従業員5名以下の小規模飲食店が活用できる持続化補助金について 前編
持続化補助金は、今回ご紹介する『一般型』と『コロナ特別対応型』の2種類がありましたが、すでに『コロナ特別対応型』の募集は終了しています。今回は、『一般型』について、経営コンサルタント、加藤健一郎氏にわかりやすく動画でご説明をいただくとともに、要点を下記に執筆いただきました。前編・後編の2回に渡り、お届けいたします。
*2021年2月20日時点の情報です。
補助金は“返済不要なお金”などと表現されることがありますが、もしも使いこなすことができれば、飲食店を経営していく上で大きなアドバンテージとなるはずです。まずは、個人経営の小さなお店(※)でも活用できる『小規模事業者持続化補助金 一般型』(以下「持続化補助金」と省略します)の概要について筆者作成のYouTube動画をご覧ください。
※ 飲食店は従業員数5名以下(事業主や同居の親族従業員等は含まない)が対象。
▶ 補助率2/3 Max100万円交付
持続化補助金は、売上アップのために使う経費の2/3を補助(上限:原則50万円/特例100万円)してくれるものです。通常、補助金の対象となる経費は狭く限定されますが、本補助金では売上アップに関連する費目(※1)が幅広く認められている点が特徴として挙げられます。また、売上アップに加えて業務効率化を図る場合はその経費も対象となります(※2)。
※1 看板,手配りチラシ,新商品の開発費,店舗の改装費etc.
※2 売上アップの取組が前提であり,業務効率化だけでは経費の対象とはなりません。
▶ 商工会議所・商工会と“二人三脚”で取組む
持続化補助金の交付目的は「小規模事業者に事業計画のつくり方を学んでもらうこと」です。商工会議所・商工会の経営指導員に事業計画の作成に関与してもらうことを通じ、経営レベルの底上げ、ひいては、ビジネスの長期持続化をねらいとする補助金制度です。
▶ “初心者向け”の補助金
補助金の申請には、事業計画のほか様々な書類作成が必要であり、分厚い申請マニュアルを読みとく労力も必要となりますが、この辺りも商工会議所・商工会の経営指導員に尋ねながら手続きを進めることができます。つまり持続化補助金は、これから補助金活用して行きたい“初心者向け”の制度と言えます。逆にシビアな言い方をすると、持続化補助金を活用できない事業者は,他の補助金制度の活用も難しいかも知れません。
▶ 申請書記載例も用意されている
どのような申請書を作成すれば良いか、疑問に思った方は以下のURLを参照願います。ロードサイドの海鮮居酒屋が、デリバリーの開始と手土産を新たに開発して売上アップを試みる内容が記載されています。難しい数値計画の作成まで記載が求められないのも“初心者向け”たる所以です。
- 日本商工会議所 申請書記載例(海鮮居酒屋)
https://r1.jizokukahojokin.info/files/1816/1364/5285/r1y2-1.pdf#page=5
- 持続化補助金の採択事例はこちらから検索が可能です
https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies
(採択事例を一部ご紹介)
- ●急速冷凍機導入による「非対面」「宅配」サービスの実現
https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies/1476
- ●安全な接客と提供方法の整備によるテイクアウトの強化
https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies/1475
- ●HP作成と外壁塗装により認知度・顧客満足度UPで新規顧客獲得
https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/case_studies/1433
次回(後編)は補助金活用に関する基礎的な知識について解説します。
◆経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)加藤健一郎
1975年生まれ、三重県四日市在住。大学卒業後、デパートの販売促進部に勤務。30歳で退社後、中小企業診断士・社会保険労務士の資格取得後、経営コンサルタントとしてのキャリアを積む。2012年、四日市に個人事務所 『さくら経営支援室』 を開設。中小企業の会社経営を財務・労務の両面からサポートしている。
- さくら経営支援室HPhttps://sakura-keiei.com/profile/career/
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