「グルメサイト」離れが加速 来店客はいま、どこで飲食店探しをしている?
ぐるなび、食べログ、ホットペッパーグルメに代表される「グルメサイト」。
店の検索から予約までできるという利便性があるにもかかわらず、実はグルメサイトを利用する人の割合が近年減っている。なぜこのような変化が起きているのか、飲食店としてはどう対応するべきか。あるアンケート調査の結果と、新しいトレンドを紹介したい。
2年前に比べ増加したのはGoogle、グルメサイトは大幅減少
飲食店向けの予約・顧客管理システムを開発・提供している株式会社テーブルチェックが、グルメサイトに関する意識調査を実施している。調査期間は今年6月下旬、対象は飲食店利用者では全国20~60代の男女1100名、飲食店勤務者では全国20~50代の男女550名。
まず、来店客の動向を見てみよう。来店客が飲食店を探す時、最も多く使われている手段について大きな変化が起きている。2年前の調査と違い、グルメサイトではなくGoogleがトップになっているのだ(図1、2)。一方で、2年前に比べてグルメサイトの利用率が減っていることもわかる。
◇図1、2 飲食店探しの方法(テーブルチェック調べ)
グルメサイトに対する不信感
では、グルメサイトの利用が減った理由をみていこう。グルメサイトの利用が減った、あるいは使わなくなった、という人に理由を聞いたところ、「自分好みの店が見つからない」「信頼できる情報ではない」というのが多くなっている(図3)。
◇図3 グルメサイトの利用が減った、利用しなくなった理由(テーブルチェック調べ)
そして、グルメサイト上での点数やランキングにどのくらい信頼度があるかという質問に対する回答は、下のようになっている(図4)。
◇図4 グルメサイトを信用するかどうか(テーブルチェック調べ)
グルメサイトを信頼しない人の割合は、この2年間で増えている様子がわかる。2022年では、「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」という人の割合を合わせると、30.4%に達しているのだ。
グルメサイト離れは飲食店側も同じだ。飲食店勤務者に、有料契約で利用しているグルメサイトについて質問したところ、このような結果が出ている(図5)。
◇図5 飲食店が有料契約しているグルメサイトの順位(テーブルチェック調べ)
グルメサイトを「利用していない」と答えた飲食店従事者が6割近くにのぼっているのだ。利用料金の高さや、サイトでの評価点数に対する不信が背景にある。
飲食店探しの新しいトレンド
では最近は、飲食店を探し実際に来店するまでには、どのような手段が取られているのだろうか。
実は、新たなトレンドが生まれている。「検索」と「予約」で別々の方法を使うという流れだ。まず、飲食店を検索する手段は先ほど紹介した通り、Googleが優勢になっている(図6)。
◇図6 飲食店の検索方法(テーブルチェック調べ)
しかし、実際に飲食店の予約の段階では、グルメサイトを利用するという人が圧倒的に多い(図7)。
◇図7 飲食店の予約方法(テーブルチェック調べ)
ただ、見逃せないことがある。実はGoogleはコロナ禍の間に予約機能を充実させているのだ。ただ、店側の導入設定が進んでいないために利用率が伸びていないという事情がある。これは飲食店としてはもったいないことだ。
「Googleビジネスプロフィール」の積極利用を
Googleから飲食店の予約という導線は今後の集客アップのために有効なツールになるだろう。チャンスを逃さないためにも、店舗側の設定をしておきたい。設定のしかたは以下の通り。
1)まず、「Googleビジネスプロフィール」に店舗名などを登録する。こちらのリンクから登録が可能。
上のような画面が表示されるので、店舗名を入力する。店舗名がGoogleに登録されていない場合は、新規追加する。そこからビジネスカテゴリの登録など、画面の指示に従い作業を進める。
2)予約の設定をする。詳細な方法はこちらのリンクで確認できる。
この予約設定をすることで、店舗の検索結果に「予約する」ボタンが表示されるようになる。利用者がそこから日時を選択することができるようになる。一例として、PC画面ではこのように表示される。
なお、Googleビジネスプロフィールの概要はこちらのリンクから確認できる。
Uber Eatsなど外部サービスと連携されているのも、またGoogleという巨大プラットフォームの醍醐味だ。新たなトレンドをしっかり把握し、使えるツールは積極利用していきたい。
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