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焼き鳥屋の開業は儲かるって本当?費用の目安や必要な準備・メリットなどを解説

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飲食店の種類はさまざまです。なかでも、焼き鳥屋は比較的小規模な店舗で開業できるため、人気があります。初期費用が抑えられることから、飲食店経営を目指す人のなかには、焼き鳥屋を考えている人も少なくありません。この記事では、焼き鳥屋を開業するための資金や手続き、メリットやデメリットなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
 


 

◆焼き鳥屋を開業すると儲かるのか?

焼き鳥屋を開業すると本当に儲かるのか、悩んでいる人もいるでしょう。開業にかかる初期費用や開業後にかかる運営資金を解説します。
 

◇焼き鳥屋の開業にかかる初期費用

焼き鳥屋を開業するためには、物件取得費用や内外装工事、設備費用、備品代、広告宣伝費などの初期費用がかかります。東京都内における約30坪の物件の場合は、以下のとおりです。
 

 
開店時の初期費用は、合計600~1,000万円ほど必要になると考えておきましょう。
 

◇焼き鳥屋の開業後にかかる運営資金

焼き鳥屋の開業後にかかる運営資金としては、人件費や賃料、原材料費、水道光熱費、広告宣伝費などがあります。焼き鳥屋の主な経費は、以下のとおりです。
 

 
合計で毎月300万円ほどかかると見込まれます。開業直後は、売上が安定しない可能性があるため、数か月分の資金を確保したうえで、余裕をもって準備することが重要です。
 

◆焼き鳥屋を開業するメリット

焼き鳥屋の開業は、材料の原価が安くて大がかりな設備も不要なため、低コストで実現できます。ここでは、焼き鳥屋を開業することで得られるメリットを解説します。
 

◇低コストで開業できる

焼き鳥屋は1人から数人で利用する人も少なくないため、カウンターのような限られたスペースでも営業することが可能です。それほど大がかりな設備は不要で、他の飲食店に比べ、賃料が抑えられます。
 
とはいえ、スケルトンからの新規開業する場合は、排気ダクトを含めて低コストでは難しいケースもあるので注意が必要です。テイクアウトに特化する、居抜き形態で初期費用を低コストにするなど、開業費用を抑える方法も検討しましょう。
 

◇原価が安い

主な材料は鶏肉であるため、仕入れ品目が少なくて済みます。原価率が高くなるブランド鶏を使用しなくてもそこまで問題ありません。調味料や野菜などを工夫して加えれば、幅広いメニューを提供できます。
 

◆焼き鳥屋を開業するデメリット

以下では、ライバル店の存在や立地による差など、焼き鳥屋を開業するうえでのデメリットを解説します。
 

◇ライバル店が多い

焼き鳥屋は比較的幅広い層に人気が高く、需要の高い立地では大手も出店しているため、必然的にライバル店が多くなる傾向にあります。ライバル店との差別化をうまく図らなければ、廃業に追い込まれてしまう可能性もあるでしょう。差別化を図るポイントについては、後述します。
 

◇立地によって売り上げに差がある

焼き鳥屋だけではなく、飲食店経営では店舗の立地条件が売り上げに直接影響します。焼き鳥は、一般的な居酒屋や飲食店などでも提供されており、ライバル店は焼き鳥屋だけではありません。立地選びを誤ると、客を取られ、売り上げが伸び悩む可能性が高くなるでしょう。
 
ただし、テイクアウト需要に重きを置けば、宅地エリアも出店検討に入るため、居酒屋や和食店よりも狙える立地の範囲が広い場合もあります。
 

◇単品単価が低い

焼き鳥1本の価格は、100~200円前後が目安です。基本的には、客単価が原価率30%前後になるように設定します。焼き鳥屋は単品単価が低いため、客単価も上がりにくいです。そのため、セットメニューにしたり、サイドメニューを充実させたりするとよいでしょう。
 

◆焼き鳥屋を開業する2つの方法

焼き鳥屋を開業するには、主に2つの方法があります。ここでは、自分で開業する方法とフランチャイズで開業する方法を解説します。
 

◇店舗を借りて開業する

焼き鳥屋の開業は、物件を借りて開業することがベーシックな方法といえます。需要の多いエリアでは、集客のしやすさが特徴です。需要の多いエリアでの出店であれば、利益率の高い酒を提供しやすかったり、場所がわかりやすかったりするため、利益を上げやすく、リピーターの確保も期待できるでしょう。
 
一方で、場所によっては高額な賃料がかかることや出店場所選びに失敗するリスクが懸念されます。
 

◇フランチャイズ契約を結ぶ

フランチャイズ契約を結び、店舗あるいはキッチンカーで焼き鳥屋を開業する方法があります。フランチャイズでは、フランチャイザーに加盟金と使用料を支払うことが必要です。サポートを受けながら店舗経営ができるので、飲食店経営初心者に向いています。有名企業のブランドを掲げられる面で、客の信頼性も高く集客しやすくなるでしょう。
 
ただし、本部の方針に従わなければならず、経営の自由度は低くなることがデメリットです。
 

◆焼き鳥屋の開業に必要なステップ

以下では、事業計画やコンセプト設定、店舗探し、資金調達といった、焼き鳥屋を開業するために必要なステップを解説します。
 

◇1.事業計画を立てる

安定して経営を継続させるためには、事業計画が重要です。融資を受ける場合は、事業計画書の提示が求められます。競合店との差別化につながるコンセプトに合わせて、費用や売上を想定しましょう。事業計画がズレてしまうと、資金不足になったり従業員を雇えなくなったり、経営に支障をきたすことがあるため、注意が必要です。
 

◇2.コンセプトを決める

焼き鳥屋のコンセプトを、初めにしっかりと設定しておくことも必要不可欠です。どのような焼き鳥屋にするのか、ライバル店との差別化を図りながら、慎重にコンセプトを検討しましょう。年代や性別、職業などターゲット層を絞っておくと、店舗の内装やメニューを決めやすくなります。
 

◇3.店舗を探す

開業時には、店舗となる物件探しが必須です。開業エリアに関して、細かい市場調査を行いましょう。焼き鳥屋は、店舗スペースが比較的小さくても問題はありませんが、最低30坪ほどの広さの確保が必要です。客が入りやすく焼き鳥を楽しく食べられる物件や立地のよさを意識することが求められます。
 

◇4.資金を調達する

貯金を使用する、融資を受ける、親族から借りる、補助金や助成金を利用するなど、資金の調達にはさまざまな方法があります。自己資金を使用して、足りない資金を融資で調達する方法が一般的です。
 

◇5.資格取得・届出申請を行う

飲食店を開業するためには、資格や申請が必要です。資格取得は、資格の種類や各都道府県によって受講方法が異なるため、事前に確認しましょう。飲食店営業許可は保健所に、開業届は税務署に提出します。以下で、飲食店経営に必要な資格を紹介します。
 

・食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店で提供する飲食物の衛生管理を目的とした資格です。1店舗に必ず1人の取得者が必要です。食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会を受講して取得しますが、受講費は1万円ほどかかります。
 

・飲食店営業許可

飲食店営業許可は、飲食店開業において必要不可欠です。店舗の設備が飲食店として相応しいかを保健所が査定し、合格することで営業許可証を得られます。保健所に事前相談をし、案内に従って申請しましょう。
 

◆焼き鳥屋を開業する際の注意点

以下では、ライバル店との差別化やサービス内容など、焼き鳥屋を開業する際の注意点を解説します。
 

◇ライバル店との差別化

焼き鳥の味や、通いやすさ、店舗の雰囲気、スタッフの人柄など、ライバル店にはない強みをつくることが重要になります。
 
差別化を図れるコンセプトは、例えば以下のとおりです。
・薄利多売
・SNS映えや話題性
・さまざまな味を楽しめる焼き鳥屋
・立ち飲み屋スタイル
・ランチ営業で焼き鳥丼や焼き鳥定食を提供
・焼き鳥のテイクアウト
 
経済力のある層をターゲットにする場合は、ブランド鶏を使用して高級店として打ち出すなども考えられます。
 

◇サービス内容へのこだわり

サービスのなかで繁盛する決め手は、やはり焼き鳥の味です。良質な素材を選び、仕入れ先の確保にもこだわりましょう。焼き鳥は、鶏肉のさまざまな部位だけではなく、野菜をはじめ、牛肉や豚肉など豊富なラインナップでも、差別化を図ることが大切です。
 

◇店舗の立地条件

店舗の立地が集客を左右します。設定したターゲット層が多いエリアを選ぶことがポイントです。酒を提供するため、駅の近くが便利ですが、都合のよい場所はライバル店が密集している可能性があります。ライバル店の状況だけではなく、交通量といった情報も把握し、総合的に考えて開業することを検討しましょう。
 

◇集客対策

集客は、開業後より開業前に本格化しておくことが重要です。開業した焼き鳥屋を多くの人に知ってもらうためには、ホームページの開設やSNSの利用、チラシ配り、看板の設置など、さまざまな宣伝方法を駆使しましょう。インターネットと紙媒体で集客を行うことで、より多くの見込み客が期待できます。
 

◆まとめ

焼き鳥屋の開業は簡単ではありませんが、幅広い層に需要が高く、経営も安定しやすいことが特徴です。おいしい焼き鳥を提供して集客力を上げることで、人気店に成長する可能性もあります。近くにライバル店があるか、客が入りやすい立地なのか、徹底的なリサーチが重要といえます。時間に余裕をもち、入念な準備で開業につなげましょう。
 
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飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 

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