飲食店の内装工事はいくらかかる?坪単価は?費用を安く抑える選択とは
飲食店を開業する際、開業資金のなかから物件を借りるための物件取得費や什器や備品の購入、仕入れの支払いをしますが、その中でも内外装の工事にかかわる費用は開業資金の中でも特に大きな金額となります。せっかく自分の店をオープンするのですから理想の店をつくりたいという方も多いはず。
飲食店の内装工事について、費用の相場や飲食店のごとの坪単価を比較し、自身の開業資金に見合った計画が行えるようポイントをご紹介します。
目次
内装工事にかかる費用は?
スケルトンと居抜きの内装工事の違い
飲食店の開業時の内装工事にかかる費用は、その物件がスケルトン物件か居抜き物件かで変わります。
スケルトン物件では、ゼロから店舗設計を行い内装・設備の工事費や厨房機器を揃える為、理想に近い空間デザインや設備環境が実現できますが、工事に関わる投資比重が大きくなります。
それに対し、居抜き物件は内装工事を最低限にする、もしくは工事を行わないことで、資金の初期投資を格段に抑えることができ、また早く開業できます。
飲食店の内装工事の計算
飲食店は業態によって内装工事の費用が大きく変わるのが特徴です。業態だけでなく、コンセプトによっても変動します。そのため、飲食店の内装工事の費用は一律でいくらという答えは出ませんが、店舗の坪単価により計算することで、ある程度の目安を知ることはできます。
内装工事費用の相場
飲食店の種類ごとの内装工事費用
飲食店の内装工事費用は坪単価によって計算されることが多く、坪単価の相場を参考にできます。
スケルトンの場合
▷カフェ 30万円〜50万円
▷レストラン 50万円〜70万円
▷和食店 60万円〜80万円
▷焼肉店(無煙ロースター型) 100万円〜150万円
居抜きの場合
▷カフェ 20万円〜30万円
▷レストラン 20万円〜40万円
▷和食店 30万円〜50万円
▷焼肉店(無煙ロースター型) 20万円〜40万円
例えば、和食店は家具や床材にこだわることも多いため、比較的高くなります。また、焼肉店は給排気や空調の設備にかかる費用が大きいため坪単価も高くなります。上記は内装工事費の坪単価の目安になりますが、この他に厨房機器や厨房周りの設備工事も考慮しなくてはいけません。スケルトン物件と居抜き物件の費用比較の実例はこちらを参考にしてください。
参考:飲食店開業にかかる費用とは? vol.2 スケルトンと居抜き物件比較
部分的な内装工事の単価
内装工事費用はそれぞれの部位の材料や工法によっても単価は変わってきます。
例えば、床であれば1平米あたりの工事費用の目安は次のようになります。
▷フローリング(8千円~)
▷クッションフロア(2千円~)
▷フロアタイル(4千円~)
▷タイルカーペット(6千円~)
▷磁器タイル(5千円~)
このように、使用する材料と工法によって幅があります。床だけでなく、壁紙や天井の材料、家具や什器、厨房設備など、それぞれの部分で使う材料で単価は大きく変わることになります。そのため、実際には予算に応じてどういった材料を使うかを選択することになります。予算に見合ったものを選ぶことを心がけておきましょう。
また、電気工事に関しては、15~20坪の店舗で20万円ほどが目安です。ただし電気容量が足りない場合、幹線引き換え工事が必要となり、照明器具の価格を別にして50~100万円の工事費が必要になることを想定しておきましょう。
内装工事の費用についての注意点
スケルトンは別途工事費が必要
スケルトンの場合、内装だけでなく設備面での工事も必要になります。電気工事・ガス工事・水道工事・空調工事など、大きな工事になる可能性もあるので比較的大きな費用を準備しておきたい部分です。
また、業態によって設備の工事費は大きく変わることも覚えておきましょう。特に焼肉店は特殊な給排気が必要なため、空調工事に大きな費用がかかります。
コンセプトに合わせた費用の配分
オープンさせる飲食店をどのようなコンセプトの店にするのかをしっかり定めておくことは、内装工事の予算を決めるうえでも重要です。
例えば高客単価業態であれば家具や装飾、ディスプレイにも費用を割く必要があります。
計画段階でターゲットとする客層や客単価を明確にイメージし、工事予算とともに設計者に伝えましょう。
また、リサイクル品を上手く活用することで、費用を抑えるというのもひとつの手です。
内装工事の費用は契約時までに用意する
工事費用は、施工業者との契約時・中間時・引き渡し時の3回に分け支払うことが一般的です。居抜き物件などの短い工期の場合は、契約時と引き渡し時の2回という場合もあるでしょう。いずれにしても契約時までに資金調達が出来ていないと開店日の計画が遅れてしまいます。余裕を持った資金計画を行ってください。
参考: 飲食店開業に必要な資金には何がある?資金調達方法は?
内装工事費用を抑えるには居抜き物件での開業を選択
飲食店を開業する際の内装工事について、目安となる費用の相場、物件の種類による違い、素材ごとの単価、覚えておきたいことや注意点などをご紹介しました。
飲食店を盛業させるためには、来店客に対し適切な店内環境の提供や空間デザインが与えるイメージも大切です。しかし、スケルトン物件からこだわりの内装をゼロから作る場合、その工事費用は決して小さくありません。このとき、居抜き物件での開業は、制約はあるものの、開業資金で多くを占める工事費用を抑えることが可能です。
居抜き物件をお探しの方はぜひ居抜き市場をご活用ください。
飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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