穏やかな気候と緑、海に恵まれた金沢区
金沢区は横浜市の南端に位置しており、東には東京湾、西は栄区、南は横須賀市、逗子市、鎌倉市、北は磯子区に面しています。東西距離は6.25km、南北距離8.6km、面積は約30.68平方kmで、基本的には周囲を海と山に囲まれています。黒潮の影響下にある温暖な海洋性気候で、冬暖かく、夏は涼しいので暮らしやすい土地として人気です。
人口は2020年時点で約20万人、65歳以上の高齢化率は29.5%。金沢区は1948年(昭和23年)に磯子区から独立して誕生し、以降首都圏のベッドタウンとしての役割を果たしています。
金沢区を通る路線はシーサイドライン、京急本線、京急逗子線があります。駅は、シーサイドラインの野島公園駅、海の公園南口駅、海の公園柴口駅、八景島駅、市大医学部駅、福浦駅、産業振興センター駅、幸浦駅、並木中央駅、並木北駅、鳥浜駅、南部市場駅、京急本線の六浦駅、金沢八景駅、金沢文庫駅、能見台駅、京急富岡駅。京急逗子線は、金沢八景駅と六浦駅が該当します。バス利用も多いエリアなので、駅近のみにこだわらず、出店先を検討することができるでしょう。
自然と産業、文化のバランスがとれた横浜市金沢区の魅力
金沢区の西側は昭和40年代に開発されました。丘陵部を開発した富岡、能見台、釜利谷西、六浦南、東朝比奈などの比較的新しい分譲地エリアです。
一方、東側は海側にあたる金沢町、寺前、平潟町、町屋町、柴町などの旧市街地エリアとなっており、さらにシーサイドラインが走る、沿岸の埋め立てエリアへと続きます。埋め立てエリアの工業産業団地「LINKAI横浜金沢」には、1,000社以上が集積し国内有数の産業地となっています。
金沢区には歴史好きの人には知られている、金沢八景と金沢文庫があります。歌川広重が描いた金沢八景は、現在は風景が変わってしまいましたが、今でも風光明媚なスポットが散在しています。金沢文庫は、鎌倉時代のなかごろ、現金沢区の邸宅内に造った武家の文庫です。現在は神奈川県立中世歴史博物館が管理しており、貴重な資料を保有しています。
金沢区は横浜市のなかでも鎌倉市にも近く、歴史の名所・旧跡が多数あり、文豪や歌人ゆかりの地も多い土地柄です。史跡を訪れる人も多く、見どころに恵まれています。また、学習塾や学校など教育関連の施設が多く、関東学院大学と横浜市立大学があるため、若年層の姿も目立ちます。
海・山・歴史・文化・産業・商業と多彩な魅力にあふれ、他エリアからの来訪者も多数あります。穏やかな気候に恵まれ農産物も人気が高いため、地産地消型の商売が成り立ちます。
金沢区は公共交通も充実しており、各所で集客チャンスが期待できる土地です。古くから居住している層、学生、産業関連のビジネス系、観光客と幅広いターゲット層の中から、自分の目指すコンセプトに合わせた選択ができるでしょう。
金沢区には横浜市中心部のような、大規模な繁華街や遊興スポットはありません。そのため土地柄に合わせた、落ち着いた店舗への需要が想定されます。特に住民層をターゲットとするのであれば、仕事や暮らしに密着した、日常使いができる店舗計画に商機が感じられます。
一方、観光地周辺であれば地産地消の新鮮素材を使った、健康志向のメニューが充実した店舗がおすすめです。横浜市の多様な魅力をアピールしながら、金沢区の個性を示すことができます。金沢区の代表的なスポットとしては、「海の公園」「横浜・八景島シーパラダイス」「金沢自然公園・金沢動物園」「三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド」「コストコ金沢シーサイド倉庫店」などがあります。
こうした観光・商業スポット周辺での集客力を活用し、カフェ系の店舗出店の可能性を探るのも一つの手です。
産業、教育の地の利を生かした店づくりも可能です。地元の食材を生かし、安くてボリュームのあるメニュー提供をすれば、若い層から長く支持される店舗の経営が期待できます。
金沢区は立地場所によって、さまざまな店づくりの可能性があります。気候、人の流れ、農産物に加えて、金沢区がもつ特有の雰囲気を上手に活かしながら、最適と考えられる出店計画を練っていきましょう。
黒潮が育む自然に抱かれ多様性が花開くエリア
横浜市金沢区は、古くからの文化・歴史に彩られ、教育・産業施設が多数あるなど多様性が感じられるエリアです。江戸時代から人々を魅了してきた景勝地、温暖な気候、海と山。そして現在は住み良い土地として、首都圏の居住地域としても人気です。歴史巡りに訪れる人や古くから居住する人、学ぶ人、働く人とさまざまな層を想定した店づくりに可能性があります。神奈川にはたくさんの有名スポットがありますが、金沢区の魅力は決して劣りません。土地に根付くお店を目指しているのならば、出店を検討する価値のあるエリアといえるでしょう。