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知っておかないと損をする?飲食店の税金の仕組みを解説!

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飲食店を開業・経営するとき、どのような税金がかかるのでしょうか。個人・法人によって変わる税金の種類、消費税と軽減税率など、理解しておかなければ損をしてしまうこともある税金の仕組みについてご紹介します。
また、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難となった場合に受けられる緩和制度についても解説します。
 

飲食店を経営するときにかかる税金の種類は?

店舗を経営するときに必要になるのが税金の知識です。そのなかでも飲食店の経営に関わる税金を、個人経営・法人経営に分けてまとめると次のようになります。
 

個人経営の飲食店にかかる税金

個人経営の飲食店では次のような税金が課税されます。
▷所得税
その人が一年間に得た所得金額に比例して5~45%がかかります。
▷個人住民税
所得金額の10%がかかります(標準税率)。※エリアによって異なる
▷個人事業税
所得金額の5%がかかります。
▷復興特別所得税
所得金額ではなく所得税額の2.1%に相当する金額が課税されます。
 

法人経営の飲食店にかかる税金

法人経営の飲食店の場合にかかる税金は次のようなものです。
▷法人税
課税対象となる所得に対し15~23.2%がかかります。
▷地方法人税
法人税の10.3%の金額が課税されます。
(令和元年10月1日前に開始した課税事業年度は4.4%)
▷法人住民税
都道府県・市町村ごとで所得や資本金を基準に定められた税率の金額が課税されます。
▷法人事業税
所得に対し都道府県によって定められた法人事業税率の金額が課税されます。
▷代表者個人にかかる税金
上記のほか、代表者個人には対して所得税、個人住民税、復興特別所得税が課税されます。
 

個人・法人どちらにも関係する税金

次の種類の税金は個人経営・法人経営に関わらずどちらの飲食店の場合も課税されます。
▷消費税
売上にかかる消費税額から仕入れの支払いにかかった消費税額を差し引いた税額が課税されます。
▷印紙税
5万円以上の領収書を発行する場合には印紙を貼り付けることで印紙税が課税されていることになります。
▷固定資産税
土地・家屋・償却資産に対して標準税率1.4%が課税されます。
▷源泉所得税と特別徴収住民税
給与支払いがある場合には課税されます。
 

消費税を収める必要があるのは?

先ほど、消費税は個人・法人どちらの飲食店でも課税されると説明しましたが、消費税が免除される条件もあります。
 

開業から2年は免除

個人・法人ともに基本的には開業から2年間は消費税の課税が免除されます。
 

基準期間に1000万円を超えると

消費税が課税されるかどうかを判定する基準期間は、実際に課税される年度の2年前です。基準期間、準備、課税年度という3年が消費税課税のサイクルです。
基準期間のうちに課税売上高が1000万円を超えると、個人経営の場合は2年後に消費税が課税されます。法人経営の場合は翌年に課税事業者となります。
 

年度ごとに判定

法人経営の場合は課税事業者となると課税が続きます。しかし、個人経営の場合はそうではありません。年度ごとに課税売上高が1000万円以上になったかどうかが判定され、もし超えなかった場合には2年後にまた課税が免除されます。
このように、個人経営の場合は年度ごとに判定され課税事業者となるかどうかが見直されます。
 

免除されないケースもある

法人経営で資本金が1000万円以上の場合には初年度から課税対象となります。
また、課税売上高によって免除が解除される場合もあります。特定期間として定められている期間内に、課税売上高が1000万円を超え、給与支払いの総額が1000万円を超えた場合には翌年から課税されます。
この特定期間とは、個人経営の場合は前年の1月1日から6月30日までの6カ月間です。法人経営の場合は事業開始の日から6カ月間です。
 

軽減税率が適用されるのはどんなとき?

2019年10月から消費税10%が適用されました。しかし、飲食料品の中には軽減税率が適用され消費税8%になるものもあり、飲食店の経営者はこの制度について知っておく必要があります。
軽減税率の判断基準とはどのようなものでしょうか。
 

標準税率10%になるもの

レストラン、喫茶店、居酒屋、フードコートなど、飲食店での外食にかかる消費財は標準税率10%です。ホテルのルームサービスやカラオケボックスの飲食、ケータリング、出張料理も10%です。
また、飲食店で注文した料理を持ち帰る分も10%の範囲となります。
 

軽減税率8%になるもの

最初から持ち帰りとして購入するテイクアウト・出前・宅配・移動販売などは軽減税率が適用され、8%です。店舗を持つ飲食店でも、弁当の持ち帰り、宅配、仕出しなどは軽減税率の8%です。
 

軽減税率の手続きの方法

軽減税率についてどのような手続きや準備が必要でしょうか。
もし、標準税率と軽減税率が混在する場合は請求書や領収書の書き方を「区分記載請求書等保存方式」に切り替える必要があります。
これまでの請求書や領収書では次のような内容を記載していました。
・発行者の氏名または名称
・取引を行った年月日
・取引の内容
・取引の金額
・相手方の氏名または名称
 
これらに加え、区分記載請求書等保存方式では、以下の内容も記載します。
・税率ごとの合計額
・軽減税率の対象品である旨
また、帳簿にも税率ごとに区分して記載する必要があります。
 
このような税率の区分は、実際の飲食店の会計の際には手間やコストを増大させ、小規模店舗の経営を圧迫しかねません。そのため、区分経理が困難な中小事業者に対する特例も準備されています。こちらは仕入高や売上高に対し、軽減税率対象となるものが占める割合から計算する方法です。
 

新型コロナウイルス感染症の影響と納税の猶予

2020年、世界は新型コロナウイルス感染症により未曾有の危機を迎えています。日本も例外ではなく、全国に緊急事態宣言が発令され、外出自粛要請が出されるなど今までにない措置が取られています。
こういった状況は飲食業界を直撃し、全国の飲食店が大幅に売上を減少させているのではないでしょうか。個人事業主に対する優遇措置を求める声も頻出しています。
 
そこで、国税庁は新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方に対する猶予制度を設けています。これは、税金の納付が困難になった場合に、税務署に申告することによって納税緩和制度が受けられます。
対象となるための要件は次の4点です。
1. 税金の納付により事業継続または生活維持が困難になる恐れがある
2. 納税について誠実な意思を持っている
3. 猶予を受けようとする対象の税金以外に滞納がない
4. 税金の納付期限から6カ月以内に猶予の申請書を提出する
 
この申請が認められると、次の点について納税の猶予が適用されます。
・原則1年間の納税猶予と、状況に応じてさらに1年間猶予される場合がある
・猶予期間中の延滞税が軽減
・財産の差し押さえや売却が猶予される(換価の猶予)
 
また、新型コロナウイルス感染症の影響により個別の事情がある場合も猶予が認められるケースもあるとしています。消毒によって資産を廃棄した場合や、本人または家族に感染者が出たといった場合には、対象となる可能性があります。また、事業継続が困難になったり、大きな損失を受けたりした場合にも、個別の事情として受け付けるとされています。
新型コロナウイルス感染症の影響により納税の猶予期間が必要な場合には、所轄の税務署に電話で相談してみましょう。
 

飲食店経営に税金の知識は不可欠

飲食店に関係する税金と消費税の軽減税率、納税の猶予制度についてご紹介しました。
飲食店を開業・経営するにあたり、税金についての知識を持っておかなければ税制において損する選択をしてしまうかもしれません。特に消費税の軽減税率が導入されている期間は、より税率計算が複雑になっています。飲食店に関係する税金をしっかりと把握して、最適な申告ができるよう備えておきましょう。
 
 
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

 

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