これがドーナツ!?未体験の新食感。ドーナツ専門店「I’m donut?」のこだわりとは
こんにちは、ライターのはるまきもえです。
渋谷駅・ハチ公口を出て、宮益坂を歩くこと約10分。何やら行列が見えてきました。今回お伺いするのは、2022年5月30日にオープンしたドーナツ専門店「I’m donut?」です。
▲開店10分前の様子(取材日2022年7月19日)
ドーナツ専門店「I’m donut?」は、2022年3月18日中目黒に1号店をオープン。その後5月30日、渋谷に2号店をオープンしました。渋谷店がオープンして約2ヶ月が経ちましたが、まだまだ客足は止まることなく、開店前は行列ができています。
そんな人気店「I’m donut?」渋谷店を、今回は調査してみました!
I’m donut?〇住所:東京都渋谷区2丁目9−1 |
「I’m donut?」は、「AMAM DACOTAN」(以下アマムダコタン)というベーカリーブランドから生まれた、ドーナツ専門店です。アマムダコタンは福岡に本店を構えており、東京では表参道にも出店しています。“マリトッツォ”を世に広めたことでも知られており、モチモチとした不思議な食感のドーナツは、リピーターの心を掴んで離しません。
まるで隠れ家のようなワクワク感を
今回はエリアマネージャーの岩本紫さんに、「I’m donut?」渋谷店についてお話をお伺いしました。
―1番混む時間帯は何時ごろですか?
岩本さん「1番のピークは開店時間の11時です。待ち時間は、だいたい1時間〜2時間ほどになっていますね」
開店直後の11時。お店に入った瞬間、出来立てのドーナツの甘い香りが漂ってきます。店舗面積はそこまで広くないものの、こぢんまりとしたスペースにたくさんの種類のドーナツが敷き詰められていて、どれから手に取ろうかワクワクしてきます。
店内の壁や棚は全体的に石造りでできていて、木目基調のテーブルや植物も多く取り入れられています。まるで自然の中にいるような落ち着きを感じ、自分だけが知っているような隠れ家のような空間。ここが渋谷だということを、一瞬忘れてしまうようです。
アマムダコタンのブランドコンセプトは、「この物語の主人公は、子供の頃の自分」。思わず子供の頃の気持ちに戻り心躍らせ、たくさんのドーナツを前に目をキラキラと輝かせてしまいます。
―店内のこだわりのポイントを教えてください。
岩本さん「商品数がかなり多いので、変化をつけながら陳列するよう心がけています」
ドーナツは多種多様なトレイに並べられており、陳列も細かいところまでこだわりが感じられます。眺めていても飽きることがなく、全体的に賑やかな雰囲気。変化をつけながらも、木と石を基調としているので、全体の統一感はしっかりと保たれています。
天井はスケルトンになっていて、開放感たっぷりです。打ちっぱなしのコンクリートも、木目の棚や店内に飾られている植物とマッチして、やわらかな空間に馴染んでいます。
調理場は売り場と同じ空間に続いており、実際にドーナツを揚げていたりトッピングをしている様子がお客さんからも見えるようになっています。調理場の中央にフライヤー、奥にパススルー、右側はトッピングをする作業場となっているようです。中央には出来上がったドーナツがたくさん用意されており、出来立てを常に提供できるのも、「I’m donut?」の魅力の1つとなっています。
岩本さん「『I’m donut?』の店舗だけではなく、アマムダコタンの店舗もオープンキッチン仕様になっています。生地は1から店舗で作っているので、そのライブ感を感じていただけたらと思っています」
―中目黒店と比較した際の渋谷店の特徴はなんですか?
岩本さん「渋谷店の特徴は、なんといってもドーナツの種類の多さです。1号店の中目黒店では、『I’m donut?』『チョコレート』『グレーズド』『レモン』『カスタード』『フレンチクルーラー』『ソーセージ』『プロシュート』の8種類を販売しています。それに対して、渋谷店は80種類もの商品数を販売しているんです」
渋谷店は、中目黒店にはない“惣菜系”のドーナツが、かなり充実しています。ドーナツの価格帯は1つ当たり200円〜400円前後。ここからは、オススメしていただいた商品をピックアップして、紹介していきたいと思います。
モチモチの秘密は「カボチャ」!?
▲左から「チョコレート」、「グレーズド」、「フレンチクルーラー」、「I’m donut?」
定番系のおすすめはこの4種類。その中でも岩本さんの1番のおすすめである、「I’m donut?」を試食しました。価格は税抜190円です。
シンプルなプレーンの生ドーナツなのですが、食感はモチモチとしていて柔らかく、甘さは控えめ。見た目よりもずっと軽く食べられてしまうので、ついつい何個でも食べてしまいそうになります。
岩本さん「生地はローストしたカボチャをつなぎとして使用しています。そうすることで、水分量をたっぷり含ませることができ、モチモチの生地にできるんです。その生地を長時間低温発酵させ、高温でさっと揚げることにより、まるで生のような食感を生み出しています」
今まで食べてきたドーナツには感じたことのないモチモチとした食感は、カボチャによる水分量に秘密があったようです。
岩本さん「渋谷店では『I’m donut?』、『焼きフレンチクルーラー』、『焼きフレンチクルーラーチョコ』の3種類に、中目黒店では、『I’m donut?』、『チョコレート』の2種類に、カボチャを使用した生地を使っています」
▲手前が「I’m donut?」、奥が「フレンチクルーラー」
「I’m donut?」の生地は少し薄めの黄色、「フレンチクルーラー」の生地は濃い目の黄色になっています。
岩本さん「フレンチクルーラーは、卵黄をたっぷり使い、つなぎにクリームチーズを混ぜ込んだ卵ブリオッシュの生地を使用していて、サクフワ食感を生み出しています」
▲左から「BLT」、「ポッサム」、「I’m burger?」
こちらは、渋谷店にしかない惣菜系ドーナツのラインナップ。惣菜系のドーナツはどれも具材のボリューム満点で、食べ応えがありそうです。その中でもおすすめの3つを教えていただき、今回は「I’m burger?」を試食。値段は税抜430円です。
「I’m burger?」は厚切りのトマトと、甘酸っぱい紫キャベツのラペが入っており、ガッツリとしたお肉もスルッと食べることができてしまいます。
岩本さん「惣菜系のドーナツの具材ももちろんすべて手作りです。野菜も生の状態から仕込みをしており、ソースになるまでの過程を店舗で調理しています」
惣菜系の種類はかなり充実していて、「I’m burger?」のような定番系以外にも、コチュジャンソースが効いている韓国風の「ポッサム」、ゴーヤーが入った「OKINAWA」など変わり種のドーナツもありました。
生地は甘い系のものと比べて、バンズやバケットに近い味になっており、ベーカリーブランドだからこその強みが存分に発揮されています。
岩本さん「『I’m donut?』で使用しているドーナツの生地は、アマムダコタンで販売しているパンの生地と共通しているものが多いです。また、生地に使用している小麦粉は、すべて国産のものになっています。ショートニングも、トランス脂肪酸フリーのものを使用しているんです」
▲左から「ピスタチオ」、「フランボワーズ」、「カスタード」
そして最後はデザートとしてクリーム系を試食。その中でもカスタードを見ていきます。値段は税抜380円です。
クリーム系のスイーツを食べる時にやはり気になるのが、生地の中にクリームがたっぷり入っているかどうか。中を割ってみると、まったく隙間がないくらいクリームが入っており、ボリューム満点です!
味はコクがあり、ミルキーな味わい。生地がクリームの味を邪魔することなく、口の中でとろけていきます。
また「I’m donut?」 では、惣菜系やクリーム系のほかにも、膨らまなかった生地を再利用した「サステナブルドーナツ」も販売しています。
岩本さん「生地の加水を高めている関係上、中には潰れてしまうドーナツも出てきてしまうんです。そんな生地を再利用し、美味しく召し上がっていただけるようにしたものが『サステナブルドーナツ』になります」
「I’m donut?」
―最後に、店名についている“?”の意味を教えてください!
岩本さん「店名である『I’m donut?』の“?”は、ドーナツ自身も自分がドーナツかどうかわからないくらいの驚きをもたらす新食感を意味しています。ここでしか体験できない食感を味わってもらい、ドーナツの新しい世界を感じていただけたら嬉しいです」
ドーナツが思わず自問自答してしまうほどの、新しい世界を生み出す「I’m donut?」。ワクワクを届けてくれる裏には、たくさんのこだわりが散りばめられていたようです。ぜひ、まだ踏み入れていないドーナツの世界を体験してみてはいかがでしょうか?
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