元気な飲食店と、そうでもない飲食店が２極化しつつあるようです。あなたのお店はどちらでしょうか？コロナの影響がほぼなくなり盛況なお店もあれば、競争や値上げ問題で苦しんでいるお店もあります。
 
お客さまの周りには「いいお店」がたくさんあり、スマホを見ればそれがすぐに見つかります。お客さまは目移りしますから、リピートして頂くのも大変です。今回は「店主さんのファン作り」に効果的なツールと、その中身の作り方をご紹介します。見本と同じツールを作る必要はありません。中身の作り方をマネてPOPやメニューブックに沿えることでも効果があります。店主さんのファンを増やすやり方の参考にしてみてください。
 

お客さまその会話のきっかけを生む！仕掛けブック

こちらが現物見本です。横浜にあるスペイン料理屋さんで実際に使用しているものです。
 

 
この2つ折りブックを各テーブルに設置しています。気づいたお客さまは開いてくれます。中身をみると、右の写真のようになっています。大きく3つのコーナーがあります。この中身の作り方にファン作りのポイントがあります。
 
１：店主さんの想いコーナー
ページの左下は店主さんの想いです。「こんなお店にしたい」という想いに加えて「逆境」を記載しています。想いや志はあるけど、逆境がある。この逆境を記載するのがポイントです。想いに共感を頂けたお客さまにとっては、逆境は「応援」する余地になります。弱みが見えないお店よりも、弱み・逆境がハッキリした方が応援しやすいのです。ただし、お客さまの満足度を下げるような弱みは記載しないでくださいね。
 

〔ファン作りのポイント〕「想いや志」に加えて「逆境・弱み」を記載する

２：店主さんの人がらコーナー
紙面の右上の部分です。お店と関係のない情報ですが、店主さんの好きなものやお店、苦手なことなどを記載しています。仕事面以外の「人がら面」を知ると、親近感を持って頂きやすいです。また、好きな物が共通していたら「私も！」と会話が生まれますし（会話にならなくてもいい）、おすすめのお店として近隣のお店を紹介したら「このお店、私も知ってる！」と会話のきっかけにもなりえます。共通点があると親近感を得やすいです。そのためにはお店以外の話題ってとても有効です。お店以外の情報は売り込みにならないので、自然な会話になりますね。
 

〔ファン作りのポイント〕人がら面を伝えて共通点を発見してもらう

３：アクションのきっかけ。店主のトリセツコーナー
お店の販促物ではあまり見かけませんが、このブックでは「店主のトリセツ」コーナーを設けています。狙いはお客さまの行動（アクション）を促すこと。コミュニケーションのきっかけを作ることです。こちらの見本では「赤ワインを与えるとちょっと陽気になります」と記載されています。ワイン好きの店主さんなのです。この記載をしていることで、お客さまから「一緒に飲む？」「一杯ごちそうするよ」と言って頂けることも実際にあるんですよ。このように、お客さまとのコミュニケーションのきっかけを具体的に生み出す仕掛けにもなっています。
 

〔ファン作りのポイント〕コミュニケーションのきっかけを意図的に設ける 

おまけ

こうしたブックの作り方でもう一つ見本をお見せしますね。こちらは私自身のものです。左左下には4コマを掲載しました。4コマは文字を読むよりも負担なく見て頂くことができます。
 
そして人物写真（見本は私ですが）が飛び出す形式に。ブックを開くと立体的に飛び出てくると、ちょっとしたワクワク感がありませんか？難しい仕掛けではありませんが、ひと工夫するだけで、お客さまの印象を変えることができます。
 

 
いかがでしたでしょうか？飲食業界が活況と言えど、食材の値上がりは続くし、スマホ社会で競合は激しくなる一方。お店に何度も足を運んでもらうためには、ファン作りは重要な要素かと思います。そのヒントになれば幸いでございます。
 
これからも、お客さまに楽しんでもらってますます大繁盛されますように。応援しています！
 
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績：ビジネス書７冊/日経ＭＪ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績：商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く！しかける販促術
 
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