もう「美味しい」だけでは集客できない。コロナ開けに先手を取る価値の作り方。
コロナが落ち着いても「以前の日常・以前の売上に戻る」ことは、考え難いですよね?お客さまの行動パターンが変わりましたから、それに合わせないと売上を伸ばすどころか戻りもしないはずです。
今日の記事は【商品を大切にしている】商人さんほど価値を出せる内容です。ぜひ参考にして繁盛の弾みにしてください。
お客さまの周りは「いいお店」「美味しい食べ物」がたくさんあります。だから、お店が「美味しい」だけを売りにしていては、お客さまは何度も足を運んでくれません。
美味しい料理を提供しているのであればこそ【もっと価値が高まる仕掛け】【もっと喜びが濃くなる仕掛け】を意図的に加えましょう。お客さまの【満足度】が高まり【記憶に深く刻まれる】ようになります。その結果、リピートや口コミに繋がります。
私がお仕事をご一緒している飲食店での取り組み実例に、説明させてください。
1)いい品ならば【語れる化】すべし。
こちらのお店の人気メニューは「メンチカツ」で、これを【名物化】しようと取り組んでいます。
とても美味しいメンチカツですが「美味しい」だけでは「人気メニュー」止まりです。名物にするには、多くのお客さまが【語って】くれることが大切ですので、【語れる体験】を意図的に提供するように取り組んでいます。
口コミなどを考えるときに、カン違いをしてはいけないのが【こだわり】はそんなに語られないということです。お店は商品を大切にしているし、想いをもって作っているから、こだわりがあります。でも、お客さまはこだわりを語りたいわけではありません。
お客さまが語りたくなるのは、
●語ったら、場が盛り上がる話
●語ったら、相手が喜ぶ話
●語ったら、自分が上がる話
です。そのような体験を意図的に提供していきます。先方の社長や社員さんと作戦会議を経て、進んでいるのがこのあたりです。
1:提供してから、食べるまで1分待って頂く
熱を芯まで通すまでの時間ですが、お客さまにとっては焦らされる時間になります。これは「1分待たされる」という体験になります。
2:箸づかみ→手づかみに
現在は、お皿に盛って提供しています。お客さまはお箸で割ったり切ったりして食べます。それを手づかみ形式に変更。今は包み紙の企画を進めています。手づかみをすると【手の感触】が残ります。ゴツゴツした衣や重量感、熱も感じる。手の感触は脳の記憶にも直結するそうです。(脳科学マーケティング本より)
3:おひとり様1個までに
「おひとり様1個まで」とメニューに書かれていたら、気になるものです。元々メンチカツの注文予定でなかったお客さまの注文も期待できますし「一人1個に限定するほど人気なんだ」という印象も残るでしょう。仮に注文時に【売り切れ】だったら、それも体験になります。
2)体験は意図的に設計するべし。
こうした体験の設計は【意図的】に行うべきです。「美味しいものを作る」「がんばる」だけでは、売上が伸びない時代に入っています。
下記は体験設計の概念図見本です。お客さまがお店やメニューに気づいてから興味を持ち、注文をして食べて口コミをするまでの流れを設計したもの(見本)です。こちらの図もぜひ参考にして、お客さまの体験設計をして、価値を高めて下さい。
「美味しい料理」を提供しているのであれば、【体験を設計】して【語れる化】しましょう。お客さまの満足度が上がり、記憶に刻み込まれ、リピート利用や口コミ促進になっていきますから。
この考え方は、コロナ禍と言う意味でなく【令和では】とても大切になると思われます。まだここまで踏み込んでいるお店は多くありません。ぜひ先手を取って繁盛の弾みにしてください。
いかがでしたか?飲食店の営業は大変な時期が続きますが、だからこそ変革をしていきましょう!まだまだやれることはたくさんある!
まじめな商人さんが報われるよう願っています!今日も明日も大繁盛されますように。
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
◇繁盛店への道 最新記事はこちらから
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