繁盛店への道

人口減少時代でも生き抜く!個人店のためのリピーターを増やすメニューとPOPの書き方5

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リピーターのお客さまは増えていますでしょうか?もしや、減っていませんか?
 
コロナが落ち着いて、飲食業界は一時活況となり盛り返したお店も多いのではないでしょうか?とはいえ、そんなにいい時期は続かないでしょう。お客さまによる「お店の選別」は益々厳しくなるはずです。勝ち組と負け組(という言葉は使いたくないですが)の差はハッキリとついてくると思われます。
 

人口減少時代のライバルはスマホ⁉

日本の人口がかなりの勢いで減少をしています。認識していますでしょうか?下記は総務省のHP より取得した数字です。
 
2020年 1億2614万人 -40.9万人
2021年 1億2550万人 -64.4万人
2022年 1億2494万人 -55.6万人
 
この3年間で約161万人も減っています(2020年の人口比では1.27%)。単純に考えると、お客さまが減っていれば、当然売上も減ります(お店の数が同じだとすると)。市場が減っていく時代なのです。
 
そして、お客さまはスマホを大活用するようになりました。スマホを開けば「よさそうなお店」がすぐにたくさん見つかります。お客さまは「満足できそうなお店」を探すことには困っていないのです。お客さまがあなたのお店で食事をして「よかった!」「満足した!」と思っても、簡単にはリピートしてくれないのはライバルがスマホだからです。お客さまはスマホを開けば「他の、良さそうなお店」があることを知っています。
 
だから、何度も通って頂くには「スマホを開く前に、思い出して頂く&来店を決めて頂く」ことが大事になります。お客さまがスマホを開いた瞬間に、お客さまの選択肢は膨大に広がる…こうなった瞬間に、あなたのお店が選ばれる可能性はグンと下がります。
 
では、お店ではどんな対策ができるのか?
 
「好き」になって頂くことが一つの解法になります。「あのお店好きなんだよね」「万人受けはしないお店だけど、私は好き」「あの店主さん、いい人だったなぁ」など感情を伴う記憶を残してもらえれば、思い出してもらう可能性が高まります。ライバルであるスマホに勝つには、情報(メニューや写真・ストーリー)よりも「人の魅力」で上回ることが有効です。
 
本当に突き詰めるならば、お客さまと濃いコミュニケーションをして、人となりを知って頂くことが良いのですが、それは苦手な方もいるでしょう。直接的なコミュニケーションをしなくても、店主さんやスタッフさんに感情移入して頂き、記憶に残るような方法もあります。今回はそれを紹介させてください。
 
以前に「メニューを売る前に店主を売ろう」という切り口で書いたこちらの記事 を合わせて読んで頂くと、さらに使える武器が増えると思います。お時間見つけてぜひ改めて読んでみて下さい(3つ目の「ポロリと本音をこぼす」はかなり有効なテクニックですよ)。
 

店主さん・スタッフさんが際立つメニューやPOPの書き方5

①メニューのネーミングに料理長・スタッフの冠をのせる

例:ぐっさん(料理長)のオムライス/やまちゃんから揚げ
メニュー名に名前が入っていると「おっ」となりません?お客さまが注文する時に言葉として発することは強い記憶になりやすいです。また料理の提供時にもスタッフさんが言葉として発するので、復習効果が生まれます。
 

②メニューのネーミングに想いとストーリーを込める

例:店主が両親に食べさせたくて作ったハンバーグ/スタッフAが泣きながら完成させたカクテル
人が共感をするのは、誰かが感情を込めたものに触れた時です。店主さんやスタッフさんが感情をふるわせたエピソード・ストーリーを表現すると、共感して頂き「好き」という感情が生まれる可能性が高まります。
 

③メニューの説明に、商品以外の人柄を込める

例:トミカ大好き店長が、トミかを忘れるくらい没頭して調味料にこだわった唐揚げです
普通、メニューの説明には「素材のこだわり・調理法のこだわり」などが書かれます。でも、それ以外が表現されていたっていいんです。店主さんの人がらが溢れる説明書きも楽しいですよ。
 

④スタッフさんの絶賛を表現する

例:スタッフあみちゃん絶賛!辛すぎるピザ
お客さまに感情移入して頂く対象は、店主・店長や料理長だけでなくてもいい。スタッフさんに感情移入して頂いてもいいですよね。実際に開発に携わっていない・調理していないスタッフさんにはこだわりは語れません。でも、絶賛は語れるんです。お店のことを良く知っているスタッフさんが「これは美味しい!」と絶賛していたら、お客さまも興味を持ってくれるでしょう。店内で該当スタッフを見かけたら、さらに感情が高まるはず!
 

⑤スタッフさん×ランキング形式

例:スタッフけんじの個人的人気ランキングベスト3
不思議なもので「○○ランキング」は興味を持ってもらいやすい形式です。そこにスタッフさんを絡ませてみる。スタッフの個人的人気ランキングですから、おいしさの保証はありません。「若いのにあん肝が好きなの⁉」とか、お客さまにメニュー以外の感情が生まれる可能性があります。
 
いかがでしょうか?
 
ライバルのスマホに勝つには、スマホを開く前に思い出して頂くこと。そのためには「好き」という感情を残して頂くことが大切です。今回のメニューやPOPの説明書きの書き方は参考になりましたでしょうか?ぜひチャレンジしてみてくださいね。
 
これからもお客さまに大喜びされて大繁盛されること、願っております。
 
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 アナログ販促クリエイター
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
 
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