【こだわりを粗利に換える!コトバの武器辞典】同じメニューなのに“ちょっと高級そう♪”に感じさせるコトバの選び方
あなたがお客さまとして飲食店に行ったとします。2つの料理名を聞いて、それぞれ「値段はいくらくらい」だと思いますか?直感でこたえてみてください!
A:焼き餃子 1皿5個
B:肉と野菜の包み焼き 1皿
人によって差はあると思いますが、A「焼き餃子」の場合は300~500円くらいでしょうか?多くのお店が販売している価格感からイメージしたと思います。B「肉と野菜の包み焼き」はいかがでしょうか?ちょっと高級なイメージが漂いませんか?分量が書かれていないのでイメージしづらいかもしれませんが、1000円以上のイメージをした方もいるんじゃないかと思います。
同じメニューだとしても「コトバの選び方」で印象は変わります。お客さまが感じる価格感も変わります。ということは価格を変えることも可能で、同じメニューなのに粗利を高めることも可能ということです。
新型コロナウィルスの影響で、来客数が減って経営が厳しいお店も多いと思います。でも「安売り」はガマンしてほしいんです。何とか価値を高めてお客さまにも価値を買って頂く。そのための工夫と努力をしないと、今後ますます厳しくなると思うのです。
この記事では、既存メニューでも「コトバの選び方」を変えることで、お客さまが感じる価値を高める表現方法を3つご紹介します。嘘やお客さまを騙す目的での使い方はダメですが、持っている素材を存分に生かしてお客さまに味わって頂くのは料理と同じことです。価値が高まれば、お客さまの満足度も上がりますよ。あなたのお店のメニューなら、どんなコトバが選べるか想像しながら読んでみてくださいね!
【高級フィルターを使う3つの方法】
1:高級なイメージのあるコトバを選ぶ
たとえば「フォアグラのような香り」「フカヒレのような食感」という表現ができないか考えてみましょう。お客さまが高級なイメージを持っている素材や料理のコトバは価格感を少し高めます。ただし誤解を招く表現は避けましょう。使用しているわけじゃないことは明記しましょう。冒頭で例に挙げた「肉と野菜の包み焼き」もこのパターンです。少し単価の高いお店が使いそうなメニュー表現のイメージですよね?これも価格感を高める切り口になります。
2:カテゴリーを置き換える
「窯だしとろけるプリン」というコンビニスイーツをご存じでしょうか?以前にサークルKサンクスが販売していて大人気だったものです。プリンとしてはものすごくやわらかくて「まるでクリームじゃないか!?」と思えるほどでした。「プリン」というカテゴリーにいるから驚きの商品になっていました。仮に「クリーム」というカテゴリーにいたら、おそらくヒットしなかったでしょう。クリームだけをスイーツとして買う習慣がないことと、クリームならやわらかいことに驚かないからです。(味は同じだとしてもです。)
このようにメニューのカテゴリー置き換えることで、お客さまの印象が変わることがあります。例えば、テイクアウトで「お弁当」を販売することを考えてみましょう。「お弁当」として販売をする場合、お客さまはコンビニのお弁当やほか弁が数百円で変えることを知っています。美味しいことも知っています。「お弁当」というカテゴリーにいると、競合は数百円で、ベテランで、しかもおいしいです。このカテゴリーで利益を上げていくのはなり難しいと思われます。
そこでカテゴリーを変えてみてはどうでしょうか?「持ち運べる!ランチコース」「ご自宅用プリフィクスコース」このようなカテゴリーに変えたらどうでしょうか?「ランチコース」や「プリフィクスコース」といったカテゴリーに入れば、お弁当は一線を画せます。購入して下さる層は減るかもしれませんが、競合も減ります。しかし価格も上がるでしょう。この場合は、中身の充実を図ったりビジュアルの見せ方も工夫したりして、お客さまが大満足してもらえるものにしてくださいね。
店内商品の場合もカテゴリーの置き換えで価値を高めることは可能です。私自身、愛知県の飲食店さんとご一緒して餃子のネットショップを運営しています。「餃子」というカテゴリーには競合が多く、しかも安くておいしいものがたくさんあります。私も目いっぱい価値を伝える努力をしていますが「餃子」というカテゴリーで比較されてしまうと、値段の高い商品に見えるのです。そこで「肉じる料理」というコトバを積極的に使っています。商品は餃子なのですが「もはや肉じる料理だね」と。結果、餃子としては少し高めの価格設定ではありますが、値引きなしで1月度分は完売となりました。
3:他者の「高級」を借りる
今回の記事では「コトバの選び方」で価格感を高める表現法を紹介しています。価格感はお客さまの頭の中でつくられるので、お客さまの頭の中ですでに「高級そう」というイメージのあるコトバ選びをするのはとても有効です。
たとえば「三ツ星レストランも使用している素材です」とか「あの名店も使用しているグラス」「銀座の名店にも卸している問屋さんのお肉」とか。他の高級店や高級料理と共通している部分があれば、それを借りてみましょう。他店の固有名詞を勝手に使うのはダメですよ。
いかがでしょうか?ちょっとズルいと感じましたか?
もちろん嘘はダメですし、お客さまを騙す目的で使うのもダメです。あなたがすでに持っている素材・既存メニューも、ちょっと見方を変えるだけでもっと高い価値を埋めるかもしれない。そんな期待を持てていたら嬉しいです。
コトバの選び方次第で、安売りをしなくてよくなるかもしれません。お客さまも、これまで以上に価値を感じて堪能することになるので満足度も上がるはずです。いいことづくめじゃないですか?せっかくこだわっているなら、価値を高める表現の工夫にもこだわってくださいね!
あなたのメニューの見方を変えられないか?一度考えてみてくださいね!
ではでは、お読みいただきありがとうございました!今日も明日も大繁盛されますように。
◆眞喜屋実行 まきやさねゆき
株式会社はぴっく 代表 しかけ販促プランナー
2008年に起業し、中小企業や個人商店を対象とした販促企画会社を経営。
「いい品ならば、いい品以上の喜び濃度に」をモットーに、商品の真価/潜在価値をカタチにする企画やグッズ制作。
執筆実績:ビジネス書7冊/日経MJ/近代食堂/販促会議/日本政策金融公庫など
講演実績:商工会議所・商工会・法人会・企業研修など
◆代表的な著書
・お金をかけずに売上を上げる販促ネタ77
・販促の教科書
・リピーターをつくる35のスイッチ
・お客さまが動く!しかける販促術
◇繁盛店への道 最新記事はこちらから
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