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飲食店舗物件の内見時は必ず確認、給水管の口径(容量)とは?

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電気やガスと同様に、飲食店を経営する上で、水道は重要なインフラの1つとなります。OPENしてからこんなはずではなかったと後悔しないためにも水道について必要な知識を身に着けておきたいところです。本記事では、水道のなかでも給水管の口径(容量)について、口径とは何か、その確認方法、飲食店に最適な給水管の口径、増径工事と費用などについて説明をしていきます。
 


 

◆給水管の口径(容量)とは?

給水管の口径とは何のことを言うのかわからない人も多いかと思います。まずは、給水管の口径について、基本的なことから説明をしていきます。道路の下などには配水管(本管)と言われている水道水を配水するための太い水道管が埋設されています。この配水管から分岐して建物の水道メーターまで引き込まれた水道管のことを給水管と言います。この際に使用される給水管のサイズを表したものが口径となります。口径は、給水管の内寸(内径)で図られ、そのサイズには、13mm、20mm、25mmなどがあります。同然ですが、口径のサイズが大きくなればなるほど配水の量が多くなり、20mmの口径のものは、13mmの口径のものより倍近くの水量の違いがあります。口径のサイズが大きくなれば、同時に多くの水を使用することが可能となります。
 

◆口径の確認方法

給水管の口径はどのようにして確認すればよいのでしょうか。確認方法は簡単で、ほとんどの場合で水道メーターの蓋(青色部分)に口径のサイズ(13mm、20mm、25mm)が記載されています。その他、水道局から送付されてくる「ご使用水量・料金のお知らせ」や領収書でも給水管の口径を確認することができます。
 

◆飲食店に最適な給水管の口径

現在では20mm口径が多くなってきていますが、古い物件ですと13mmの口径のものもあります。特に13mmは注意が必要です。カフェや喫茶店などの軽飲食で水をあまり多く使用しない業態であればよいのですが、ラーメン店やうどん店など水を多く使用する業態や大型の店舗などは、これでは難しいと考えてください。25mmあると安心です。水量不足が起こってしまうと作業効率も悪くなり、お客様を待たせてしまうことにもなりかねません。契約に先立つ内見時に必ず給水管の口径を確認するようにしてください。
 

◆給水管の増径工事と費用

給水管を増径することで1度に使用できる水量(水栓の数)が増えるので、ストレスを感じることなく水栓の同時使用が可能となります。それではどのようにして増径工事をするのかですが、まずは水道工事業者に相談することです。そして、相談する業者が自治体の指定工事業者かどうかを確認するようにしてください。増径工事は指定工事業者でないと施工することができないとされています。次に費用ですが、どのくらいかかるのか気になるところかと思います。増径工事には、次の2つの方法が考えられます。
・水道メーターのみを交換する:2万から5万円程度
・水道メーターと給水管の両方を交換する:40万から50万円程度
給水管を交換するとなると、配管から掘り起こす工事となるため、新設するのと変わらない工事となります。また、配水管(本管)までの距離が長いと費用は膨れ上がることになるので注意が必要です。
 
参考:給水管を増径工事する場合の一般的な流れ|東京都水道局
 

◆おわりに

ここまで飲食店を経営する上で必要な水道について給水管の口径にスポットをあてて説明してきましたがいかがでしたでしょうか。必要なインフラであるにもかかわらず、内見時に軽視しがちです。特に近年は、居抜き物件が出店の主流となっており、出店する飲食業態が居抜き物件と同じような業態であれば、問題ないだろうと考えてしまいがちです。実は水量不足の問題がある中で営業し続けてきた物件かもしれません。OPEN後にこんなはずではなかったということにならないように契約前にしっかり給水管の口径を確認するようにしましょう。

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飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

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