開業ノウハウ

上野御徒町で飲食店を開業「上野と言えば!のエリアでも新発見」上野駅編Part2

画像

調査日2025年3月2日
出店するならこの街だ!注目エリアをレスタ編集部が歩いて紹介 vol.21

 
観光地としても名の知れている上野。ランドマークとされる場所は上野動物園や上野公園、美術館などだけでなく、ショッピングや食べ歩き、友人との会食など、広範囲に渡って点在。その中でも中心的な場所といえば、そう、アメ横。そもそもアメ横って、どんな場所?何があるの?今回はアメ横を中心に、知る人ぞ知る上野〜御徒町〜湯島エリアを、広く散策してみたい。
 

上野と言えばこれ!と思いつくランドマークがいっぱい

北の玄関口であることや古くから文化人にゆかりのある場所であることは前回お伝えしたが、街の発展とともに数多くのランドマーク的な場所が誕生してきたのも見逃せないところ。ただ、街の発展とともに商業施設はここ数年で入れ替わりの兆しが。
 

 
まずはJR上野駅の目の前には「上野マルイ」。こちらは1985年に丸井上野店として開業し、駅の往来を見守っている。若い女性の人気が高かったのが、「ABAB(アブアブ)」。なんと1945年に上野の地で衣料品店を開始し、ギャルブームを牽引してきた部分もあったが、惜しまれつつ2024年に閉店。上野の一等地という立地から、跡地の活用に注目が集まっている。
 

 
「松坂屋上野店」は、歴史を紐解くと1768年に遡るという老舗百貨店。現在の場所に新築されたのは1929年ということで、このエリアでの歴史は古く、古参のファンも多い。1947年創業のディスカウントストア「多慶屋」は、2022年より大型リニューアルを施し、改装中の場所も多い。
 

 
1941年創業の「吉池」。一時期は洋品店などのテナントが入る商業施設としての役割も大きかったが、老朽化などにより建て替えを実施。食品売り場もリニューアルすることとなり、原点回帰的に鮮魚売場がかなり充実で、外国人観光客の姿も多くみられる。最上階には吉池の運営する「吉池食堂」があり、上野の街を眺めながら魚料理などが堪能できると人気だ。
 

アメ横ってどんなとこ?

上野に来たら、アメ横に寄らずしてどこへ行く!と言っても過言ではないほど、多くの人が訪れる場所。年末には1日あたり50万人の来訪者があるとも言われ、商店街としては珍しい場所でもある。
 

 
アメ横の現在の正式名称は「アメ横商店街連合会」。JR上野駅から御徒町駅間の高架下を中心に左右約400店舗からなる商店街。その名は第二次世界大戦後にアメを売る店がたくさんあったからという「アメヤ横丁」由来と、進駐軍の放出物資を売る「アメリカ横丁」の由来と2つの意味があるそうだ。食品店と衣料品店が多いのも納得だ。
 

 
アメ横を散策していると、街のいたるところで菓子類が販売され、アメヤ横丁のなごりを感じることができる。アメ横で菓子と言えば1947年創業の「二木の菓子」。独特なテレビコマーシャルで記憶にある方も多く、菓子の製造販売を手がけている。
 

 
アメリカ横丁のなごりなのか、スカジャンも人気の商品。衣料品店には古着から新品までいろんなデザインのスカジャンが豊富。ミリタリーものといえば「中田商店」を忘れてはいけない。1956年、アメ横にわずか1坪の店を構えて以降、ミリタリーファッションの草分け的存在となっている。
 

 
また、意外と思われる方も多いが、靴の小売店としては国内で1000店舗も運営している「ABC MART」も、実は一号店が上野なのだ。(*写真は上野本店)
 

 
そしてアメ横の中心にあるのが「アメ横センタービル」。こちら、1階には飲食店や衣料品店なども多数入っているが、注目は地下1階の食品街という食料品売場。珍しいアジア各国のスパイスや食材が豊富に揃っていて、かなり異国情緒が溢れているフロアになっている。
 

アメ横グルメを堪能

アメ横には、食べ歩きから立ち飲み、ガッツリご飯など、堪能したいグルメが豊富だ。
 

 
歩いていると、串に刺さったカットフルーツを食べながら歩いている人を多く目にする。「百果園」はその中でも草分け的存在で、ほかにもフルーツを売る店は見かけるものの、カットフルーツ店としてはやはりこちらが一番賑わっている。
 

 
たこ焼きさんだって大繁盛。外国人観光客の方々に人気の様子。今流行りのビャンビャン麺も観光客で賑わっている。
 

 
ここからはアメ横らしさ全開の、お手頃価格の呑めるお店を攻めていこう!まずは立ち飲みの2大人気店から。「魚草」は飲める魚屋として知られ、店名の通り魚介系つまみの充実した立ち飲み店。「三幸商店」は、こちらも海産物店の片隅で角打ちからのスタートだったそう。どちらも、昼間からお酒を楽しむ人たちでいつでも大混雑。
 

 
創業した1950年から馬もつ煮込みが一番人気の「大統領」。こちらのガード下本店の他に少し広めの支店もあるので、混雑時にはそちらも利用したい。「肉の大山」は1932年に創業のメンチカツでお馴染みのお肉屋さんの角打ち。立ち飲みスペースの奥には座れるテーブルもあるので絶品のお肉ランチを目当てに来る客も多い。
 

 
上野に3店舗をかまえる「たきおか」は、こちらも安定の立ち飲みスタイル。椅子席も少し用意があるのが嬉しいところ。「でん」はもつ焼き酒場として大人気で、開店時間前から行列ができていることが多い。お隣の「晩杯屋」とセットではしご酒も魅力的。
 

 
前回ご紹介した洋食の「じゅらく」も、ガード下に「酒亭じゅらく」と「串揚げじゅらく」の2店舗を構え、酒飲みの心をくすぐるメニューを展開。暖かくなってくると、アメ横ガード下はさらに賑わいを増してくることになるのであろう。
 

 
ガード下で知る人ぞ知るのが「昇龍」。その創業は70年以上と古く、ほとんどの人が名物のジャンボ餃子を目当てに来店。餃子はテイクアウトも可能なので、帰り際に寄って一杯やって、餃子を持って帰る、というのもなかなか良いコースかもしれない。
 

 
「珍々軒」はアメ横高架下で三代続く街中華。ここにきたら、まずチャーハンはオーダーしたいところ。ビールにピッタリのお味だ。
 

アメ横を出てもまだまだ飲める!

アメ横が楽しいのはもちろんだが、上野〜御徒町〜湯島界隈はアメ横以外でも楽しくお酒が飲める場所がいっぱい!
 

 
「おかちまちレスト」は、2022年オープン。昭和スナック的要素を残し、実家に戻ってきたような気分が家庭料理とともに楽しめるお店。湯島天神下の「シンスケ」は、創業から100年を超え、とにかく酒を愛する常連客に愛され続ける名店。
 

 
上野から湯島エリアに3店舗を展開する「鳥恵」は、軒先の杉玉が目印。丁寧に仕込まれた大山どりの焼き鳥で酒が進む。「琥珀」は、あの三島由紀夫も通っていたことでも有名なバーで、1955年に創業。今ではウィスキー好きが集まる店になっている。
 

 
上野広小路駅すぐそばの「味の笛」は、前述の吉池が運営する立ち飲み店。
 

 
生ビールも通常のものだけでなく黒もあり、猛者になるとハーフアンドハーフなんていうオーダーも。つまみは当然、吉池の食材を使用しているものばかりで、間違いないお味。今日は何をつまもうか?かなり迷ってしまう品揃え。筆者も歩き疲れて小休止…。
 

街中華からラーメンまで

アメ横の喧騒を離れても、まだまだ人気の飲食店が目白押し。このエリアで働く人たちにも人気店は、やはり中華料理やラーメン。
 

 
こちらの2店舗は、筆者が勝手に上野御徒町二大町中華と名付けている、教えたいけれど教えたくない、そんなお店。「中華 珍満」は行列ができることで有名な町中華。初めての方にはチャーハン+餃子をおすすめしたい。1944年創業の「中華 大興」は、細い路地にひっそり佇む隠れた名店。オムライスも捨てがたいが、個人的には肉野菜炒めが絶品。
 

 
次は中国ではポピュラーな羊料理店。「羊香味坊(ヤンシャンアジボウ)」は中国東北地方のラム肉を使った料理に特化。ランチもディナーも大人気。「喜羊門」は、なんと羊の足の丸焼きが堪能できるラム好きには有名なお店。
 

 
2020年オープンの「LEGENDARY HONGKONG(香港傳奇)」は、本格的な香港式の飲茶が楽しめるとして話題に。飲茶の他にも麺類やお粥なども堪能できる。
 

 
ラーメンだって人気店がずらり。「らーめん鴨to葱」は、店名の通り鴨とネギでとったスープに多くのファンが集まる行列店で、やはり人気は鴨らーめん。「あいだや」はラーメン好きの間では知らない人はいないとも言われる、らーめん小池の系列店。こちらの魅力は、選べるつけ汁が2種類ついてくるつけ麺。ありそうでなかった画期的なメニューで注目。系列の王子「キング製麺」はRESTAでも以前に取材済み。

「さんじ」はかつて力士だったという店主が提供するラーメン店。絶品のチャーシューに心奪われてしまう。「焼きあご塩らー麺 たかはし 上野店」は九州ではメジャーな飛魚(あご)出汁のスープが特徴。麺との絡みも抜群だ。
 

韓国系焼肉の宝庫!

このエリアで忘れてはいけないのが焼肉を中心とした韓国料理。東上野エリアには本場韓国の方が多く暮らす都内で最も歴史のあるコリアンタウンがあり、本格的なキムチ店や焼肉店がずらり。
 

 
「まるきん」は1952年よりこの地で韓国食材を販売。本場のキムチが買えるとあって遠方より買いに来る方も多い。「第一物産」はキムチの種類が豊富で目移りしてしまうほど。自家製キムチを漬けるための材料も品揃えが多く、何を隠そう筆者もこちらで材料をそろえてキムチを漬けている。
 

 
「焼肉 大門」も老舗焼肉店のひとつ。広い店内では宴会も可能で〆の冷麺は欠かせない。「東京苑」は、新鮮なホルモンが人気で、ハラミを世に知らしめたのがこちらのお店なのだとか。
 

 
東上野エリアを出ても、まだまだ人気焼肉店が。「焼肉フジ」は提供される肉の厚さに注目が。ブ厚いシリーズと呼ばれる厚切り肉には思わず笑みがこぼれる。こちらも厚切り肉が人気の「TOKYO 焼肉 ごぉ」。上野エリアで3店舗を展開していることから人気のほどが伺える。
 

 
上野広小路駅すぐそばの路地裏で人気なのは「焼肉やまだ」。こちらは遅い時間にも営業していて重宝されている。「焼肉上野太昌園 本店」は1963年創業。初代の韓国の食文化を日本でも伝えたいという想いを、現在は二代目が継承。焼肉店としてはこのエリアに3店舗を構えている。
 

 
店舗展開を広げている「焼肉ここから」も、アメ横のど真ん中に2025年2月にオープン。肉卸直営の和牛役肉専門店「韓国酒家 絵のある街」は、肉卸ならではの上質な和牛がリーズナブルに提供されているだけでなく、半個室タイプの席が多く、落ち着いて楽しめるのが特徴。
 

 
札幌ジンギスカン老舗店が東京初出店で話題となったのは、2024年にオープンした「成吉思汗だるま」。札幌のその味を上野の地で堪能。「焼肉一心たん助」は人気の厚切り仙台牛たんも食べられる、食べ放題の焼肉店。少し値段は張るが、そのクオリティに納得。
 

充実のカレーラインナップ

上野エリアにはオフィスビルも多く、働く人たちにはカレー店が多いのも嬉しいところ。
 

 
その香りとクセになる味わいでファンの多い「デリー」の創業は上野。ランチタイムには行列必至だが、開店が早いのでお昼休みでも影響なく食べ終われる。客のお目当ての大部分は、やはりカシミールカレーかデリーカレー。2021年には、1号店から少し歩いた場所に、小さなカレー工房とレストランを備えた「アトリエデリー」をオープン。ここでしか味わえない珍しいメニューが楽しめる。
 

 
上野駅から徒歩2分の場所にあるのは「ナマステ上野キッチン」。ランチタイムのバイキングがリーズナブルでサラリーマンの味方的存在。インドの家庭の味を日本人好みにアレンジしたのが「ラッフルズカリー」。小麦粉不使用なところも見逃せない。
 

 
「カレーの店サカエヤ」は1973年創業の老舗カレー店。メニューはシンプルで待ち時間0分がお店の自慢。シンプルで素朴な味わいが、どこか懐かしさを覚える。「カレー専門店 クラウンエース」は、一度閉店を余儀なくされたものの、2022年に復活。こちらの昭和レトロカレーファンは数知れず喜びの声が絶えないのだとか。
 

まだまだ気になるお店がいっぱい!

広いエリアの中、上野らしいお店を歩いてきたが、そんな中にも新しい上野発見!
 

 
「葡蔵人~BookRoad~」はワイン農家や作り手とお客様をつなげたいという思いから立ち上がった、都内で4番目に誕生したワイナリー。これだったらどんな食事に合わせようか?など想像が膨らんでたのしいお店になっている。「まぐろ人」は1貫80円からとリーズナブルに美味しい寿司が堪能できる立ち食い鮨店。浅草の本店は座っていただくスタイルであるものの、出張所と言われる各支店では江戸前の寿司をもっと身近にというコンセプトのもとで、こういったカジュアルスタイルになったそう。
 

 
フレンチの名店NARUKAMIが「メゾンナルカミ」として2024年に湯島の古民家へ移転。和とフレンチの融合したフレンチジャポネーゼのコンセプトにぴったりの場所だ。築60年を超える古民家を改装したのが「味噌坐 玉響(たまゆら)」。味噌を使ったつまみの数々と、珍しい日本酒のラインナップが楽しめることで人気。
 

 
2024年にオープンしたこちらの2階にある「The God Diner」は、知らない人は絶対に入れないという不思議なハンバーガー店。1階の居酒屋脇にあるこの自動販売機、これが実は扉になっていて、ここから2階へ上がるという仕組みになっている。話題になったのは不思議な入口だけではなく、本格的なハンバーガーにも、すでに多くのファンがついている。
 

 
今回はアメ横の飲み屋を中心に、サラリーマンの味方や観光客にも喜ばれる店舗まで色々と巡ってきた。上野エリアは歴史ある古いお店が多い印象は昔のこと、少しずつ新しい潮流が出始めているのも発見することができて、なかなか知られていない一面をお届けできたのではないだろうか。
 
商業施設跡地の活用など、まだまだ眼が離せない上野エリア。今宵もどこで一杯やろうかな?さて、次はどこの街へ散策に向かうのか…お楽しみに!
 
文・飲食店開業応援マガジン[RESTA(レスタ)]編集部
 
〇上野で物件をお探しなら「居抜き市場」で!
 

「開業ノウハウ」の関連記事

関連タグ

「開業ノウハウ」記事の一覧