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飲食店の倒産は2年連続で過去最多 使える人気の補助金について知ろう

2025年の飲食店の倒産件数が、前の年を上回って過去最多を更新しました。
中小規模の飲食店は食材費や人件費、光熱費、などの運営コストが急上昇し、かつ大手チェーンとの競争を強いられる中で簡単に商品価格に転嫁することができないという苦しい環境に追い込まれています。
ここで飲食店倒産の詳細と、人気の補助金についてご紹介します。
◆2025年の飲食店倒産、初の1000件超
東京商工リサーチによると、2025年の「飲食業」の倒産件数は1,002件(前年比1.0%増)に達し、1996年以降の30年間で初めて1,000件を超えます。日本料理店、焼肉店、ハンバーガー店、粉もん店などが、30年間で最多を記録しました。

(出所:東京商工リサーチ「2025年「飲食業」倒産 初の 1,000件超 食材費・人件費上昇が小規模店に大打撃」)
資本金別では、1千万円未満の小・零細規模が886件(前年比0.1%減)と全体の88.4%を占めています。
東京商工リサーチは「食材費や水道光熱費、人件費などが上昇するなか、インバウンド需要の特需が届かず、値上げが難しい小・零細規模の飲食業の経営に大きなダメージを与えている。 「物価高」倒産は136件(前年比126.6%増)、「人手不足」倒産(後継者難除く)は55件(同161.9%増)で、それぞれ2倍以上に急増した。小規模飲食店ほど価格転嫁が難しく、食材費や人件費などのコストアップを吸収できない厳しい業況が続いている。」と分析しています。
◆焼肉店倒産が過去最多に
特に焼肉店の倒産が過去最多に達しています。同じく東京商工リサーチによれば2025年の「焼肉店」の倒産(負債1,000万円以上)は59件(前年比31.1%増)で、集計を開始した2009年以降で最多を記録し、初めて50件を超えました。*1
肉や野菜の値上がりに加えて、コメの価格高騰がさらに追い打ちをかけた形です。国産米にこだわる焼肉店では、より経営状況は厳しくなっています。店舗数を徐々に減らしている大手チェーンもあるくらいです。安易な値上げは客離れを招きかねないという緊張した環境にあります。
原材料、特に円安による輸入食材や国産米価格の高止まり、人件費上昇、とかなり厳しい環境に立たされている飲食店ですが、補助金などをうまく活用したいところです。
◆人気の各種補助金
中小企業の経営支援のための女性・補助制度はたくさんあり主催事業者も異なるため、実際にどの制度を利用・申請したら良いかわからない人もいらっしゃると思います。
まず、数ある補助制度の種類(目的)と規模をまとめたものを見てみましょう。

中小企業向け補助金
(出所:経済産業省・中小企業庁「ミラサポplus」)
それぞれ支援の目的が異なることがわかるかと思いますので、飲食店に関連しそうなものを簡単に説明していきます。*2
・小規模事業者持続化補助金= 小規模事業者が作成した経営計画に基づいて行う販路開拓などの取組をサポート
・省力化投資補助金=中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするため、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品の導入をサポート
人件費高騰や人手不足解消をデジタル化で支援するもの。一定の賃上げが条件。
・デジタル化・AI補助金(旧・IT補助金)=日々の業務の効率化や自動化のためのITツールの導入をサポート
通常枠、インボイス枠などがある。
・新事業進出補助金=既存の事業とは異なる、新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援
その他上の図にはありませんが、組合単位で応募が可能な中小企業成長加速化補助金、雇用維持のための雇用調整助成金などがあります。
これらの補助金制度については経済産業省・中小企業庁が運営する「ミラサポplus」に掲載されています。
◆IT化・新事業が軸に
以上の補助金の目的を見てくると、「IT化による省力化で雇用を維持する」「新事業進出で稼ぎ口を増やす」方向に中小企業を導く補助金であることも見えてきます。
今のままではなく、成長のために変化しようとする意志を持つ企業への支援と言えるでしょう。
円安は当面続きそうですし、さらに金利の上昇によって借入れをしにくくなる可能性も出てきました。これら補助金をうまく利用して、事業の省力化や拡大、雇用の維持を続けていきたいものです。
*1 東京商工リサーチ「街の焼肉店が息切れ、大手チェーンも苦境 2025年「焼肉店」の倒産 59件で過去最多」
*2 経済産業省・中小企業庁「ミラサポplus」
清水 沙矢香(しみず・さやか)
2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として各種市場・産業など幅広く取材、その後フリー。取材経験や各種統計の分析を元に多数メディアや経済誌に寄稿中。
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