【こだわりを粗利に換える!コトバの武器辞典】値上げ時代の伝え方 ~感情の動きを入れよ~
「原材料費が上って大変です」「メニューの値段を上げたいけれど、お客さまが離れてしまわないか不安で…」「ただでさえコロナでお客さまの動きが少ないのに…」こんな悩みはないでしょうか?
大手チェーンや大手メーカーは続々と価格改定に踏み切っています。小規模なお店もこれまで通りの値段では経営が苦しくなることが増えるでしょう。
多くのお店の価格が上がることで、お客さまの〔お店の選び方〕も変わってくると予想できます。飲食店だけでなく、お客さまの身の回りのものの価格が上がっていますから〔買い物に失敗したくない心理〕がじわじわと無意識的に高まってくるはずです。それは飲食するお店選びにも関わります。
そのような状況ですので、お客さまが新しいお店に行く際には、これまで以上に慎重になる。お店からすると、これまで以上に〔事前情報の伝達に力を入れないと、来店してもらえない〕状況になってゆくということです。
では、どんな情報を伝えればいいのでしょうか?飲食店ではまず下記の3点を意識してください。
A「おいしそう!」情報:おいしそうな写真や五感で感じるフレーズ
B「ここなら安心!」情報:お客さまの声やこれまでの販売数、歴史、受賞/表彰歴など
C「この人の料理を食べたい!」情報:こだわる理由と感情の動き
AとBはすでに力を入れているお店も多いでしょう。でも、今後はこれだけでは足りなくなる。周りにもそうした情報を発信しているお店は増えていますから、頭一つ抜け出すことが難しいのです。
これからはCを強く意識しましょう。Cは大手チェーンには難しく、小規模なお店ほど有利です。お客さまが「そこまでやってるなんて!美味しそう」「この人の料理、食べてみたい!」と感じてもらえたら、選ばれる率はグンと高まります。
3は「人を中心にした情報」の切り口なので「趣味や家族の話などを伝えればいいのかな?」と思う方もいるかもしれません。そうした情報は、最後の信頼作りには有効ですが、「食べたい」と思って頂く時点ではそれほど有効ではありません。まだお店に対して興味を持っていない段階で人柄情報を見ても、それほど関心を持たないのです。まずは「こだわっている理由」について伝えましょう。
たとえば、このような伝え方をしていませんか?
「当店は、厳選した〇〇県産の素材を使用しています」
情報としてはいいのですが「来店促進」には弱い。これはあくまでも「情報」でしかないからです。お客さまに「この人の料理を食べてみたい!」と感情を動かしてもらうには、〔お店側の感情の動き〕を伝えることがだいじです。このようにしてみてはどうでしょうか?
「お客さまに楽しんで頂くには、絶対に妥協したくなかった!全国を巡って『これだ!』と感じた○○県産の素材を使用しています」
ここには〔店主さんや板前さんなどの感情の動き〕が含まれています。お客さまがこうした情報を受け取ると〔共感/感情移入〕してくれやすくなります。そうなると他のお店とは一つ違った存在感に。来店率が高まるはずです。
あなたのお店にはこだわりがあるはずです。
「楽をせず手間をかける理由」
「効率化しない理由」
「リーズナブルなものを使わない理由」
「どうしてもその素材を使う理由」
あなたがこだわっていることは理由があるはず。その理由を感情の動きと合わせてお客さまにも伝えましょう。きっと共感を生み、お客さまの来店に繋がるはずです。
そうして来店下さったお客さまは、通常よりもじっくりと味わってくれる可能性が高いです。店内でそのこだわりを「確かに!」「ほんとだ」と実感して頂ければ、記憶にも刻まれます。リピート来店だけでなく、知人に語る言葉としても記憶に残ることになるはずです。
これからはぜひ「こだわる理由と感情の動き」を伝えてみて下さいね!ではでは、難しい状況が続きますが来て下さったお客さまを大切に、喜んで頂きましょう。これからも大繁盛されますように!
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
◇繁盛店への道 最新記事はこちらから
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