神田で飲食店を開業「老舗の名店とガード下の大衆居酒屋がならび、はたらく人々を癒す街」神田駅編
今回の舞台は神田駅です!神田は、東京駅と秋葉原駅の間に位置するエリアになります。オフィスビルが集まっており、昼夜関係なく常にたくさんの会社員が行き交っています。飲食店に関しては、昔から名が知られている老舗スポットがあったり、商店街も健在。ガード下には大衆居酒屋が並んでいたりなど、さまざまなスポットがあります。そんな神田エリアの“今”を、調査していきましょう!
神田・基礎情報
乗り入れている路線▼
JR中央線
JR山手線
JR京浜東北線
東京メトロ銀座線
近辺の主な主要都市▼
秋葉原駅(電車で約2分)、東京駅(2分)、御茶ノ水駅(2分)
商業施設・チェーン店情報▼
・商業施設…マーチエキュート神田万世橋、KANDA SQUARE(神田スクエア)
・飲食店チェーン店…らあめん花月嵐、肉汁餃子のダンダダン、つけ麺専門店 三田製麺所
イベント▼
・神田祭(5月)
神田川を眺めながら街並みを楽しむ。神田駅北口エリア
神田駅は、東西南北の4つの出口があります。まずは北口方面から見ていきましょう。北口を出ると、靖国通りと神田川があり、その先は秋葉原方面になります。
こちらは、多町大通りと神田警察通りの交差点です。飲食店というよりは、オフィスビルが一帯を占めています。駅から交差点にかけて、「カフェ・ベローチェ」、「スターバックス コーヒー」、「サンマルクカフェ」、「ドトールコーヒーショップ」などのチェーン店のカフェが揃っています。カフェの店内では、ノートパソコンを持ち込んで作業をしている人や、ちょっとした休憩に利用するサラリーマンがほとんどでした。
このあたりには「まいばすけっと」が2店舗あります。利用客はカフェ同様、スーツ姿の会社員の方が多いです。「まいばすけっと」の営業時間は、神田駅北口が7時〜24時、神田鍛冶町店が7時〜23時でした。かなり近距離に2店舗のスーパーが存在します。
このあたりはチェーン店のカフェが揃っているエリアになりますが、個人経営の喫茶店もあるので、詳しく見ていきましょう。この草木が生い茂っている店舗は、「高山珈琲」です。平日13時ごろ訪れると、2〜3人ほど並んでいました。店内でのPCの利用は不可です。こちらは、現在は閉店している「カフェ・ル・グラン」に勤めていた高山さんが1994年にオープンした喫茶店になります。店内のデザインは、高山さんがすべて手がけたこだわりの内装です。
こちらのカフェは、2019年にオープンした「LEON’S COFFEE」です。店内はかなり広々としており、立食形式だと70名近くの貸切予約にも対応できます。また、テレビや映画などのロケ地として使用されることも多い店舗です。セミナーやイベントなど、カフェ以外にも多様な利用がされています。
早川書房の本社1階の「サロンクリスティ」です。「サロンクリスティ」は、早川書房本社の改装計画に合わせ、2023年2月にリニューアルしました。ベーカリーも併設しているので、軽食も楽しむことができます。平日の10時〜18時までは「喫茶室クリスティ」、平日の18時〜22時は「PUBクリスティ」、それ以外の日程ではコワーキングスペースとなる「執筆室クリスティ」になることもあり、この3形態のスタイルが早川書房のクリスティの特徴になります。
神田川の方に進んでいきます。「明神の湯 ドーミーインPREMIUM神田」、「住友不動産神田ビル」、「秋葉原ダイビル」などが目立ち始めます。
神田川沿いに伸びているのが、「マーチエキュート神田万世橋」です。2013年に商業施設としてオープンし、万世橋の高架下に店舗が出店しています。歴史ある旧万世橋のかたちを保ちながら作られた商業施設です。現在は工事中のため、奥の区画へは、川沿いのデッキを通って行くことができます。
「マーチエキュート神田万世橋」には、RESTAで以前紹介した「Low-Non-Bar」もあります。
神田川周辺で注目したいのが、万かつサンドで有名な「肉の万世」秋葉原本店です。赤提灯が目を引くこちらの物件は、2階がステーキハウス、3・4階が洋食の万世、5階が黒毛和牛肉が自慢の焼肉店、万世牧場と、ビルのすべてが肉の万世のフロアです。こちらが肉の万世の本店であり本社です。肉の万世は1949年に秋葉原で誕生した飲食店で、本店以外には27店舗出店しています。
歴史的な価値が残る老舗の名店エリア
神田川から離れ、靖国通りの方面に戻ります。神田須田町に来ました。このエリアは、昔ながらの老舗の飲食店が集まっているスポットになります。飲食店以外にも、普通の住宅も含め、昔ながらの建築物がたくさん残っています。
燻製居酒屋「けむり」
このあたりの物件は戦争の被害が少なく、昭和の時代の街並みがそのまま現存しています。いくつかの物件は「千代田区景観まちづくり重要物件」に指定されています。
こちらの行列は、「神田まつや」です。1884年に創業した、老舗そば屋になります。こちらが本店になりますが、吉祥寺の東急百貨店にも出店しています。現在は、小高家が4代目の店主として、「神田まつや」の名を守り続けています。
こちらも同じく、老舗名店のそば屋「かんだやぶそば」です。1880年に創業し、藪蕎麦御三家と呼ばれるうちの1つです。御三家のうちのもう1つは、浅草にある「並木藪蕎麦」。もう1つは、文京区にある「池の橋藪蕎麦」です。しかし、「池の橋藪蕎麦」は2016年に閉店してしまいました。
こちらは、あんこう料理専門店の「いせ源」です。1830年に創業した老舗の名店です。もともとは鍋料理屋として営業をしていましたが、あんこう鍋が人気を博し、大正時代にはあんこう料理専門店として知られるようになりました。現在の店舗は1930年に建て直したものになり、東京都選定歴史的建造物に選定されています。
須田町から少し離れ、司町の方に足を伸ばします。こちらは居酒屋「みますや」です。1905年に創業し、日本で1番古い居酒屋はどこかと問われると、必ず名前が上がってくる老舗居酒屋です。オープン前には行列ができるほどの人気で、入店するには予約が必須です。11時半〜13時半にはランチ営業もしており、何種類かの定食を楽しむこともできます。
神田はオフィスがたくさんあり、会社員がランチをしに集まっている飲食店もいくつか見かけました。こちらは立ち食いそば屋「六文そば」です。街角に店を構えており、ダシのいい匂いが漂ってきます。店内が満席のため、外で食べているお客さんもちらほら見えます。さまざまな種類のそばのメニューがありますが、値段は400円前後とリーズナブル。回転も早いので、ランチを早く済ませたい会社員の方に人気です。
ランチの行列ができていたこちらの店舗は、「つけめん金龍」です。2021年に創業した「つけめん金龍」は、水原裕満さんが代表を務める株式会社イノセンスが出店している店舗になります。特製鰹昆布水つけ麺が目玉商品です。
過去の水原裕満さんのインタビューはこちらをチェック!
こちらはうどん屋「香川一福」です。香川県丸亀市にある「なかむらうどん」で修行を積んだ店主が開業しました。神田が本店になりますが、ほかにも恵比寿、亀戸、みなとみらいなど、神田以外には全国に11店舗出店しています。神田は全体的に、ランチに適した麺類の飲食店が充実しているように感じます。
大衆居酒屋が所狭しと並ぶせんべろ地帯。ガード下・西口商店街エリア
最後に西口方面を見ていきます。西口を出て目の前には、西口商店街の入り口のアーケードがあります。
神田駅の周辺は、須田町や司町のような歴史を感じるエリアに比べ、大衆居酒屋やダーツバー、カラオケ、ガールズバーなどがある、雑多な繁華街という印象です。
西口商店街を進んでいきます。商店街の長さは約300mとそこまで長くはないものの、チェーン店から個人店までさまざまな飲食店が隙間なく店を構えています。また、朝8時〜9時半、昼11時半〜13時半、夜17時〜19時半の3回は車両が通行止めになるので、歩行者天国となります。
「らあめん花月嵐」
「神田ラーメンわいず」
写真奥「神田麺屋武蔵神山」、写真手前「らーめん谷瀬家」
西口商店街には、チェーン店の「らあめん花月嵐」、濃厚な家系ラーメンの「神田ラーメンわいず」、焼豚が1本丸々乗ったラーメンが有名な「神田麺屋武蔵神山」、2022年12月にオープンし、新橋に1号店を構える「らーめん谷瀬家」など、ラーメン屋がいくつも点在しており、神田駅周辺の繁華街は、ラーメンの激戦区です。
また、商店街には新たに出店している飲食店もありました。こちらは「屋台酒場バッテン」です。スナックなども入っている建物の、2階に店を構えています。2023年3月にオープンし、台湾や韓国料理を中心としたネオ居酒屋として展開しています。
最後に神田の特徴でもある“ガード下”の居酒屋を見ていきます。ガード下には小規模の居酒屋がびっしりと並んでいます。店舗数が多いので、毎日出勤しているビジネスマンから見ても、飲み歩きに飽きが来ないほどの飲食店数です。
こちらは神田駅南口を出てすぐのガード下にある、「神田屋」です。2018年にオープンし、写真奥にも写っている「テング酒場」を出店している株式会社テンアライドが運営しており、現在同社が積極出店している業態の1号店です。ビール1杯290円(税抜)と、かなりの低コスパで飲める居酒屋です。
こちらも同じく立呑みスタイルの居酒屋「あかしや」です。オーナーが阪神タイガースのファンということもあり、店内には数多くのタイガースグッズが置いてあります。訪れる人もタイガースファンが多く、活気あふれた居酒屋です。
「伊勢本店」です。場所はガード下になるのですが、2階席もある居酒屋になります。1階は立ち飲みスタイルです。1941年に創業した歴史ある居酒屋で、焼き鳥専門店ということもあり、串はもちろん親子丼なども人気のメニューです。
「生ラム専門店肉汁屋」です。2023年の3月にオープンした新店で、1号店は2016年に開業した新橋店になります。価格帯は4000円〜5000円とやや高めですが、ジンギスカンとはまた一味違った羊肉を楽しめる店舗です。
おわりに
日本のビジネス街の中心である神田。飲食店を利用する人はほとんどが会社員ということもあり、混む時間帯や忙しくなる時期は掴みやすいように感じました。
飲食店開業応援マガジン RESTA [レスタ] では、神田で出店された方のインタビューも掲載しています。
ぜひ参考にしてみてください!
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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