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キッチンカーの営業許可とは?取得する手順や必要な要件、注意点を解説

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キッチンカーで移動販売をする場合、営業許可の申請は不可欠です。申請は管轄の保健所で行います。この記事では、キッチンカーでの営業を考える人に向けて、キッチンカーの営業許可を申請する手順や、営業許可証を取得するために必要なキッチンカーの設備について解説します。キッチンカーの営業許可を取得したい人は、参考にしてください。
 

目次


 

◆キッチンカーでの移動販売には営業許可が必要

キッチンカーの移動販売は、出店するエリアごとに営業許可を取得する必要があります。営業許可証を取得していないエリアでは、キッチンカーを使った販売ができません。
 

◆キッチンカーの営業許可を取得する手順

キッチンカーの営業許可を取得するには、一体どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。ここでは、キッチンカーの営業許可を取得する手順を、5つに分けて詳しく解説します。
 

◇1.キッチンカーを営業するエリアを選ぶ

営業許可の申請は、自宅の住所ではなくキッチンカー販売をするエリアで行います。各自治体に保健所が設置されているため、キッチンカーを営業するエリアの保健所に申請しましょう。キッチンカーの営業エリアが複数にわたる場合は、それぞれの保健所で申請が必須です。そのため、どのエリアでキッチンカーを営業するのかを、事前に決めておく必要があります。
 

◇2.キッチンカーの営業許可に必要な条件を確認する

キッチンカーの営業許可の条件は、どの自治体も違いがなく共通です。しかし、仕込みの許可範囲や仕込み場所の申請方法などをはじめ、申請地域によって細かい条件が異なる場合があります。そのため、キッチンカーを出すエリアがある自治体の条件を、事前に確認しておくとよいでしょう。
 

◇3.営業許可の申請書類を提出する

キッチンカー営業をするエリアの管轄の保健所に、必要な書類を添えて営業許可申請書を提出しましょう。必要な書類は自治体によって異なりますが、ここでは、一般的に必要な書類の例を提示します。
 
・営業許可申請書
・営業設備の大要・配置図
・営業の大要
・仕込み場所の営業許可書の写し
・仕込み場所の水質検査証明書
・キッチンカーの車庫証明・地図
・食品衛生責任者の資格証明書
・車検証のコピー
・排便検査の成績書
 
なお、申請時には、許可申請手数料の支払いも必要です。
 

◇4.キッチンカーの検査日を決める

キッチンカーの検査は、管轄の保健所に車両を持ち込んで行います。事前に日程を調整しましょう。検査時に確認される項目については、後述します。
 

◇5.営業許可証が交付される

キッチンカーの検査を通過すると、営業許可証が発行されます。営業許可証は、3週間以内に公布されることがほとんどです。交付予定日以降に、「営業許可証交付予定日」のお知らせと認印を持参し、保健所で交付を受けます。キッチンカーの営業開始日が交付予定日より前になる場合は、保健所に相談しましょう。
 

◆取得する営業許可の種類

以下では、キッチンカーで営業する場合に必要な営業許可と、届出の記載内容を解説します。
 

◇飲食店経営の営業許可のみ

キッチンカーで営業する場合、飲食店経営の営業許可のみ取得が必要です。2021年6月1日以前は、販売するメニューにより、取得が必要な許可が「飲食店営業」「菓子製造業」「喫茶店営業」などに分かれていました。法改正により、飲食店の営業許可を取得すれば、販売メニューを問わずに営業可能となりました。
 

◇届出に記載する内容

営業許可の届出に記載すべき内容は、自治体により異なります。ここで記載する内容は、あくまでも一例です。
 
・申請者の氏名と住所
・キッチンカーを営業する施設の所在地と名称
・食品衛生責任者の氏名
・営業の形態
 

◆営業許可申請に必要なキッチンカーの要件

営業許可の取得には、キッチンカーが要件を満たしていることが必要です。ここでは、営業許可申請に必要なキッチンカーの要件について解説します。
 

◇冷蔵庫や冷凍庫が設置されているか

要冷蔵や要冷蔵の食材を使用する場合、冷蔵庫や冷凍庫を設置しなければなりません。冷蔵庫には温度計の設置が必須です。食品を十分に収納できる容量を選びましょう。
 

◇洗浄用のシンクが設置されているか

キッチンカーに設置するシンクは、手洗い用と調理器具洗浄用で別々に用意する必要があります。保健所や提供するメニューによっては、食材洗浄用のシンクの設置も求められる場合があります。
 

◇必要量のタンクが設置されているか

キッチンカーで営業する際には、十分な量の水を積んでいる必要があります。使用した水を無断で外部に捨てることは禁止されています。そのため、排水用のタンクも用意しましょう。
 

◇扉がついた収納棚があるか

食器や調理器具、常温で保管できる食材を衛生的に管理するためには、収納棚が欠かせません。キッチンカーには、扉つきの収納棚も用意しましょう。扉はピッタリ閉まることが条件です。
 

◇適切な照明器具が取り付けられているか

キッチンカーには、調理や盛り付け作業、掃除などを円滑に行える十分な明るさの照明器具を取り付けましょう。50ルクス以上と基準を設けている保健所もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
 

◇換気設備が設置されているか

提供する料理や調理方法によっては、煙や臭い、湿気などが発生します。車内に充満しないよう、換気扇を設置したうえで、窓が開く構造にし、十分な換気を心がけましょう。窓には、ホコリや害虫の侵入を防ぐために、網戸を設置する必要があります。
 

◇蓋つきのゴミ箱が設置されているか

臭いや水分が漏れない廃棄物容器(ゴミ箱)の準備も必要です。ゴミ箱は、蓋つきで耐水性のものが適しています。不快な臭いが残らないよう、こまめな掃除を心がけましょう。
 

◆キッチンカーの営業許可を申請する際の注意点

以下では、キッチンカーの営業許可を申請するにあたって、気を付けるべき項目を4つに分けて解説します。
 

◇許可申請はキッチンカーの台数分取得する必要がある

キッチンカーを複数台使用して営業する場合、台数分の営業許可を取得する必要があります。たとえば、3台で営業する場合は、3台分の営業許可を申請、取得しなくてはなりません。
 

◇給排水タンクの容量により提供可能な品目数や容器が異なる

給排水タンクの容量によって、提供できる品目数や提供容器が異なります。各容量別の品目数や調理工程等は、以下のとおりです。
 
・40L:簡易な調理のみ可能。取り扱う品目は1種類で、使用できる容器は簡易容器のみ
・80L:大量の水を要しない、2工程までの簡易な調理が可能。複数品目の取り扱いが可能で、使用できる容器は簡易容器のみ
・200L:大量の水を要する、複数の工程からなる調理と仕込みが可能。通常容器が利用可能
 

◇冷蔵庫や冷凍庫を使用する場合は電源設備の設置も行う

冷蔵や冷凍が必要な食材を利用する場合は、エンジン停止中でも冷蔵・冷凍を続けられるよう、電源設備を設置しましょう。電源は、出店場所から借りる以外に、発電機やポータブル電源も利用可能です。
 

◇仕込み場所の許可申請も行う必要がある

調理の仕込みをする場合、仕込み場所もキッチンカーと同様、許可申請が必要な場合があります。調理したものを販売する形式でキッチンカーの営業申請をした場合、車内で許可されているものは簡単な調理や加熱・盛り付けのみです。その場合、仕込み場所を別で許可申請しておかなければなりません。
 

◆キッチンカーで営業する場合の費用目安

キッチンカーで営業する場合、さまざまな購入費用がかかります。ここでは、それぞれの目安を解説します。
 

◇キッチンカーの取得費用

キッチンカーの取得費用は、中古車か新車かで異なります。レンタル会社やリース会社を利用する場合もあるでしょう。それぞれの費用は、以下のとおりです。
 
・中古車:50万円~120万円ほど
・新車:200万円~
・レンタルやリース:1日8,000円~2万円ほど
 

◇設備・消耗品の購入費用

キッチンカーで営業する場合、提供する料理に合わせた調理器具や食品容器、看板をはじめとする販促物、使い捨て容器などの費用が必要です。それぞれの目安は、以下のとおりです。
 
・鉄板:3万円~10万ほど
・ケバブマシーン:7万円〜8万ほど
・紙皿や紙コップ:100個で400円ほど
・看板:3,000円〜2万円ほど
 

◆営業許可以外に食品衛生責任者の取得が必要

キッチンカーの営業には、食品衛生責任者の取得も必要です。以下では、食品衛生責任者の概要と取得方法を解説します。
 

◇食品衛生責任者とは

食品衛生責任者は、食品取扱施設に設置が義務付けられている資格です。衛生管理の中心の役割を担い、主に、食中毒が起きないよう食品衛生法にのっとり、施設での食品衛生を管理・実施を行います。
 

◇食品衛生責任者の取得方法

食品衛生責任者の資格は、食品衛生責任者の養成講習会を受講することにより、取得できます。講習会は集合形式で、1日かけて行われますが、地域によってはeラーニングも選択可能です。なお、以下に当てはまる人は講習の必要はなく、申請すれば食品衛生責任者の資格を取得できます。
 
・食品衛生管理者または食品衛生監視員の資格を持つ人
・医療職の一部(医師、歯科医師、薬剤師、獣医師)
・栄養士や調理師、製菓衛生師
・船舶料理士
・食鳥処理衛生管理者
・普通職業訓練の「調理科」を修了した人
 

◆まとめ

キッチンカーで営業する場合、出店するエリアの管轄の保健所に営業許可申請を行わなくてはなりません。必要な書類や記載内容は、各自治体によって異なるため、事前に確認する手間も必要です。また、冷蔵設備やタンク、扉つき収納棚など、必要な設備要件を満たしたキッチンカーを点検日までに準備しなければならず、事前準備に手間がかかると思うかもしれません。
 
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飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

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