます。
歌舞伎町エリア
夜遊びや観光客が多く、居酒屋やバー、レストランが多数存在するエリアです。集客力の高さに加えて、深夜営業に対応することで需要の拡大を見込めるでしょう。もともと外国人が多いエリアで、老舗の多国籍料理店が多数見られます。加えて女性向けの飲食店や居酒屋もあります。
新宿西口エリア
ビジネスマンや通勤客が多いため、朝食やランチを提供する店舗に需要があります。一方で、夜は歓楽街へのアクセスが良いため、バーや居酒屋なども人気です。また、有名ホテルが林立するエリアであることから、観光客が気軽に楽しめる飲食店への出店に期待が見込まれます。主な商業施設としては、京王百貨店や小田急百貨店、新宿ミロードが挙げられます。
あらゆる業態に可能性がある新宿駅周辺エリア
世界一のターミナル駅と言われる新宿駅周辺には、通勤客、観光客、ビジネスマンなど終日多種多様な客層が行き交います。一日中人流が途切れることがないため、朝早くから夜遅くまでどの時間帯をターゲットとしても、飲食店への需要が期待できます。朝食、ランチ、カフェタイム、夕食、そして外国人観光客に対応したお店など。スピーディーなサービスやテイクアウト需要への対応にも商機があります。
自店の得意分野が活かせる可能性が広がりますが、一方で競争の厳しさが予測されるため、差別化の要素を十分に吟味して準備する必要があります。