渋谷駅で飲食店を開業「学生の遊び場×オフィス街。2層のターゲットが狙える街」 渋谷駅編 part2 〜宮益坂・美竹通り〜
渋谷駅調査の第2弾。今回調査するエリアは、渋谷駅から原宿、表参道方面に伸びた北東側のエリアです。このエリアは、青山学院大学をはじめさまざまな学校施設があるほかに、ベンチャー企業や大型企業の本社などもあり、学生と社会人が入り混じる場所でもあります。そんな渋谷・北東エリアをさっそく見ていきましょう!
渋谷・基礎情報
乗り入れている路線▼
東急東横線 – 東京メトロ副都心線
東急田園都市線 – 東京メトロ半蔵門線
東京メトロ銀座線
京王井の頭線
JR山手線
JR湘南新宿ライン
JR埼京線
近辺の主な主要都市▼
新宿駅(電車で約5分)、表参道駅(2分)、原宿駅(2分)
商業施設・チェーン店情報▼
・駅周辺スーパー…ナチュラルマーケット、九州屋
・飲食店チェーン店…ゆで太郎、KUA AINA
イベント▼
・渋谷・鹿児島おはら祭り(5月)
・渋谷横丁夏祭り(7〜8月)
・渋谷金王八幡宮例大祭(9月)
・青の洞窟SHIBUYA(12月)
2つの玄関口「宮益坂口」と「東口」
渋谷駅の北東側の玄関は、東口と宮益坂口の2箇所です。それぞれ、駅構内を通して反対側の西口・ハチ公口へとつながっています。
こちらは東口です。東口を出るとすぐ右側に、渋谷スクランブルスクエアの入り口があります。
こちらは宮益坂口です。こちらは東口より少し北側に位置しており、目の前に宮益坂、右手に渋谷スクランブルとヒカリエが並んでいます。
東口には、バスターミナルがあります。ここからは、池袋・早大正門方面に向かうバスが通っています。ヒカリエの下には東急バスの乗り場があり、そちらは洗足駅・五反田駅方面に向かうバスが通っています。
渋谷再開発の開幕と終幕を担う「渋谷スクランブルスクエア」「渋谷ヒカリエ」
▲写真右:渋谷スクランブルスクエア、写真左:渋谷ヒカリエ
東口を出てまず目の前にそびえ立つのは、渋谷スクランブルスクエアと、渋谷ヒカリエです。どちらも渋谷駅再開発の流れでオープンした商業施設になります。
渋谷スクランブルスクエアの方から見ていきます。渋谷スクランブルスクエアは渋谷駅のすぐ上に位置しており、地上47階建ての複合施設です。2019年の11月1日にオープンし、現在完成しているのは東棟になります。2027年には、中央棟・西棟の2つのビルも完成予定になっており、渋谷駅周辺の再開発のフィナーレを飾ります。
1階は、JR東日本の駅ナカ業態「エキュート」の新ブランド「エキュートエディション」が展開されています。手土産を購入する人が多く出入りしており、内装も現代的で、洗練されたデザインです。
下に進み、地下1階は「Gourmand Market KINOKUNIYA」のフロアになっています。イートインスペースがあり、焼きたてのパンなどを楽しむことができます。調味料、酒類、おつまみなどの品揃えが充実しており、海外の輸入商品も多く取り扱っています。
地下2階は惣菜フロアとなっています。弁当や、量り売りの惣菜、サンドウィッチなどが並んでいて、デパ地下に近い雰囲気です。こちらもイートインスペースもあり、平日の昼間でも満席の混み具合でした。
12階、13階はレストランフロアになっています。12階は1店舗のみ改装中になっていましたが、「しゃぶしゃぶつかだ」、中華料理屋「Gu-O」、地中海料理屋「CARVAAN TOKYO」など、幅広いジャンルの店舗が揃っています。調査日は平日の日中でしたが、13階の方が少し人通りが多い印象でした。
全体的に黒で統一されており、シックな雰囲気になっています。また、12階と13階は吹き抜けの構造になっていて、開放感を感じます。13階にあるうどん屋「つるとんたん」は渋谷の街並みが一望できる窓際の席があり、特に行列ができていました。
次に見ていくのは、渋谷ヒカリエです。渋谷ヒカリエは2012年にオープンし、渋谷の再開発の火蓋を切った存在でした。
▲地下3階 東横のれん街
地下2階、3階の東横のれん街には、広いイートインスペースがあり、購入したお弁当を食べたり、社員さんの休憩スペースなどに利用されています。持ち帰るだけではなく、その場で食べて楽しむこともできる場所になっています。地下街の人通りは渋谷スクランブルスクエアに比べると若干落ち着いており、ゆっくりと買い物をしたい人にはおすすめです。
宮益坂・坂上エリア
渋谷駅から表参道方面へと上り坂になっているのが、「宮益坂」です。
宮益坂には「宮益御嶽(みたけ)神社」というものがあり、毎年11月になると「酉(とり)の市」というお祭りが開催されています。酉の市は毎年11月に3日間開催されるお祭りですが、コロナ禍になってからは開催日を減らしていました。2022年からは開催が復活し、一の酉、二の酉、三の酉の3日間開催していました。毎年お祭り当日は、熊手商や露店なども出店し、賑わいを見せています。
学生の遊びスポットも充実
▲東京スクールオブミュージック専門学校
今回の調査エリアは、青山学院大学や国際連合大学があるほか、大小さまざまな専門学校があります。
▲東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
▲青山ヴォイス・メイクアップアカデミー
そのため、近くにはボーリングやダーツバーなど、学生が利用するような遊べる施設も充実しています。
こちらは宮益坂にある、「カレイド渋谷宮益坂」という地下4階地上6階建の施設です。ここには、ビリヤード、ダーツバーなどの店舗があり、「土間土間」や「てけてけ」などのチェーン居酒屋も併設していて、遊びながらコスパ良くお酒も飲めるスポットとなっています。
宮益坂口を出てすぐの場所には、「カラオケ ビッグエコー」や「タイトーステーション」などのゲームセンターがあります。ちなみにこのビックカメラの7階と9階には、映画館「渋谷TOEI」があったのですが、2022年12月に閉館しました。1953年に開館してから長い歴史を持つ映画館でしたが、2023年から「Bunkamura ル・シネマ渋谷宮下」として、新たにオープンします。
「渋谷TOEI」はなくなってしまいましたが、そのほかにもこのエリアにはカルチャースポットがいくつかあります。1つが宮益坂上にある「シアター・イメージフォーラム」です。2つのミニシアターで構成されている小さな映画館ですが、独特なラインアップが上映されるのが特徴で、映画好きが集まる場所となっています。
こちらは、渋谷ヒカリエの8階にある「クリエイティブスペース8/(はち)」です。かつてヒカリエが建つ前に存在していた渋谷東急文化会館の、“新しいクリエイティブを生み出す文化”を受け継ぎ、誕生したフロアになっています。中央にあるコートを中心に、書店、ギャラリーやミュージアムなどが周りを固めています。コートはクリエイティブスペースとして、さまざまなイベントや展示会が開かれています。
遊びスポットと混ざり合うオフィスビル
学生が遊べるスポットがある中で、企業の本社やベンチャー企業なども混在しているのが、このエリアの特徴です。こちらは、写真手前から「シブヤボウリング」「カラオケ館」です。その奥には、野村證券のオフィスが並んでいます。
▲写真右:キューピー本社
美竹通りに向かっていくと、キューピーの本社や34階建てのタワーマンションがそびえたっています。このエリアには大型企業の本社やオフィスのほかに、ベンチャー企業が利用するコワーキングスペースなども、いくつか点在しています。
こちらは、宮益坂にあるレンタルオフィス「クロスオフィス渋谷」です。「クロスオフィス」はオリックスが運営しているコワーキングオフィスで、駅から徒歩1分の場所にあり、24時間利用可能となっています。左側には老舗北京料理店「天厨菜館(テンツウサイカン)」があります。
こちらは同じく宮益坂にあるイノベーションハブ「VEIL SHIBUYA」です。こちらは2021年にビルをリノベーションして建てられた施設になり、スタートアップ企業やクリエイターなどが集う交流の場となっています。
宮益坂のグルメに注目
次に、飲食店について見ていきます。宮益坂を入ってすぐのところにあるのは、「東京たらこスパゲティ」です。出し汁で食べる、税込979円の炙りたらこのお出汁スパゲティが人気で、こちらは1号店になります。2020年の7月に表参道に2号店、2022年4月には南池袋に3号店を出店しています。
パスタ店はほかにもあり、宮益坂を進んでいくと見えるのが「生パスタ専門店 麦と卵」です。こちらは「イタリア料理クッチーナ」などを展開している株式会社イーストンが運営しており、北海道産の小麦粉や卵を使用しています。となりにあるのは、「牛かつ もと村」です。小鉢がついた定食がメインになっており、渋谷のほかに池袋や大阪難波、福岡にも出店しています。昼ごろはかなりの行列ができていました。
こちらは半地下の店舗が並んでいるスポットになり、その中でも2011年に開店した「ウーピーゴールドバーガー」は知る人ぞ知る隠れ家名店です。旬菜バー「しばらく」や中華料理「一番」などの店舗と一緒に並んで、半地下グルメストリートを作り上げています。
宮益坂を登りきったあたりにあるのが、韓国屋台「ハンサム」です。2023年1月にオープンし、渋谷で7店舗目となります。店内は韓国屋台を再現しており、4種類の味でチキンが食べられるUFOチキンや、サムギョプサルが用意されています。どちらも1人前税込1,078円(※ご注文は2人前から)と、リーズナブルな価格設定です。
美竹通りエリア
次に、宮益坂上からMIYASHITA PARKをつなぐ、美竹通りを見ていきます。美竹通りは約18kmとそこまで長い通りではありません。宮益坂上側から見て奥半分に渋谷区役所や美竹公園があり、手前半分に飲食店が集中して並んでいます。
こちらは、カレー専門店「もうやんカレー246」です。ランチビュッフェは税込1,575円でカレーが食べ放題になっています。ビュッフェスタイルが特徴のカレー店で、好きなルーや具材を好きなだけ楽しむことができます。
美竹通りをさらに進んでいくと、本場の江戸前寿司が味わえる「仲野」があります。以前ここには「くろ﨑」という鮨店があり、青山へと移転したタイミングで「仲野」が開店しました。「仲野」を構えているのが、「くろ﨑」で2番手として働いていた仲野さんです。本格的な江戸前寿司の店舗で少し高単価ですが、現在は予約困難になるほどの人気店です。
美竹通りに面した飲食店も見ていきます。こちらは、アメリカンカフェ「MOJA in the HOUSE(モジャインザハウス)です」。店内はカラフルでヴィンテージ家具が並び、ヨーロピアンな雰囲気です。ワッフルチキンが名物になっています。地下には、2021年にオープンした「渋谷近未来会館」というクラブハウスもあります。
こちらは2022年4月にオープンした、ホテル「all day place shibuya」です。ホテルの中には、デンマークからやってきたクラフトビールバーや、「GOOD CHEESE GOOD PIZZA」 というイタリアンレストランがあります。
MIYASHITA PARKエリア
最後に紹介するのは、これぞ若者の聖地となったMIYASHITA PARKです。TikTokやInstagramの配信、MVやYouTubeの動画を撮影している様子もよく見かけるスポットです。MIYASHITA PARKは2020年7月に宮下公園からMIYASHITA PARKへとリニューアル。新たに90店舗が出店し、より発信力のある場所へと進化しました。建物は“NORTH”と“SOUTH”の2つに分かれており、1階〜3階がショッピング・レストランフロアになっています。4階はパークフロアになっており、ボルタリングウォールやスケート場があります。
1階にはTikTokクリエイターが自由に使える空間である「TikTok Community Base」が2022年末までの期間限定でオープンしていました。
3階のSOUTHエリアはフードホールとなっており、マクドナルドをはじめ6店舗の飲食店が入っています。全体的にアメリカンダイナーのようなポップでカラフルな雰囲気でまとめられていて、客層は10代〜20代の若者でほぼ埋まっていました。
同じく3階のNORTHエリアは、通路に沿って飲食店が入っています。フードホールに比べて少し高めの年齢層をターゲットにしたバルや居酒屋、レストランが並んでいます。
SOUTHエリアの1階には、渋谷横丁という居酒屋が並んだ通りがあります。全部で19店舗の居酒屋が入っており、北海道から九州まで全国を網羅するように、それぞれの地方の店舗が並んでいます。年齢層が若いお客さんが多く、全体的に賑やかな印象です。
MIYASHITA PARKから少し駅の方に歩いて行くと、JR沿いにあるのがのんべい横丁です。渋谷横丁よりも規模は小さいですが、渋くて味のある居酒屋が集まっています。入れる人数はどこも5〜10人くらいまでの規模感になっており、店主さんとの会話を楽しんだり、仕事帰りにしっぽりとひとり酒を楽しむ人が多い印象です。
おわりに
今回は渋谷の北東エリアを調査しました。よりコアなカルチャーを色濃く感じられる場所もあり、学生が遊べるところもありつつ、大人が楽しめる飲食店もあり、渋谷ならではのエネルギッシュさと上手くバランスが取れているエリアだと感じました。
飲食店開業応援マガジン RESTA [レスタ] では、渋谷で出店された方のインタビューも掲載しています。
ぜひ参考にしてみてください!
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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