繁盛店への道

最低限おさえておくべきSNSの基本 by FOODEDITOR

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フードプランニングユニット「FOODEDITOR」と考える飲食店のPR企画 Vol.3

 
SNSのあり方、仕組みもどんどん進化していく中で、時代の波に乗ろうとしてもそもそも、それが飲食店に必要なのか?集客するために、本当にSNSが必要なのか?飲食店のSNS発信がどうあるべきなのか?考えれば考えるほど、疑問も湧いてくる。
 
今回は、FOODEDITOR の二人がそれぞれヒアリングしたインフルエンサーからの生の声から学んだことをシェアします。進行は、編集責任者の川瀬亮太(ルーテージ株式会社)。
 


 

 
FOODEDITOR YUU(以下Y):いやーーー、いろいろ聞けば聞くほど、知れば知るほど、SNSってどんどん進化していて、その進化を追うのは大変なことと実感。最近個人的にInstagramを実験的にコツコツ投稿してますけれど、自分でやってみても、それはかなり地味な作業だなーとも思ってます。でも、やっぱりそのコツコツをやれるかやれないか?で相当差がつくということも解ってきた気がします。
 
FOODEDITOR TOMOMI(以下T):わたしは、3名がログインきるようにしているアカウントがあり、週に一度交代しつつUPするというルールを決めて更新していた時期がありました。自分だけでUPするよりは、責任感や当番という認識が強く生まれたのはよかったと思いますね。
ただ、最近は、SNSにプロの画像をのせて、HPとしての役割を投影しているお店もでてきていますよね。本当に正解が一つではない世界になっていると思います。
 
川瀬:当番制は良いですね!ただ自分もそうなのですが「何故そこまでして更新をすべきなのか」が腑に落ちていなかったり、反響が伝わってこないと、モチベーションが落ちてしまいがちです。
 
Y:アメリカで活躍しているインスタグラマーの友人からのアドバイスで、InstagramのCEOの@mosseri @Instagramforbusiness をフォローしはじめ、最近の傾向を早くキャッチしようとみていますが、最近は、とにかくリール。
 
リールにアルゴリズムが引っ張られるように設計されているそう。これは、やはりTikTokの影響が大きいし、facebookがInstagramを買収したこともあり、Instagramとfacebookでアカウントを持っていて、両方のアカウントでリールやストーリーの動画を投稿している人が、表示ポップアップも盛んになるように設計されているそう。
 
でも、これも「今は」とういうことなので、いつ、どう変化するかは誰もわからないし。その突然の傾向を追っていって、飲食店としてどれくらい意味があるのかな?というのは疑問です。
 
T:日本でもかなり浸透しているのは、投稿画面に文字を入れて、スライドにしたり、動画にしているパターン。もはやWEBサイトと同じ役割になってきていると思います。Z世代のお店選びはほぼ、インスタですから。そこを無視する理由はありませんよね。
 
Y:例えば、「2022年の忘年会におすすめの店TOP5」とか「この秋おすすめのスィーツ5選」とか。ここでいうビジネスとは、フォロワー(ファン)を増やし、彼らとの関係を密接にする=関心をひくということ。
ただ「綺麗」「かかわいい」「美味しそう」という、いわゆるシズル感のある「映え写真」を投稿していればフォロワーが増えるというのは、ひと昔前の話。そこかから更に進化して、ぱっと見で必要な情報を提供しているインスタグラムが人気になるという傾向。
これも、写真に埋め込んだ文字からのアルゴリズムが組み込まれた時点で、アメリカ本部が流行るように仕掛けている訳です。
 
川瀬:お店であれば、そこが集客になるのでしょうけれど、そうした発信でうまくいっているお店であるのでしょうか?
 
Y:正直、日本では少ないと思いますね。圧倒的に海外も日本もそうしたバズるSNSを駆使して、人気を得ているのは、個人のインフルエンサーが多いです。
とはいえ、今はSNSから予約や問い合わせが多い時代なので、レストランもfacebookとInstagramを整えていくのが良いと思います。地道な日々の努力も必要です。お客様を向かい入れる時に、掃除をしたり仕込みをしたりするのは、当たり前。日々の必須業務として考えられるか否かで集客は変わると思います。
 

人気SNSの事例をご紹介

日本:高太郎 @kotaro_shibuya
★英語表記もあるので、海外へ向けての発信力もあり
 
日本:The Little Baker Tokyo @thelittlebakerytokyo
★メッセージを記載せず、写真とハッシュタグだけの発信
 
日本:アマムダコタン @amam_dacotan
★写真のトンマナ統一と、お客様に話しかけるようなメッセージが魅力
 
サンフランシスコ:Wise sons @wisesons
★フォロワーにいいね!をきちんと対応しているのもGOOD
 
サンフランシスコ:State bird Provision @statebirdprovisions
★スタッフの表情からのお店のイメージがつたわる
 
Y:前回でもお伝えしましたが。ただただ日々のことを、統一感を持って投稿をしていくのではなく、計画性を持った方がいい。デザイン、投稿内容、投稿時間、ペルソナを想定した投稿(言葉の使い方など)は、最低限計画した方がいいと思います。
 

 
Y:フォロワーを買うということもできますが、「個人のフォロワーを買う」という行為は、流石に抵抗があるけれど、実は飲食店こそ、AIアプリでフォロワーを増やしたり、広告を出したりと言うことが効いてくるそう。
秘境にある温泉宿が世界から訪れる外国人観光客にバズったりする時代。集客ができなくて「場所が悪い」とか「見つけにくい」は、今や言い訳でしかなく。ヴァーチャル上での集客努力こそが、見込み客との出会いの鍵であることは間違いない気がします。
 
川瀬:ハッシュタグって、効果どれくらいあるんでしょう?なかなか付け方がわからないし、何がいいのか?と。
 
Y:海外では。ある程度人気になってしまったレストランは、ハッシュタグなしというお店も増えています。もう勝手に、来たお客様やインフルエンサーが広めてくれるというふうになったら、それは潔くて、見え方としては、かっこいいです。でも、いきなりそんな訳にはいかないので、30個までつけられるハッシュタグですが、10から15個くらいはつけても良いそう。あまり多いのも逆効果だそう。
 

ハッシュタグとは?<解説>

ハッシュタグは、「ビッグワード」「ミドルワード」「スモールワード」に分けられます。実は、ハッシュタグを検索するときに、その違いがわかるようになっています。
 
〇ビッグワード:月間検索ボリュームが10,000以上のキーワード
例)#渋谷居酒屋 #新宿ランチ #イタリア料理 #居酒屋
〇ミドルワード:月間検索ボリュームが1,000〜10,000までのキーワード
例)#渋谷おしゃれ ワインバル #ハッピーアワー 恵比寿
〇スモールワード:月間検索ボリュームが1,000以下のキーワード
例)#代々木上原で最近できたお店 #焼売がめちゃおいしい渋谷のお店
 
ビッグワードは、そのワードを使っているユーザーが多いため認知度は高い一方、あまりにも広い意味を持つため、なかなか検索でみつけられにくいと思います。そのため、ミドルワードとスモールワードを組み合わせて使う方が良いとも言われています。全体の投稿数がビックワードほどではないものの、より具体性が増しポイントを絞った検索をされる際に見つけられやすいようです。
 
さらにこんな見解も。フォロワー数に応じて、投稿が埋もれてしまわないようにするため、ハッシュタグ投稿階層を決めた方が良いとか。フォロワーが少ないうちは、ランクがスモールやミドルの ハッシュタグを選ぶと、より自分たちに近いフォロワー、ファンが獲得できるのです。
 
●フォロワー5000人以下の場合
ビッグワード:載せない
ミドルワード:5個
スモールワールド:10個
 
●フォロワー5000人以上の場合
ビッグワード:5個
ミドルワード:5個
スモールワード:5個
 
T:インスタは予約投稿も可能ですよね。なので、タイムリーに上げるというものもあれば、情報として他事に振り舞わされないとうに予約してしまうのもありかなと。
 
Y:まずは、投稿を続けるということを決める。365日1回投稿することを決めると、ゆるやかに3、4人のフォロワーが毎日増え出していきます。1ヶ月投稿を続けて、1ヶ月終わった時に、インサイトを見て傾向を分析する。そして、次の1ヶ月は軌道修正して毎日続ける。
店のお客様との相互フォローもとても大切。わざわざ訪れてくれているお客様なのだから、その感想を聞きながら、お店のアカウントをフォローしてもらう。
 
T:接客が得意なスタッフがいるとそこはスムーズにいきますよね。先日もLINE登録のアプローチがスムーズなお店があって、つい登録しちゃいました。あと、LINEのスタンプカードも意外に影響があったりします。
 
Y:カジュアルなお店なら、店頭のレジやショップカードでアカウントがあることを伝え、フォローをしてくれたらドリンクやデザートをプレゼントなどの施策をしても良いと思いますね。ファインレストランなら、店頭でなかなかアカウントQRなどを出せないでしょうから、料理や店内の写真を撮影しているお客様がいたら、声をかけて、お店のアカウントをタグ付けしてもらったり、フォローをお願いしたりするのは、良いと思います。
 
川瀬:フォロワー数が多いお店、集客に成功しているお店はちゃんと努力しているのですね。ようやく腑に落ちてきました(笑)。せっかく作ったアカウントも運用できていないと逆にマイナスイメージになってしまいます。これからアカウントを作るお店は、今回ご紹介したアカウントを参考にしてみて下さい。
 

FOODEDITORとは

どんな時にも変わらない視点は、「おいしい体験を楽しく伝えたい」「魅力あるものをより広く伝えたい」ということ。 印刷物やウェブの編集、イベント企画、フードPRやブランディング…etc. 様々な企画/編集した経験を独自の媒体(イベントやWeb)を通して、 より自由に楽しく発信していく、フードプランニングユニットです。
 

 

 

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