渋谷で飲食店を開業「大人の隠れ家酒場から各国の本格グルメまで」渋谷駅編 part3 〜桜ヶ丘・並木橋〜
渋谷駅調査の第3弾。今回の舞台は、現在大規模な再開発を行っている渦中の、桜丘・並木橋エリアです!渋谷の中でも比較的落ち着いたエリアになり、各国の食が楽しめるスポットや、ゆっくりとアルコールを楽しめる隠れ家名店がたくさんあります。「Shibuya Sakura Stage」を中心とした再開発の流れも大きく動いており、その影響を受けながらも営業を続けている飲食店を中心に、今回は紹介していきます。
渋谷・基礎情報
乗り入れている路線▼
東急東横線 – 東京メトロ副都心線
東急田園都市線 – 東京メトロ半蔵門線
東京メトロ銀座線
京王井の頭線
JR山手線
JR湘南新宿ライン
JR埼京線
近辺の主な主要都市▼
新宿駅(電車で約5分)、表参道駅(2分)、原宿駅(2分)
商業施設・チェーン店情報▼
・商業施設…渋谷ストリーム
・飲食店チェーン店…やよい軒、牛かつ もと村、星乃珈琲店、SUB WAY、ガスト
イベント▼
・渋谷・鹿児島おはら祭り(5月)
・渋谷横丁夏祭り(7〜8月)
・渋谷金王八幡宮例大祭(9月)
・青の洞窟SHIBUYA(12月)
大規模な再開発が進行している駅前エリア
渋谷駅西口から調査をスタートします。まずは、西口周辺の環境について見ていきましょう。西口にはバスターミナルがあるのですが、区画整理の工事のため、2022年から停留所の場所が移設されています。
ロータリーの使用は現在停止しており、以前は西口ターミナルにあった乗り場が、渋谷マークシティ前や、渋谷フクラス前に移動しています。
また、西口を出るとすぐ、国道246号線があります。
国道を横断するには、階段を登って空中回廊を渡り、桜丘方面へ行くことができます。まずは今回のメインスポットの1つでもある、桜丘方面から見ていきます。
さまざまな国のグルメを楽しめる、さくら通り
「ファミリーマート 渋谷桜丘町店」と「桜丘フロントビル」の間に伸びている登り坂が、さくら通りです。名前の通り、3月下旬ごろから美しい桜並木が続く道で、春になるとお花見スポットとしても賑わいます。
そのさくら通りから1本東側の道に移動すると、現在大規模な再開発工事を行っているエリアです。建設予定の物件の名称は「Shibuya Sakura Stage」です。2023年の11月に完成予定です。A街区、B街区、C街区の計3棟が建設される予定で、オフィスや店舗、住宅などが入ることになっています。
さくら通り周辺は、いろんな国の料理店が密集しているのが特徴です。こちらは「タイ料理研究所」です。「クルン・サイアム」や「オールドタイランド」などタイ料理を専門的に出店している株式会社SUU・SUU・CHAIYOO(スースーチャイヨー)が運営しており、現地で修行を積んだシェフが本格的なタイ料理を提供しています。渋谷のほかには、下北沢と府中にも出店しています。ランチ営業もしており、ガパオライスやグリーンカレーなどのメニューを1,200円前後で提供しています。
こちらは、ベトナム料理店「ハノイのホイさん」です。2011年5月に開業し、フォーが目玉商品です。毎週月曜日はパクチー増量サービスを行っていたり、季節限定の味のフォーを販売していたりなど、季節や曜日によってさまざまなサービスを行っています。店名は、ベトナムのハノイ在住のホイさんが、店舗づくりに大きく携わったことから名付けられました。
こちらは、手前からフレンチビストロ店「DRESS GRAPE(ドレスグレープ)」、ハンバーガー店「TURTLES(タートルズ)」、タイ料理屋「ガパオ食堂」です。
「DRESS GRAPE(ドレスグレープ)」は、2020年11月に開業したビストロ料理店です。ホテルオークラで活躍していたシェフが、フレンチをベースにした料理を提供しています。
画像中央にある「TURTLES」は、化学調味料や保存料を使用していない素材を使用することにこだわっており、手作りの味を堪能できるハンバーガー店です。
画像奥の「ガパオ食堂」は、ガパオ炒めをご飯にかけた“ガパオごはん”が名物になっており、青山、新宿、恵比寿にも姉妹店が出店しています。「ガパオ食堂」は「タイ料理研究所」や「ハノイのホイさん」からもかなり近い距離にあり、気になる国を選んで、その土地の味を楽しむことができる場所です。
桜丘には日本経済大学渋谷キャンパスがあります。多くの外国人留学生が通っていることもあり、各国の料理店の需要があるのではないかと考えられます。
ほかの飲食店も見ていきましょう。こちらは、「立呑富士屋本店」です。もともと酒屋から生まれたブランドになり、1971年に角打ちスタイルで開業した店舗です。アド街ック天国などのメディアでも紹介された名店で、渋谷の再開発の影響で2018年に1度閉店を余儀なくされました。しかし2022年の秋に復活し、再開発の波を乗り越えた経歴があります。富士屋本店はほかにも、日本橋に立ち飲みビストロの店舗、三軒茶屋にグリルバーを出店しています。
桜丘には、「富士屋本店ワインバー」と、「和食富士屋本店」を開業しています。「富士屋本店ワインバー」は、平日は17時から、土曜日は16時から営業しており、立ち飲みのワインバーとなっています。
「立呑 富士屋本店」と背中合わせで営業しているのが、まぜそばとラーメンのどちらも楽しめる「まぜそば七」という店舗です。
さくら通りは、「まぜそば七」以外にもいろんなタイプの麺系飲食店が揃っています。このビルの2階には冷麺を提供している「ハイパー」という店舗があります。カウンターの席のみの、バーのような雰囲気の店舗になり、唐揚げ付きの冷麺セットが人気です。
こちらは、2019年7月にオープンした「Renge no Gotoku」という坦々麺の店舗です。再開発の影響でなくなってしまった、50年以上の歴史を持つ老舗坦々麺屋「亜寿加」の店長がレシピを再現して開業したのが、こちらの「Renge no Gotoku」です。名物は、排骨坦々麺で、排骨(パイコー)は揚げた豚肩ロースのことを言います。その排骨(パイコー)が上に乗った坦々麺はボリューム満点の1品です。
こちらは、「中華ソバ櫻坂」です。鰹が効いた中華そばが名物で、食券を購入すると“サービス券”が発行されます。この“サービス券”を集めると、ミニ丼やそば1杯無料サービスなどを受けることができるのが特徴です。
鰹といえば、「かつお食堂」も魅力的です。こちらは2017年の11月に宮益坂に開業し、その後桜丘に移動してきました。店主の永松さんは、会社員として働く中で鰹節の魅力に惹かれ、現在は“鰹節伝道師”としても活動しています。営業時間は平日が8時30分〜13時30分、土日祝日は9時〜13時30分になっており、削りたての鰹節が乗った土鍋ご飯と味噌汁のセット“かつお食堂ご飯”が名物です。
さくら通りから少し離れた場所も見ていきましょう。ひっそりと佇んでいるこちらの店舗は、名店「高太郎」です。2011年に開業した和食居酒屋なのですが、1ヶ月先まで予約が取れないことで有名な人気店で、ミシュランビブグルマンへ掲載もされています。マスタードソースがかかった“燻製ポテトサラダ”が名物で、香川の食材を使ったメニューを中心に、人気を博しています。
さくら通りの飲食店以外も、見ていきます。こちらは、街のど真ん中にあるサウナ施設「渋谷SAUNAS」で2022年の12月にオープンし、3階建てのサウナ施設です。9つのサウナ室に4種類の水風呂と、かなり大型のサウナ施設となっており、漫画「サ道」の著者であるタナカカツキさんが監修していることでも有名な施設です。渋谷の街中で本格的なサウナに入ることができるという、新鮮な体験ができそうです。
落ち着いた雰囲気の隠れ家名店が集まる、並木橋
山手線を超えて、明治通りがある並木橋エリアに移動します。並木橋周辺は、隠れ家名店の居酒屋がいくつも集まっているのが特徴です。こちらのビルの2階に出店しているのが、居酒屋「うゆう」です。先ほど紹介した「高太郎」でアルバイトの経験があるオーナーが経営しており、名店のかっこよさもありながら、カジュアルにアラカルトを楽しめるお店をコンセプトとしています。オーナーは「魚真」、「魚まみれ眞吉」などの海鮮を中心とした店舗の開業を経験しており、「うゆう」では、鹿児島から仕入れた海鮮を使用した料理を中心に展開しています。
こちらの建物の2階にあるのは、2018年にオープンした「酒井商会」です。看板などが特にないため思わず通り過ぎてしまいそうになる、まさに隠れ家名店です。店主の酒井さんは、オーストラリアで料理人の腕を磨いたあと、「高太郎」や、和食居酒屋「並木橋なかむら」で修行を積み、「酒井商会」をオープン。その経験を活かし、和食に独自の創作性を加えたメニューを生み出しています。「高太郎」や「うゆう」、「酒井商会」のように、「高太郎」ももともとは「なかむら」の姉妹店KANの卒業生。同じ修行先のお店同士が切磋琢磨しながら、渋谷のグルメ界を支えてきたように感じました。
このエリアは、渋谷川沿いに明治通りが伸びています。明治通り沿いには「スターバックス」、「ねぎし」、「はなまるうどん」、「牛かつもと村」などのチェーン店が並んでいます。
明治通りを過ぎ、表参道方面に進んでいくと、渋谷山親王院東福寺などの神社が建っているエリアになり、全体的に人通りも少なくなってきます。
そんな場所にあるのが、和食店「食幹」です。オープンキッチンスタイルになっており、料理を味わうだけではなく、調理風景を見ることができるので、口だけではなく目でも料理を楽しむことができます。繁華街から離れた落ち着いた場所にあるので、会食や特別なシチュエーションに最適な店舗です。
少し駅の方に移動すると、「山本のハンバーグ」があります。15時ごろのアイドルタイムにもかかわらず、入店する人が多く見られました。「山本のハンバーグ」は2005年に山本昇平氏が立ち上げ、当初は「俺のハンバーグ山本」という店名で営業していましたが、そこから2016年に店名を「山本のハンバーグ」に改名し話題になりました。2020年には、山本昇平氏らが新たに立ち上げた「挽肉と米」というハンバーグ店を、吉祥寺、渋谷、京都に出店しています。
おわりに
今回は渋谷の桜丘、並木通り方面のエリアを調査しました。このエリアで現在営業している飲食店は、どこも桜丘の再開発の影響を大きく受けている印象がありました。この再開発の波を乗り越え生き残っている店舗は、どこも根強い人気がある証明なのではないかと思います。
飲食店開業応援マガジン RESTA [レスタ] では、渋谷で出店された方のインタビューも掲載しています。
ぜひ参考にしてみてください!
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
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