開業ノウハウ

飲食店開業に必要な資金には何がある?資金調達方法は?

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飲食店開業を本格的に考えようという場合に、懸念される問題として真っ先に思い浮かぶのが「資金」についてでしょう。
どのくらいの資金が必要なのか?何に必要なのか?相場は?自己資金では足りない場合には?
疑問はいくらでも出てきます。そこで今回は、飲食店開業の際に必要な資金に焦点を合わせてご紹介しましょう。
 

開業資金の内訳

「開業資金」といっても、その使途はさまざまです。まずは、どのような費用が必要か見ていきましょう。
費用を分類して考えると把握しやすいでしょう。大きくは、飲食店開店に必要な「設備資金」と、開店後に必要な「運転資金」に分けられますがそれ以外にもさまざまな費用が発生します。
 

設備資金

設備資金には、店舗物件を取得するための費用や、内装工事費、開業の際の諸経費などが入ります。
 

物件取得費

物件契約時の保証金、礼金、仲介手数料、前家賃などです。
金額的に大きいのが保証金であり、賃料10カ月分が一般的といわれています。賃貸契約書に償却額が設定されている場合には、退去時に全額は返金されません。
礼金は賃料の2カ月分くらいまでが多いでしょう。
仲介手数料は、不動産会社への支払いであり、賃料1カ月分が相場のようです。
居抜き物件の場合には、造作の譲渡代を支払う必要もあります。造作の状態によって金額はさまざまになり、業者や物件によっては造作譲渡手数料もかかる場合があります。
契約日から翌月分までの賃料の先払いを求められることが一般的です。
保証会社への加入が義務付けられている場合には、賃料の約1カ月分を保証会社へ支払う必要があるでしょう。
 

店舗設計費・工事費

以下のリストに挙げたような、内外装工事費、厨房機器や備品購入費などが含まれます。
▷内外装設計費、設備設計費
▷内外装工事費、設備工事費
▷看板・ファサード制作費
▷厨房機器、家具・什器購入費
 

備品・その他諸経費

▷レジ、パソコン、電話、音響機器など
▷調理道具、食器類購入費
▷人材募集費
▷販売促進費
▷印刷費
▷その他(ユニホーム、ディスプレイなど)
 
参考:飲食店開業にかかる資金とは 「当初の計算よりお金がかかった!」
 

運転資金

運転資金は、経営が軌道に乗るまでの間に必要なお金を指します。賃料に加え、食材や酒類などの仕入れのための費用、アルバイトやパートの賃金、宣伝広告費、水道光熱費、通信費、洗剤やトイレットペーパーなどの消耗品費や備品補充費などを、少なくとも3ヶ月分、余裕をもって6か月分を用意できるとよいでしょう。
 

開業資金はどのくらい必要?

具体的にどのくらいの開業資金を用意すべきかについては、店舗の立地や業態、内装のレベルによるところが大きいため、一般化することは難しいでしょう。
業態では、設備投資が小さいバーやラーメン店が比較的安く、設備投資の大きいレストランになると高額になる傾向にあります。
また、出店物件がスケルトンか居抜きかによっても開業にかかわる資金は大きく異なります。
 
参考:飲食店開業にかかる費用とは? vol.2 スケルトンと居抜き物件比較
 

資金はどうやって用意すべき?

自己資金では開業資金に足りない場合には、どこかに融資してもらって資金調達することになります。
では、自己資金は少額でもOKでしょうか?親族や友人などから借りる場合を除き、通常、融資してもらえる額は、自己資金によるところが大きくなります。例えば、日本政策金融公庫では、自己資金を用意しなければなりません。通常は、満額融資ではなく、融資額が必要とのこと。また、自己資金が多い方が、融資の審査が通りやすいとされています。
さらに、融資の実行は物件取得後になるため、物件を取得するための資金は少なくとも自分で用意しなければならないと考えておいた方が無難です。
自己資金が少ないと、開業資金が少なくなりがちです。少額の自己資金で開業させた成功例も聞かれますが、開業資金が少ないと運転資金にしわ寄せが行くことが多く、経営を軌道に乗せるまでが厳しくなります。運転資金が尽きて廃業ということにならないためには、できるだけ自己資金を用意しておくことをおすすめします。
 

資金調達の方法

足りない資金を調達する方法はいくつか挙げられます。それぞれのメリット、デメリットもご紹介しましょう。
・知人、友人、親族に借りる
古来の方法であり、最も手軽な方法でもあるでしょう。手軽である分、契約書をきちっと取り交わしておくことをおすすめします。
メリット:借りる金額に制限がなく、返済期日、利息などを融通してもらいやすいでしょう。
デメリット:お金の貸借はトラブルのもとになりやすく、人間関係が悪化すると修復できないことがあります。
・公的機関から借りる
一般的に、資金調達のために推奨されているのが、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の利用です。
メリット:原則的に無担保、無保証人で借りられます。銀行に比べて低金利です。融資や事業について、相談に乗ってくれます。融資決定まで約1ヶ月と早く、融資限度額が3,000万円(うち運転資金は1,500万円)までと大きいところもメリットです。
デメリット:「創業の要件」「雇用創出等の要件」「自己資金要件」のすべてに該当していなければなりません。また、満額で融資してもらえるとは限らず、審査に落ちると融資が受けられません。
・共同経営にする
夢を同じくする人と組むと、より大きな資金を用意することができます。
メリット:得意分野が異なれば、お互いで補完できるので、戦力が強化します。資金だけではなく、知恵を出し合い、ともに頑張っていく仲間がいると、喜びも倍になるでしょう。
デメリット:意見が分かれた場合、意志決定に時間がかかります。不公平感や不信感が生まれると、開業計画そのものが崩壊してしまいやすく、人間関係に修復しがたい亀裂が入る可能性があります。
・クラウドファンディング
近年注目されている新しい資金調達法で、基本的には、インターネットを介して不特定多数の人から資金を集める方法です。単なる寄付を募るのではなく、投資型にしたもの、何らかのリターンを用意したものなど、それぞれ工夫を凝らして成功させている人が多いようです。
メリット:資金集めの告知そのものが、宣伝になります。開店前からファンを育成することも可能です。また、投資型でないならば、返済の必要がありません。アクセスを分析することで、効果的なマーケティング戦略を立案することができます。
デメリット:支援者が多いほど、支援者一人ひとりへのリターンに手間がかかります。個人情報の保護も重要であり、管理にコストがかかるでしょう。十分な資金を調達できるまでの時間を予測することが不可能で、数時間で目標額に到達した例もあるようですが、何ヶ月もかかる可能性もあり、開業計画にどのように組み込むか、思案が必要です。また、不特定多数の人にアイデアを公開するということになるため、まねをされる可能性があります。場合によっては、特許の取得を考慮する必要があるかもしれません。
 

開業資金計画のなかに生活費を忘れずに

物件取得費に内装工事費、運転資金と考えているうちに忘れがちなのが、生活していくための費用です。経営が黒字化するまでお店を運営していく費用とともに、自分の生活費も考慮に含めるようにしておきましょう。生活費は、日本政策金融公庫の融資の対象にはならないため、気を付けましょう。
 
 
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

 

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