店舗専門不動産の営業マンからアドバイスを聞こう!知らないと損する居抜き開業! 座談会PART1
参加営業マン)NAさん/KOさん/KIさん/SAさん/KONさん
―今日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。
編集担当の川瀬が本日の進行役を務めさせていただきます。
今回は、今後居抜き物件で飲食店をオープンしたいとお考えの方々のために、
店舗専門不動産企業の営業マンだからこそ経験してきた、居抜き開業の確認必須の項目や、実際に目の当たりにしてきたトラブル事例など、お話いただければと思います。
NAさん)
やっぱり、厨房関係、内装関係のトラブルはつきものですね。
記憶に新しいところでは、あるトルコ料理店の話なのですが、ケバブを作るために、現地の特殊機材(ドネルケバブグリル機)を使うという話があったので、こちらとしては、「仕様は大丈夫ですか?」と念を押しました。すると、「確認したから問題ない」との返事が来たんです。
ところが、実際に設置をしてみると、日本では仕様上使えない・・・・という事態に。
海外製の厨房機器はかなり慎重にチェックが必要だと思います。
独自のネットワークだけを信じすぎて、かなりの痛手を負っているシーンはよく見ますね。
SAさん)
そう、居抜き物件の場合は配管のつまりが一番多いですね。
一定期間使用されていなかった場合、グリーストラップ内で油が固まってしまっているなんてことはよくありますので、必ずチェックをしてほしいですね。オープンしてから、排水が逆流し、店内が水浸しになってしまったというトラブルもよく聞きますね。
特に、居抜き物件だと床下に埋没している配管や厨房防水設備等の劣化が読めないのが、不安材料にはなるかと思います。
階下が存在する物件は特に要注意です。漏水にて第三者に損害を与えた場合は、店舗総合保険で対応が可能なので事前にしっかり確認する必要があります。
―やはり、保険は大事ですね。
KONさん)
ビル設備に関しては、大家さんの対応になりますが、造作物に関しては、すべて借主責任問題になってしまいます。何度も居抜きを繰り返している物件などは、床や壁が何層にもなっていることもあるので、物件状況がつかめないということもあるのです。
その他、違法変圧器問題というものが最近発生しています。
簡単に説明しますと、契約は200Vでしておきながら、天井に100Vの変圧器を設置し、かなり電気料金を抑えるというもの。文字のごとく、違法なのですが、前借主が違法であることを知らずして、引き継いでしまい、指摘を受けた場合、なんと現オーナー様の費用負担で撤去をして元の配線に戻さなければ電気の供給がストップされてしまうことになってしまうんです。そして、過去の使用した電気料も請求される場合もあるから大惨事です。
―前借主の行為が、現オーナーにも響いてしまうとは。怖いですね!
KONさん)そうなんですよ。他には、違法増築なんかがあります。
もともとのバルコニーを部屋にしていたりして。
また聞きだと本当にわからないんですね。
我々は、居抜き店舗物件専門なので、お客様にリスクが及ばないように、極力調べるのですが、住宅メインの不動産企業は、調べることは殆どありません。
なので、かなりリスクは高いのでは?と思っています。
特に、怖いのがやはり消防ですね。
複数階ある店舗物件などでは、避難経路が2経路必要だったり、避難器具が必要とされる場合が多々あります。
そいった建物で前借主が何も対策をしないまま居抜き売却してしまったとします。
しかし、その建物の階段が1つしかなかった為、避難はしごをつけてくださいと消防から指摘され、300万も出費がかかったなんて例もありましたね。
―想定外の出費、もう、これだけで心が折れそうですね。。。
NAさん)
実際に、消防に申請を出していない飲食店もあるかも知れないです。
空中階のテナントビルで階段が1つだと要注意だと思いますよ。
消防指摘事項を改善しなければならず、オープンの予定が大幅に遅れてしまった、なんてケースも見ました。
テナント側から大家さんにクレームが入っても、大家さんに責任はないので、クレームの行き所がなくなってしまうのです。
保健所、消防ともに、前店舗がOKだったからと言って、今回も良いとは限らないということを必ず念頭に置いておかなければいけません。
―まだまだ尽きることがない座談会、次号に続きます。
進行役 川瀬 亮太
飲食店プロデュース会社、ROOTage(株) 代表取締役。自社でもレストランを経営中。
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