飲食店を経営していくうえで、食材の仕入先を決めることは大事な要素のひとつです。なるべく食材ごとに適切な仕入先を選びたいところですが、具体的な仕入先をあまり多く知らないという方もいるのではないでしょうか。

今回は、主な仕入先についてメリットとデメリットを確認し、そのうえでお店に最も適した仕入先の選び方について解説していきます。

 

食材の主な仕入先とそのメリット・デメリット

食材の仕入先といっても、その選択肢はさまざまです。
各業者には得意分野と不得意分野があるので、特徴を見極めたうえで複数の仕入先と取引をすることが飲食店成功のコツと言えます。

では、主な仕入先のメリットとデメリットとを詳しく見ていきましょう。

 

小売店

自店舗の近所にある小売店は実際に商品を見て確認できるうえ、気軽に訪問できますが、常にお店のメニューを網羅可能な商品があるとは限りません。

〇メリット

近隣に小売店があれば急な欠品時でも食材を買える。商品を見て選べる。

✖デメリット

卸売業者よりも商品の価格が高い場合がある。掛け払いはできず、食材の配送もしてもらえない。

 

業務用スーパー

業務用スーパーは豊富な品ぞろえと低価格を実現し、一般の小売店よりも価格競争力に優れた値段で食材を販売しています。

〇メリット

品ぞろえが豊富なうえ、直接商品を見て選べる。小売店よりも量や価格競争力に優れている場合が多い。

✖デメリット

近くに業務スーパーがなければ、遠方まで買い出しに行かなければならない。掛け払いが不可能。

 

市場

地方の中央市場は、その地域にとって欠かせないものです。何十年も同じ食材を扱ってきた目利きの仲卸と関わることで、生産地の情報も得られます。ただし、週に2日ほど定期休業の日があることや、買い付けや支払いの仕組みが分かりにくいこともあります。

〇メリット

地域の希少な食材が入手できる場合がある。小売店よりも品物が安く手に入る。なじみの仲卸ができることで、生産地の情報が得られる。

✖デメリット

定期的な休みがあるので、食材を仕入れられない日がある。配送や掛け払いに応じてくれることはあるが、実績や取引量など深い関係性がないと難しい。

 

卸売業者

卸売業者の営業に商品を伝えて見積もってもらい、価格交渉を経て決まった仕入れ価格で食材を購入します。また、複数の業者同士を競わせて仕入れ価格を決めることも可能です。

〇メリット

商品の品ぞろえが豊富で小売店よりも安い。店舗までの配送や掛け払いに対応してくれる。店舗ごとに営業がつくので、価格交渉や大量発注が可能。

✖デメリット

新しい食材を仕入れるときは必ず見積もりから交渉を経て、価格に合意しなければいけない。配送の最小単位が決まっている場合もある。

 

ネット販売を使った卸売業者

通信販売形態の卸売業者でカタログやネットショップに商品の情報を掲載しており、電話やFAX、またはネットから商品注文ができます。営業からの見積もり発行が不要です。
しかし、商品を直接手に取って選べず、自店舗から遠いと食材の鮮度が落ちることもあります。

〇メリット

ネットショッピング感覚で価格を比較しながら商品を買える。掛け払いに対応している場合もある。商品情報があらかじめ公開されている。

✖デメリット

商品を直接手に取れないのでイメージと違うものを購入してしまうリスクがある。価格交渉は不可能。

 

最適な仕入先を選ぶコツ

業者ごとの特徴を見極めたうえで取引先を選ぶことが、飲食店成功には欠かせません。
以下は最適な仕入先を選ぶためのコツです。

 

お店のコンセプトを考えて選ぶ

お店のコンセプトを考えて決めたブランドや産地、銘柄に合わせ、それらの食材を扱っている業者を選びます。

 

メインの仕入先とサブの仕入先を選ぶ

自店舗のコンセプトを考えて主な仕入先を決め、その弱いところを補う別の仕入先を決めます。

 

品質や価格が安定しているところを選ぶ

品質や価格が安定していれば、仕入れの予算を超えず安心して取引ができます。

 

何かあったときに返品に応じてくれるところを選ぶ

衛生上の問題が考えられるときや、破損・汚損があった場合に食材の返品が可能かを確認して選びます。

 

複数の業者と取引し、定期的に仕入れ先を見直す

無理なく付き合える取引先の数を保ち、定期的に仕入先を見直しましょう。

 

まとめ

飲食店の仕入先にはさまざまなところがありますが、どれも一長一短があるので1社だけに絞って取引をするのは不可能です。それぞれの業者が持つメリットとデメリットを考え、適切な仕入先を選ぶとよいでしょう。

 

飲食店開業応援マガジン［RESTA（レスタ）］編集部

 

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