飲食店開業成功者インタビュー　VOL.２「さけとさかな　ばとん」渡部雄二さん

居抜き物件で出店スピードを速く

2019年6月7日に渋谷区笹塚にオープンしたのは、「さけとさかな　ばとん」。
中野、新宿に4店舗の飲食店を運営していた、株式会社UGオーナーが5店舗目の出店にて初めて商店街の中の物件を選択。今回、繁華街ではなく、落ち着いた土地を選んだ理由とは？
そして、代表の渡部さんのお店とのかかわり方を伺いました。

―早速ですが、今回の出店場所「笹塚」は、どのような流れから決定されたのでしょうか。
（渡部さん）はい、弊社は従業員の夢や目標に対して寄り添うということをとても大切にしています。こちらのお店、「さけとさかな　ばとん」は小島店長に一任しているんですね。
そもそも2018年の7月ごろ「来年の6月にはお店をだそう」という話をしていました。もちろん、グループ店が近くに合ったほうが何かと都合がいいのですが、新宿の物件はなかなか出なかったので、このエリアにも範囲を広げたというのが事実です。

―こちらの物件に決めた理由をお伺いできますか。
（渡部さん）とにかく、すぐにオープンできる物件が良かったということです。今年の3月ぐらいから探していたのですが、連休明けに契約、引き渡しいただいてから1週間というスピードでオープンしました。居抜き物件はとにかくオープンまでのスケジュールをどれだけ短くできるかという点ですね。

―前は何のお店だったのでしょうか。
（渡部さん）イタリアンだったようですね。食器はもちろん新調しましたが、内装はほぼ変えていません。予備の椅子購入くらいでしょうか。
ばとん　内装

―確かに、イタリアンだったように見えてきます。しかしオープンまでのスピードがすごいですね。
（渡部さん）細かなところは、やりながら修正していくという姿勢ですかね。初めから完璧を目指そうと思うといつまでたってもオープンできないですし。

―独立から5年目で5店舗というのは、かなりパワーが必要だと思うのですが。
（渡部さん）徐々に物件の見方も板についてきましたから、オープンまでの要領も得てきているとは思います。初めは、無知な部分もおおく、引き渡し前のダクトチェックも見逃していて、譲渡されてから「え？？」なんて経験も踏んでいますよ。でも、ようやく5店舗目をオープンしたことで、これからは新規出店ということより、既存店含め一層お店の質を高めていくところに力を注ぎたいと思います。

―代表としてのお店へのかかわり方を教えていただけますか？
（渡部さん）なるべく店舗は信頼できる従業員に任せ、自分は外のお店を食べ歩くということが、第一の仕事だと思っています。お店に入り込みすぎると、外の情報が見えなくなるんです、どうしても。メニュー一つにしても、お客様都合でなくお店都合になってしまう。
そんなとき、外の風を運ぶのが私の役目ですね。そのために、自社のお店でも経営者というスタンスでは食べません。もちろん、会計も自分の財布から支払います。その時「少し高いな」「あんなに食べたのにこの価格はいいな」とか、素直な感想がでてくるので。

―なるほどですね。どうしても経営者は自分のお店をニュートラルに見ることができなくなりがちですよね。
（渡部さん）そうなんです。もちろん、私は接客も好きなので、店長がお休みの日などはシフトにも入りますよ。お客様からの声でヒントになることもたくさんありますから。
ばとん　渡部雄二さん

―でも、もともとスポーツトレーナーだった経歴からのスタートだったとか。
（渡部さん）はい、今の私があるのは、トレーナー時代に声をかけていただいて前職の代表の方のおかげなんです。未知の世界のことを丸ごと任せてくれた経験は大きかったです。もちろん、独立の際もしっかりとサポートをしていただいて。とても、人に恵まれているなと感じますよ。その経験があるので、自分の会社のスタッフが独立を目指す際には全面協力していきたいと思います。

―素敵ですね、最後に「さけとさかな　ばとん」のPRをお願いします。
（渡部さん）店名の“ばとん”には、人と人とを繋ぐという意味を込めました。落ち着いた空間の中で、おいしい時間を過ごしてほしいです。