繁盛店への道

【手作り店専用】飲食店の来客数を増やすには?囲い込むよりも「誇らしい記憶」を作り出す5つの切り口

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「また仕入れ値が上がった…今年で何回目だろう」
 
取引先からの通知に落胆することにも慣れてしまっているかもしれませんね。様々な食材の仕入れ値が上り続けていて、苦しい状況だと思います。
 
各お店で、様々な工夫を凝らしていると思いますが、本記事では「値段で選ばれない」ことを目的にして、来客数を増やすための【お客さまの記憶のつくり方】をお伝えいたします。
 
あなたのお店ではリピーターさまは増えていますでしょうか?もしや、減っていませんか?コロナ騒動が落ち着いて、飲食業界は一時活況となり盛り返したお店も多いようです。とはいえ、そんなにいい時期は続かないでしょう。お客さまによる「お店の選別」は益々厳しくなるはずです。
 
勝ち組と負け組(という言葉は使いたくないですが)の差はハッキリとついてくると思われます。仕入れ値の上昇によって、お店はメニュー価格を上げざるを得ません。お客さまが支払う価格が上がることで【失敗したくない心理】は益々高まっていくはずです。
 
「囲い込み」と言う言葉もありますが、それはもはや難しい時代です。お客さまの周りには数多の情報がありますから。囲い込むよりも、求心力を付けた方が得策ではないでしょうか?お客さまが「このお店なら間違いない!」と思ってくれれば、求心力が高まりリピート利用して頂ける可能性はグンと高まります。
 
そうなるために大切なことは何でしょうか?
 
リピーターさまには値引きすること?違います。
 
もっと映えるメニューを作ること?違います。
 
大切なことは「このお店のお客さんでよかった」と、お客さまに誇らしく思って頂くことです。お客さまがそう思ってくれたら、価格で比較せずに来店して下さることでしょう。
 
では、お客さまに【誇り】に思って頂くためにはどうすればいいでしょうか?本記事では5つの切り口と具体的な事例を紹介いたします。ポイントは、あなたの仕事ぶりに対して「ここまでやるのか!?」と唸って頂くことです。そうなれば、お客さまはあなたのお店を誇らしく思って下さるはずですから。
 

【切り口1】こだわり細かすぎ!

お客さまが「そんなところまでこだわっているの⁉」と驚くほど、細かなところまでかけている手間やこだわりを伝えること。
 

 
〔例〕
・寸胴で炊いたスープに、たった1滴の醤油を垂らして香りづけをする
・焼き鳥のもも串で、1口目と3口目の部位を変えている
 
こんなこだわりを知ったら、驚きません?プロ側(お店側)としては当たり前にやっていることでも、お客さまからすると驚くようなことって、意外にあるものです。あなたのお店も、お客さまのために続けているなら、きっとあるはずですよ。
 

【切り口2】手間かけすぎ!

お客さまが驚くほど、手間暇をかけていること。
 

 
〔例〕
・何十もの工程を重ねて出来上がるメニュー
・普通の日本酒は水で仕込むのに、日本酒で仕込んだ日本酒
 
実はかなりの手間をかけて調理をしているメニューって多いと思います。でも、お店が伝えなければ、お客さまが知ることはありません。それを知ってお客さまが感嘆してくれるなら、伝えることはサービスですよ。満足感が高まるのですから。
 

【切り口3】このお店は、そんなことまでするの?

普通のお店ではしないのに、自店ではあえてしていること。
 

 
〔例〕
・普通のお店のハンバーグは合い挽き肉だけどウチは牛100%。しかも4つの部位の比率にこだわってブレンドしている
・普通のお店ではする〇〇をウチではしない
 
他店(一般的なお店)と比較すると、お客さまもこだわりを理解しやすいです。こだわるあまり、他店と違ってきたことを伝えてみましょう。
 

【切り口4】そんなに歴史があったの!?

長年の歴史や、試行錯誤の回数を重ねていること。
 
〔例〕
・100年注ぎ足してきたお店伝統のスープやタレ
・100日間煮込んだスープ
 
老舗が歴史を持っているなら、伝えて損はありません。お客さまも誇らしく思ってくれますから。そして、実は老舗でなくても歴史の価値を伝えることは可能です。100日間でも十分な凄みですし、100回テストを繰り返したことも、30種の食材を試したことも価値ある歴史です。お客さまが「自分ならここまでできない」と思ってくれたら、大いなる価値になります。
 

【切り口5】それ、やり過ぎじゃない?

「やりすぎ!」とも言われるくらいのおせっかいなサービスを実施する。
 
〔例〕
・一人のお客さまのためにオーダーメイドメニューやPOPをつくる
・数百人のお客さまの名前と誕生日を記憶して、個別にお祝いをする
 
先の4つはメニューのこだわりを切り口にしましたが、こちらはそうではありません。サービス面でのこだわりです。「私一人のために、ここまでしてくれるの!?」とお客さまが感動してくれたら、他にはない大切なお店になりますね。
 
いかがでしょうか?令和時代の競合店は、近くの飲食店ではなく、スマホかもしれません。数多の情報があるお客様を囲い込もうとしても、ほぼ無力でしょう。それよりも「このお店が好き!」「このお店のお客さんであることが誇らしい」と思って頂いて求心力を高めることの方が重要ではないでしょうか?お客さまに、あなたのお店に通ってよかったと思って頂き大喜びされること、そしてあなたのお店が大繁盛されること、願っております。
 
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 アナログ販促クリエイター
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
 
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